舞台・映画・TVと幅広く活躍する宮藤官九郎が監督を務める最新作、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』が、2016年2月に全国公開される。本日7月8日(水)、映画の舞台となる“地獄”セットにて、クランクアップ報告記者会見を実施した。会見には、長瀬が演じる、地獄農業高校の軽音楽部顧問、赤鬼・キラーKが率いる地獄専属ロックバンド地獄図(ヘルズ)のバンドTシャツに身を包み、7年ぶりの映画主演となる長瀬智也をはじめ、CXドラマ『ムコ殿』(2001)以来15年ぶりに長瀬との共演となる神木隆之介ほか、森川葵、清野菜名、宮藤官九郎監督らが登壇した。
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会見冒頭の挨拶の段階から、熱くたっぷりと語り出す長瀬。「宮藤監督と、これまでの仕事で音楽の話もさせていただき、いつか音楽をテーマにした作品もできたら、と思っていたところに本作の話をいただき『是非とも』とこたえまして。お芝居だけでなく音楽の要素もあって、コメディもありエンターテインメント性も高く、こんな作品は今後なかなか観ることができないと思います。宮藤官九郎じゃなければこの作品はできない、と撮影中も何度となく思いました」と宮藤を絶賛。
撮影期間の40日中30日を地獄セットが作られたスタジオで過ごしていたという宮藤。「朝9時から夜は11時くらいまで。毎日通いました。今、会見をしているこのスタジオでは天国の場面を撮影していましたが、どうもスタッフが“地獄慣れ”してしまったようで、天国撮影中に具合を悪くして、僕も風邪をひいて」と思わぬ出来事を語っていた。
本作を書こうと思った理由について、宮藤は「自分も年を取り、死ぬことが怖くなり嫌な気持ちになった。悪いことをすると地獄に落ちるとよく言うが、アメリカのヘヴィメタルの楽曲では地獄を肯定している歌が多く、それがカッコよくて。カッコいい人が地獄に落ちると思えば死ぬのも怖くなくなるだろう…そこから地獄で鬼がバンドをやっている話が浮かんできました」
本作に長瀬を起用した理由としては「ドラマなどで一緒の現場のときに、撮影のモニターを観ていると長瀬くんの顔芸が(笑)いっぱい、いろいろな表情をしてくれるのをみて、ジャック・ブラックみたいだなと。僕はジャック・ブラックが好きなんですが、長瀬くんにはジャック・ブラックみたいなコメディをやってほしいと思ったんです。
これに対して長瀬は「(鬼役は)僕しかいないっすよね…自画自賛ですみません」と笑顔。「地獄やデビルって、どこかカッコイイなと思ってて。デザインや言葉、音楽を通してそれを感じていたので、宮藤監督が何を求めているのかがすぐ理解できました。自分も36年生きてきてお別れした人もいて、その人たちが地獄でこんなことをしてたら悪くないかもと思ってて」
さらに宮藤が神木をキャスティングした話に及ぶと「神木くんにだけはどこかサディスティックになってしまう自分がいて」と宮藤。「地獄で拷問を受けている高校生の役で、神木君をいじめたいなと思いまして。いい顔するんです。拷問のシーンとか…神木くん、一日中吊られている日があったよね!僕のこの楽しさをみんなと共有したいと思ってオファーしました」と語ると、「ちょっとちょっと」と神木が苦笑しながら突っ込む一幕も。
なお、キラーKが持つギターは、THE ALFEEの高見沢俊彦が多数所有するエンジェルギターを作った職人が手掛けたもの。「ギターだけで10kg弱ありますよ。『ドラゴンボール』でいうと亀の甲羅を背負っている感じ。このキラーKの姿、子どもの頃に憧れたものが全部あるんです。ツノとかキバとかカッコイイギターとか。右手がジミヘンで、左がカート・コバーン、胸元が忌野清志郎で、足元がマイケル・ジャクソンで!」と少年のように嬉しそうに解説する長瀬だった。
今回会見には登壇できなかったが、新たなキャストとして、尾野真千子、桐谷健太、古舘寛治、皆川猿時、古田新太らの出演も発表された。
「僕、違う人がキラーKをやったら嫉妬します。いろいろなもののクオリテイが高くて、想像以上の作品になっていると思います」と長瀬が自信のほどを見せる、映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』は、2016年2月全国公開だ。