舞台「KING OF PRISM」第2弾インタビュー!橋本祥平「プリズムショーをお届けしたくてたまらない」

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2020年2月20日(木)より、「KING OF PRISM』の舞台化第2弾となる舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」が上演される。歌、ダンス、ジャンプなどのパフォーマンスで観客を魅了する「プリズムショー」や応援上映など、独特の進化を遂げ人気を博す人気アニメの舞台化に、主人公・一条シン役を演じる橋本祥平らが文字通りの“体当たり”で挑んだ姿は初演時にも大きな話題を呼んだ。

あれから約2年。第2弾決定を、橋本は心の底から喜んでいた。初演のこと、そして、台風の影響で中止となってしまい、無観客上演をしたライブのこと・・・キンプリ(アニメ版)をリスペクトし、舞台にかけるその強い思いを、橋本の言葉で語ってもらった。

――舞台「KING OF PRISM」待望の第2弾ですね。約2年前に上演された第1弾を拝見して、すごく演劇的手法を強く押し出した表現方法を取られていると思ったのですが、どのようにして第1弾は作られていったのですか?

演出の宇治川さんとは当時2作連続でご一緒していたこともあり、本格的にこちらの作品に入る前から、いろいろお話をしていたんです。アニメのキンプリには、どうやってやるんだろう?と思う表現がいっぱいあったので、気になって。宇治川さんは、稽古が始まる前から「演劇の力を目一杯借りて表現したい」とおっしゃっていて、その結果があの形になりました。

今って、デジタルに作り込もうと思えばいくらでもできると思うんですよ。でも、そういう技術に頼るばかりではなくて、人間の肉体をフル活用したアナログな表現と演劇が生み出す錯覚、そして近代的なマッピングがうまくコラボさせたことが、作品にすごく合っているなあと思いました。自転車が空を飛ぶシーンとか、プリズムショーのシーンとか、どれも大変だったんですけど(笑)。やってみて、宇治川さんの選択は正しかったんだなと実感しました。

――稽古場では、たくさんお話し合いもされましたか?

演劇としてやるからには、実際に人が必死に汗をかきながら演じる姿だけでも、心を動かせると思うんですが、限りなく伝えたいものを“表現したい”と、みんなでいろいろ案を出し合いました。「こうしてみよう」「これは違う」と、作っては壊し、作っては壊しの連続でしたね。演出の宇治川さんを筆頭に、とにかく話し合いをたくさんした作品でしたね。

――第1弾は、ここまで表現してくれるのかというシーンの連続だったんですが、橋本さんの中で印象深いシーンは?

お風呂のシーンですかね・・・。正直、最初はもっと露出を落として、隠してやろうとしていたんです。おしりも出す予定はなかったんですよ。でも、個人的にお風呂のシーンはアニメのキンプリの中でも個人的に印象深いシーンだったから、急遽、僕から「脱いでもいいですか?」って提案させてもらいました。

やるからには徹底的にやりたかったんです。僕らの本気を、お客さんにも知ってもらいたかったから。きっと、舞台化が決まった時、どう表現されるのか疑問に思ったシーンがたくさんあったと思うんです。「どうやるの?」と思ってくれるからこそ期待を裏切らず、「本当にやるんだ!」って期待を裏切りたくて。僕たちなりの挑戦でした。

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――キンプリと言えば、プリズムショーを語らずにはいられません。ダンスなどにも、アニメに対するリスペクトを強く感じました。

プリズムショーに関しては、原作にある曲に関しては、アニメでキャラクターが踊っている動きをそのまま僕らにも写してもらいました。プリズムショーは、キンプリの大きな魅力です。それを「生」でやることで、皆さんに「画面から飛び出てきた!」と感じてもらえたらすごく意味があると思ってやりました。

舞台オリジナル曲については、振付の方がその曲とキンプリの世界観に合ったショーに仕上げてくださって、「2.5次元ってこういうことだ」と、すごく感じました。あれだけ動くアニメですから、そのいいところを舞台のオリジナル曲にも持たせてくださったなと思いましたね。

――原作も盛り上げている「応援」が、舞台にも取り入れられていましたが、お客さんの驚きは舞台上まで伝わっていましたか?

この作品は、最終稽古でも完成しきらなくて、どんなことが起きるのか、お客さんが入って幕が上がるまで分からないことだらけだったんです。その分、初日にどっときましたね・・・。お客さんたちが思っていた以上にノッてくれていたので、僕らもテンションも上がりまくりで(笑)。いただいたパワーを倍にして返そうという気持ちがみんなの中に生まれていました。

――公演を通して、熱の高まりが手に取るように感じられたのも、舞台キンプリのおもしろいところでした。

第1弾の最後に、「Over the Sunshine!」を歌って踊ったあと、シンくんが「みんなに言いたいことがありまーす!」という、アニメでも有名なシーンがありましたよね。あそこ、皆さんが「なあに~?」ってレスポンスをしてくださるじゃないですか。あのシーン・・・初日、泣きそうになっちゃったんですよ。

あのシーンは、共演者のみんなには申し訳ないけれど、僕一人の空間でした(笑)。1,000人くらいのお客さんが、僕に全部のパワーをくれるので、ぐっときすぎちゃって。台詞を言っている最中にこみ上げてくるものがあったけれど、皆さんに感謝の気持ちをちゃんと伝えなくちゃって我慢するのが大変でした(笑)。もしかしたらあの一瞬は、シンくんではなく、感情が爆発してしまった僕自身だったのかもしれません。それぐらい、ぞわぞわっときていました。

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――今、橋本さんのお話を聞いていても、この作品における「お客さん」の存在の大きさを感じるのですが、昨年の10月12日(土)に開催されるはずだった『KING OF PRISM-Rose Party on STAGE 2019-』は、台風の影響で無観客上演を配信するという形になりました。

あれは、僕らにとっても忘れられない一夜になりましたね・・・。

――あの一日のために、皆さんがお稽古がんばっていらっしゃるのをSNSなどでも拝見しておりました。

僕らも、スケジュールの合間を縫ってライブの稽古をしていました。時間が少しでも空いたら「個人練しよう」って声を掛け合っていたぐらい、あのライブにかける思いは強かったんですね。台風が接近している中でしたが、直前まで開催できると信じていたんです。僕、晴れ男なんですよ。イベントごとがある時は絶対晴れていたので、今回もきっと大丈夫だろうと。・・・と言いつつも、状況が状況でしたから覚悟はしていました。

ただ、みんなでライブのために積み上げてきたものや時間が失われてしまうことが怖かった。そして何より、お客さんに直接お届けできないことが本当に悔しかった。いろんな決断の結果、舞台に立たせていただくことができて、配信という形にはなりましたが、あのライブをやれたことは僕らにとってとても大きいことでした。

――大変な状況に置かれていた方もいらっしゃったと思いますが、怖い思いから救われた方もたくさんいらしたと思います。

ライブの最後にも、また「みんなに言いたいことがありまーす!」と叫ぶ場面があったんですけど・・・あそこで「なあに~?」ってお客さんの声が聞こえたような気がしたんですよ。もちろん、目の前には誰もいないわけですが。カメラ越しに皆さんも魂を飛ばして応援してくれているんだなと感じる不思議な体験をしました。

とはいえ、家の中でも危険な状態だったので、複雑な気持ちもあったんです。身の安全が何よりですし。でも、終わったあとに配信を観てくださった人数を聞いたら、あまりにもその数が多くて・・・。こんなにも多くの方が観てくださったのかと思ったら、胸がぎゅ~っとなりました。

自然災害という暗い話題の中ではありましたが、少しでも僕らのライブが皆さんの光になればという思いでやったので、あのライブに関しては、誰一人悔いはないと思います。そして、次の公演に向けてさらに一体感が増して、団結できました。やることができて、本当に幸せでした。

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――皆さん、本当に舞台キンプリを愛していらっしゃいますよね。

スタッフさんも愛が溢れている方ばかりなんですよ。キャストはもちろん、一人一人が演じる役のことが大好きなので、役作りに関してもはや誰も口をはさむことができないんじゃないかなと思います。全員が愛を持って挑んで、その愛を形にしてちゃんと舞台上の上に乗せられる素敵な座組だなと思います。

――第2弾には、如月ルヰ役として横田龍儀さん、舞台初登場の池袋エィス役としてアニメでも同役の声を務めていらっしゃる小林竜之さんが新キャストとして加わります。

龍儀とは、舞台ではこれが初共演になりますが、以前映像作品で一緒になったことがあります。一歳年下の龍儀は、先輩にかわいがられていて、僕もかわいいなと思っていました。シリーズものに途中から参加するのって、怖いと思うんですよね。特に、団結力が強い作品の中に入るのは・・・僕だったら、正直やだって言いたくなってしまう(笑)。だからこそ、龍儀が演じるルヰくんを立てたいし、龍儀に居心地がいいと思ってもらえるようにみんなでウェルカムしたいです。今から、一緒に芝居をするのが楽しみでしょうがないです。

小林さんに関しては「よくぞ来てくださいました!」の一言に尽きます。第2弾って、それだけでかなりハードルが上がるものですが、今回小林さんが入ってくれたことによって、軽くそのハードルを飛び越えられると思えるぐらい、勇気と勢いをくれました。

――最後に、待望の第2弾上演に向けて、ぜひ橋本さんの「言いたいこと」を教えてください。

アニメも舞台も脚本を担当してくださっている青葉譲さんが、第1弾の打ち上げで「第2弾でまた会いましょう」とおっしゃってくれていたんです。譲さんの言葉どおり、実現できることが本当に嬉しくて。2年という短くはない年月を経て、こうしてまたみんなで集まれて、新しい物語を作れるという奇跡に今は感謝です。ライブが悔しくもああいう結果になったからこそ、僕らは今、皆さんの前にプリズムショーをお届けしたくてたまらないです。僕にとって、2020年一発目の作品でもあるので、最高のスタートを切りたいと思います。皆さんも、お会いできる日を楽しみに待っていただけると嬉しいです。

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◆作品情報

舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」
2020年2月20日(木)~3月1日(日) TOKYO DOME CITY HALL
※2月21日・26日・27日・28日の公演終了後にアフターイベントを実施

【原作】T-ARTS/syn Sophia/エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ
【脚本】青葉譲
【演出】宇治川まさなり
【音楽】石塚玲依

【出演】
橋本祥平、小南光司、杉江大志、大見拓土、横井翔二郎、長江崚行、村上喜紀、五十嵐雅、星元裕月、廣野凌大、spi、古谷大和、横田龍儀、小林竜之、栗田学武、前内孝文、及川洸、佐久間祐人
アンサンブル:梅津大輝、佐藤一輝、竹井弘樹、宮越大貴、小林駿太

【チケット発売中】
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/kinpri-stage/
楽天チケット:http://r-t.jp/kinpri2
イープラス:https://eplus.jp/kinpri-stage/
ローソンチケット:https://l-tike.com/kinpri-stage/

【舞台公式サイト】https://kinpri-stage.com/
【公式Twitter】@kinpri_stage

(C)T-ARTS / syn Sophia / エイベックス・ピクチャーズ /タツノコプロ /舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」製作委員会2020

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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