2015年5月に、俳優座によって上演された『桜の園』がCSチャンネル衛星劇場にてテレビ放送される。2014年に創立70周年を迎えた劇団俳優座。それを記念し“俳優座の財産”ともいえるアントン・チェーホフの代表作を4作連続上演。本作は、そのラストを締めくくる公演として2015年1月に東京・六本木 俳優座劇場にて岩崎加根子主演で上演された作品である。
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幼い息子のグリーシャが川でおぼれてからまもなく、ラネーフスカヤ夫人は逃れるように国外へ去った。5年後、娘アーニャの迎えを受けて夫人は身も心も疲れ切ってパリから帰郷する。ながらく夫人の帰りを待ちわびていた家族や使用人たちの温かい出迎えは長旅の疲れを癒してくれる。果てしなく広がるさくらんぼ畑や生まれ育った古い屋敷に心和ませる夫人。しかし、夫人の全財産である領地は、長年の勝手気ままな生活とずさんな管理のために、いまや莫大な借金のカタにとられ競売に付されようとしていた…。
厳しい現実に耐えながらも幸福だった過去の追憶に浸り「生きる意味」を求める人々を描いたこの名作を、俳優座の伝統を踏まえつつ、現代の視点から新しい『桜の園』として作り上げている。演出は、川口啓史。出演は、岩崎加根子、森根三和、桂ゆめ、小笠原良知、千賀功嗣、志村史人、児玉泰次、長浜奈津子、河内浩、佐藤礼菜、河原崎次郎、齋藤隆介など。
劇団俳優座『桜の園』は、CSチャンネル衛星劇場『劇場への扉~素晴らしき演劇の世界~』にて2015年5月にオンエアされる。
なお5月には、TV初登場となる本作のほか『劇場への扉~アンコールSP~』として、青山円劇カウンシルファイナル『赤鬼』(作・野田秀樹、演出・中屋敷法仁、出演・黒木華、柄本時生ほか)、こまつ座『うかうか三十、ちょろちょろ四十』(作・井上ひさし、演出・鵜山仁、出演・藤井隆、福田沙紀ほか)、ANN Company 公演『公の園』(作・上杉祥三、演出・野崎美子、出演・浅野温子、長野里美、川崎亜沙美)も放送される。是非、あわせてチェックしてほしい。