2015年6月13日(土)より東京・パルコ劇場にて開幕する『メアリー・ステュアート』。本作は、同じ時代、同じ島に生きた2人の女王の物語。“女”として果敢に生き、奔放ゆえに処刑されたメアリー・ステュアートと、「国家」と結婚した“ヴァージン・クイーン”エリザベス一世として、二人の女優がぶつかり合う。開幕目前である6月12日(金)に囲み会見とフォトコールが行われ、出演する中谷美紀と神野三鈴が登壇した。
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初日を目前に控え、中谷は「できることなら逃げ出したいほど…」と言いつつ「でもこれは、それだけ素晴らしい作品に巡りあえた証です。うまく昇華させバネにしたい」と語った。神野も「(稽古期間が)あと3か月ぐらいあったら…。もう武者震いです。皆さんどうとなりと!」“まな板の上の鯉”状態の心境を明かした。
三谷幸喜や井上ひさし作品で活躍してきた神野との共演を、中谷は熱望していたという。「神野さんは大きな包容力のある方。私は舞台に立つ者としてはまだまだ新人ですので、神野さんにたくさん学ばせていただいています」と共演を喜んだ。そんな中谷について神野は「美しさと知性は皆さんご存知のところだと思うんですけど、この人…本当にやんちゃでジョークが好き」と暴露。顔を見合わせ笑う姿には、稽古を通じて培われた二人の時間が感じられた。
今回、演出には英国の気鋭演出家マックス・ウェブスターを迎えている。演出について聞かれると「私たち、マックスさんに“ブタ”呼ばわりされているんです…」と中谷から驚きの発言が。神野は「音に対する感性がすごい。ブタの件も、悪気があるわけではないんです(笑)」、中谷も笑いながら「愛情深く理知的で論理的な方。日本人でも気づかなかった日本語のニュアンスをご指摘くださった」と濃い稽古期間を振り返った。(何故マックスがそのような日本語を覚えてしまったかは…観ればわかります!)
メアリーを演じる中谷だが、どちらかというとエリザベスに共感する部分が多いという。「でも、メアリーを通して感情を爆発させて、自分自身がふだん言えないようなことを口にするのはとても心地が良いです」と意味深な笑みを浮かべた。神野曰く「歌い叫び踊り狂う、今までにない(中谷の)姿が観られる」そうだ。
最後に中谷は「16世紀の女王の物語ではありますが、私たちにも身近に感じられる普遍的なテーマを含んでいると思います。男性には、女性を少しでもご理解いただけるように、女性とは一緒に手を取り合うような気持ちで、この物語を味わっていただきたいです」、神野は「役者として、ひとつの夢を与えていただきました。あとは、美紀ちゃんと舞台の上で愛し合って生きるのみです」と約1か月に及ぶ公演への想いを丁寧に語った。
新たな“歴史”を刻むように、二人の女優が激しく舞台でぶつかり合い、女として、そして人としての生き方を鋭く問う。『メアリー・ステュアート』は、2015年6月13日(土)から7月5日(日)まで東京・パルコ劇場にて上演される。その後の地方公演の日程は下記の通り。
7月11日(土)・12日(日) 大阪 シアター・ドラマシティ、
7月15日(水) 広島 広島アステールプラザ・大ホール“アステールプラザ芸術劇場シリーズ”
7月18日(土)・19日(日) 愛知 ウインクあいち・大ホール
7月24日(金) 新潟 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
7月30日(木) 福岡 キャナルシティ劇場