歌舞伎、落語といった伝統芸能から演劇まで、バラエティに富んだ舞台を放送しているCSチャンネル衛星劇場。特に歌舞伎は最新舞台から秘蔵映像まで、松竹がほこる作品を毎月20本以上放送している。歌舞伎ファンはもちろん、興味はあれど、まだ歌舞伎を観たことがないという方に、5月の歌舞伎放送からエンタステージおすすめの作品を紹介しよう。
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5月のイチオシは「特選歌舞伎 中村鴈治郎襲名披露」。2015年1月上方歌舞伎の大名跡を四代目として襲名した中村翫雀(かんじゃく)改め中村鴈治郎(がんじろう)。その襲名披露口上の一幕を放送する。
一年がかりの襲名披露公演の幕開けの作品に選ばれた『恋飛脚大和往来~封印切』(こいびきゃく やまとのおうらい~ふういんきり)は、初代の鴈治郎が得意とした作品を家の芸に定めた「玩辞楼十二曲」の内の一つ。本作は、飛脚問屋の忠兵衛と遊女の梅川との心中を描いた世話物の義太夫狂言。四代目鴈治郎は上方和事を代表する忠兵衛役に挑む。中村扇雀の梅川、中村橋之助の治右衛門、片岡秀太郎のおえん、片岡仁左衛門の八右衛門という豪華俳優陣との共演も見どころ。
四代目襲名以前の演目も放送される。『茶壷』は能や狂言を題材にした松羽目物(能・狂言の表現様式を模したもの)の長唄舞踊で、七代目三津五郎以来、三津五郎の家の芸として代々継承されている作品。十代目三津五郎演じるすっぱ(=スリ)と翫雀演じる田舎者の麻胡六の軽妙なやりとりが笑いを誘う。
武家のお家騒動を描いた『通し狂言 小笠原騒動』(前編・後編)は、スペクタクル性、ドラマ性に富んだ物語を歌舞伎ならではの技法で魅せる。ストーリーの面白さや本水を使った立ち廻りの迫力を存分に楽しめる。
1月、2月の大阪松竹座を皮切りに、4月は歌舞伎座、6月は博多座と一年がかりで大劇場での襲名披露興行中。明るく幅広い芸域を持つ兼ねる役者、四代目鴈治郎の魅力が存分に楽しめる。“歌舞伎=難しい”の概念を打ち破るのは四代目鴈次郎かも?
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