WOWOWで、石原さとみ主演の舞台『アジアの女』が放送される。石原が舞台に出演するのは、2018年の『密やかな結晶』以来。本作は、2006年に劇作・演出家の長塚圭史が書き下ろした戯曲で、演出を手掛けるのは吉田鋼太郎。共演者には、山内圭哉、矢本悠馬、水口早香、そして吉田自身も名を連ねた。放送に向けて、石原に公演を振り返ってもらった。
――最初にこの公演の話を聞いて思ったことは?
脚本を読んでみて“誰が演じて誰が演出するかによってまったく違うものになりそう”と感じました。この本がどう立ち上がるのか、全然想像がつかなくて。伸びしろというか、これだけ余白がある本に挑戦できると思うと、すごく嬉しかったです。答えがない作品もすごく好きで、考えさせられるというか。この台詞をどう言うのか、どういう思いを持っているのか、答えを定めずに稽古で作り上げていく。そこには自分の哲学だったり、指針だったり、人生観だったりが反映される、そういうことが求められるものってなかなかなないなあと思って、すごくワクワクしました。簡単ではないからこそ鍛えられると思います。
――石原さんにとって舞台に出ることとはどのようなことですか?
今回改めて、私は本当に舞台をやりたいんだって、すごく好きになりましたね。
今までもちろん好きだったんですけど、やっぱり難しいというか、辛いなと思う部分だったりとか、大変だなと思うことだったりとか、ちょっとストレスを感じる部分だったりというのはありました。それを乗り越えていく中で成長というものがあるので(そういう部分が)なきゃいけないとは思うんですけど、今回の舞台は、脚本を読んでから、稽古が始まって、今に至るまでストレスを感じる瞬間なんて1ミリもなかったんです。楽しくない時間なんて、1分も1秒もなくて、こんなに楽しい時間を過ごせるなんて、なんて自分は幸せなんだろうって。稽古やっていても、本番毎日やっていても、日々更新されるぐらい楽しいです。それを今の年齢で感じられるって、すごい幸せだなと思っています。
これから自分の人生の目標を立てていく中で、舞台というものを中心に考えてきたいと思いました。
◆石原さとみ主演『アジアの女』作:長塚圭史 演出・出演:吉田鋼太郎
2019年12月14日(土)夜6:30 WOWOWライブ
【作】長塚圭史
【演出】吉田鋼太郎
【出演】石原さとみ、山内圭哉、矢本悠馬、水口早香、吉田鋼太郎