6月7日にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールにて開催された第69回トニー賞授賞式。アラン・カミングとクリスティン・チェノウェスという個性派俳優の司会で進められた授賞式は、豪華ゲストの登場やブロードウェイスターらが繰り広げたパフォーマンスにより華やかな式典となった。そこで、米演劇界で最も権威ある賞を受賞したウィナーの声が届いているので、前編に引き続き、今回は後編をお贈りしたい。米DeadLineが伝えている。
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『王様と私』の演技で、日本人初のトニー賞主演男優賞を期待されながら惜しくも受賞を逃した渡辺謙だったが、ミュージカル部門主演女優賞でケリー・オハラが、助演女優賞でルーシー・アン・マイルズが受賞。授賞式後のインタビューでルーシーは、若かりし頃の自分に向けて言葉を贈っている。「歯医者になる勉強をしていたんだけど、歯医者にはならなくて良かったわ。こんな役を連続で演じられるなんて!」と、『王様と私』で演じたレディー・チャン役と 『Here Lies Love』のイメルダ・マルコス役について触れた。さらに、仕事を3つ掛け持ちしながら女手ひとつでルーシーを大学まで出してくれた母親に、涙で声を詰まらせながら感謝の気持ちを漏らしていた。
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そして、『サムシング・ロッテン!』でミュージカル部門助演男優賞を受賞したクリスチャン・ボールは、昔自分に贈られた言葉について言及した。彼が以前に出演した舞台『Peter And The Starcatcher』の演出家ロジャー・リースから、‟全てのねずみを追いかける必要はない”とアドバイスされたというクリスチャン。「自制心について言われたんだ。当時の僕が苦手なことだったからね」と言い、少しひねりを聞かせた言葉で受賞の喜びを述べた。
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さらに、特別功労賞を受賞した『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の生みの親、 ジョン・キャメロン・ミッチェルは、ヘドウィグを演じる俳優に毎回伝えているアドバイスを明かした。「(精神的に)ダメージを負っていても最終的に勝利を手に入れる人を表現するために、全体的に感情を抑えるようにって。これは、人が大人になっていくストーリーで、今の時代は誰でもヘドウィグなんだ。誰でもヘドウィグを演じられるってね」と、ブロードウェイでロングランを続ける本作について語っている。本作は、ロンドンのウェストエンドでの公演を目指して製作が進行中で、キャスティングなどの詳細は追って発表される予定だ。
第69回トニー賞授賞式の模様は、6月13日(土)20:00から字幕版で放送される。リアルタイムの放送を見逃した人、渡辺謙の“壁ドン”ならぬ“come!ドン”を観たい方、必見です!
『サムシング・ロッテン!』(c)getty images