日本初公開!伝説のミュージカル『CHESS』記者会見&舞台レポート

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2015年9月27日(日)、伝説のミュージカル『CHESS』が東京芸術劇場プレイハウスで公開を迎えた。世界的POPグループABBAのベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァースが楽曲を書き下ろし、原案・作詞は『ライオンキング』『アイーダ』『エビータ』を手がけたティム・ライスだ。主要キャストには、2012年のコンサート版『CHESS in Concert』と同じく安蘭けい、石井一孝、中川晃教のほか、若手ミュージカル俳優として『エリザベート』などで活躍目覚ましい田代万里生が今回のミュージカル版から参加する。本公演は、10月12日(月)に東京芸術劇場プレイハウスでの上演を終えたのち、10月19日(月)~25日(日)に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。今回は、日本初公開となる注目の本作の様子をお届けしよう。

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『CHESS』公開ゲネプロ

舞台は、アメリカ合衆国とソビエト連邦の冷戦時代。チェスゲームの世界を冷徹に支配するアービター(田代万里生)が見守るなか、イタリアでチェスの世界一を決める選手権が開催されようとしていた。

『CHESS』公開ゲネプロ

時の世界チャンピオンであるアメリカ人のフレディ(中川晃教)は、セコンドのフローレンス(安蘭けい)と共に世界大会に臨む。その対戦相手、アナトリー(石井一孝)は、ソビエト連邦の出身。政治的にも対立する2国の選手がチェスで戦うはずだったが、チャンピオンという重圧に苦しむフレディが傍若無人な態度を取って棄権したことにより、アナトリーは不戦勝となる。さらにその騒動の渦中、アナトリーは妻子を持つ身ながら、敵対関係にあるはずのフローレンスと恋に落ちてしまう。

『CHESS』公開ゲネプロ

一年後、かつて敵であったアナトリーのセコンドとなったフローレンスは、再びフレディと相見えることになる。そしてチェスゲームに呼応するように、KGB(旧ソ連国家保安委員会)とCIA(米国諜報機関)の思惑も絡まり、国家の威信を賭けた人生のゲームが始まる……。

『CHESS』公開ゲネプロ

プレッシャーからの苦悩による横暴ぶりで、チェスにもフローレンスにも見放されたフレディを、中川がまるでロックスターのように情熱的に演じる。

『CHESS』公開ゲネプロ

対戦国の、しかも妻子ある相手と恋に落ちてしまうフローレンスもまた苦悩する。苦しみながらも自分の人生を選択しようともがくヒロインを、安蘭が凛とした立ち姿と力強い歌声で体現。

『CHESS』公開ゲネプロ

ミュージカル界屈指の実力派である石井は、国家の威信を賭けたチェスの試合に惑い、妻と、恋した女性の二人の間で逡巡する難しい役を、その歌声と目線で演じ、弱さも見え隠れする大人の男の色気をこれでもかと醸し出していた。

『CHESS』公開ゲネプロ

そして、アナトリーの妻スヴェトラーナを演じたAKANE LIVは、男たちのチェスの戦いが続く中、女性ならではのしなやかさと憂いで舞台の幅を広げた。

『CHESS』公開ゲネプロ

チェス版に見立てたデザインのステージ上で、生バンドにより音楽が演奏され、振り上げられる指揮棒が激しいゲーム戦の臨場感を増している。

『CHESS』公開ゲネプロ

会見で、石井は「ものすごく迫力のある音楽だし、演出も自由にさせてくれる。お客さんも一緒にチェスを戦っているような、そして戦争下を生き抜いているような気持ちになれると思う」と作品を評した。音楽の重要さについては中川も、「一糸乱れぬ音楽の完成度の高さを感じていて、その音楽に立ち向かうのか、飲み込まれないように踏ん張るのか、それぞれの役に個性がある。ミュージカルの醍醐味を感じています」と大きく頷く。田代も、「『CHESS』のようなミュージカルは他に思いつかない。ミュージカル界にとってもこの作品は斬新な位置にある」と襟を正していた。

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『CHESS』公開ゲネプロ

物語の芯でもあるフローレンス役の安蘭は、作品を心待ちにする観客に向けて「生バンドの音楽で成り立っている作品。過去に『CHESS in Concert』のコンサートを見てくださった方も、単純にABBAが好きな方も、初めての方も、素晴らしい作品なので期待してください」と意気込んだ。

生バンドによる圧巻の音楽と、実力派俳優達が織り成す伝説のミュージカル『CHESS』は、2015年9月27日(日)~10月12日(月)まで東京芸術劇場プレイハウスにて、10月19日(月)~10月25日(日)まで梅田芸術劇場 シアタードラマシティにて上演。

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