10月23日(木)から開幕した東京国際映画祭で、日本映画スプラッシュ部門として映画『百円の恋』が上映されている。25日(土)には、本作の舞台挨拶が東京・TOHOシネマズ六本木にて行われ、主演の安藤サクラ、新井浩文、監督の武正晴と脚本の足立紳が登壇、上映後に行われた観客とのQ&Aに応じた。
実家で自堕落な生活を送り、妹との喧嘩をきっかけに実家を出た一子(安藤)。百円ショップで深夜労働しながらひとり暮らしを始めた彼女は、帰り道に通るボクシングジムで寡黙に練習するボクサー狩野(新井)と出会う…。どん底から這い上がろうとする一子を通し、人間の弱さと強さを真正面から描く。
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武は、「これまで男性が中心の作品を多く作ってきたが、一度、女性を主人公にした映画を作ってみたい、という願望があった。特に女性がかっこよくがんばる、闘う物語を描きたかった。その願望を足立さんに相談した」と語る。安藤も「私自身が闘いたいと思ったから」オーディションを受けたと口にした。
物語の中でボクシングを始める一子を演じるにあたり、オーディション段階で一度体重を増やし、撮影が始まって10日間くらいで身体を絞ったという安藤。新井もボクサーとしての身体作りのため3か月前から運動と食事で身体作りをしていたという。安藤は「(鶏の)ササミですね」新井「ササミでお互いを分かりあっていました」。新井にいたっては、撮影終盤は試合前の実際のボクサーのように、水抜きもしていたという。武が当時を振り返り、「雨のシーンがあったんですが、普通は身体が濡れるのって嫌じゃないですか。でも新井さんはすごく嬉しそうなので、『どうしたの』と聴くと『水が…』と(笑)」新井も「皮膚から水をとる感じですごく気持ちよくて」と限界状態ならではの感想を口にしていた。減量話で盛り上がる中、安藤が「映画に出るという目標があったからやれたんです。それがなければやれなかったですね」と改めて本作にかけた思いの強さを語るとみな納得の表情となった。
一子という役を全身全霊、徹底的に演じようとする安藤の熱演に注目!映画『百円の恋』は、11月15日(土)からMOVIX周南ほか山口県内先行ロードショー!その後12月20日(土)よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開される。
※Q&Aの模様は後日動画でもお届けします!お楽しみに。