ナイロン100℃結成15周年記念公演として、2008年に東京・本多劇場にて上演された『シャープさんフラットさん』が、DVDとしてリリースされている。
『シャープさんフラットさん』は、ナイロン100℃主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が半自伝的作品と言ってもよい、と語った作品だ。“笑いと人生”を材料としたパラノイアックでシビアな物語が展開する。“半自伝的”なので、半分は創作。どこが事実でどこが創作なのか、想像しながら観るのもおもしろい。
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舞台はバブル経済が崩壊へ進みはじめる1990年代初頭。主人公・笑いを作ることに人生を賭ける劇作家・辻煙は、あるトラブルをきっかけにサナトリウムに逃げ込んだ。辻の恋人やサナトリウムで暮らす元芸人、辻の幻想に登場する父らとのやりとりを通じて、悲劇を喜劇に変換して人生を過ごしてきた劇作家の生き様が浮かび上がってくる…。
本作は、演出や結末が全く異なるホワイトチームとブラックチームの2バージョンを上演。
同一演目で同一セット。主演の三宅弘城と大倉孝二(Wキャスト)以外の劇団員を2チームに分け、それぞれに客演を迎えた。
ホワイトチームには、三宅弘城、松永玲子、村岡希美、廣川三憲、新谷真弓、安澤千草、藤田秀世、吉増裕士、皆戸麻衣、杉山薫、眼鏡太郎、大倉孝二に加え、客演に佐藤江梨子、清水宏、六角慎司、河原雅彦。
ブラックチームには、大倉孝二、犬山イヌコ、みのすけ、峯村リエ、長田奈麻、植木夏十、喜安浩平、大山鎬則、廻飛雄、柚木幹斗、三宅弘城に加え、客演に小池栄子、坂井真紀、住田隆、マギー。
DVDにはどちらのチームも収録されているので、チームによっての違いを味わえる。その他特典として、出演者が3組に分かれて行った座談会、KERAインタビュー、ホワイトチーム、ブラックチームそれぞれのコメンタリーを収録。
ナイロン100℃ 32nd SESSION 15years Anniversary『シャープさんフラットさん』は、7,429円+税で株式会社キューブよりDVD3枚組で発売中。