舞台『龍馬がいっぱい』田中大祐×新倉ケンタ×石井康太 インタビュー<前編>「劇団旗揚げ用に3本シナリオ書いたんです」

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2015年3月24日(火)から気晴らしBOYZの第7回公演『龍馬がいっぱい』が、東京・中野ザ・ポケットほかで上演される。本作は旗揚げ公演時に上演された作品。再演にあたり、主演と務める新倉ケンタ、劇団の旗揚げメンバー、石井康太(やるせなす)、そして作・演出を務める田中大祐に話を伺ってきた。気晴らしBOYZが誕生するいきさつから今回の上演に向けての意気込みまでたっぷりお楽しみを!

石井康太

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――2011年7月の旗揚げ公演以来の再演ですが、お気持ちは?

石井:僕は今回と同じ役で出てましたね。

田中:再演が決まった気持ちは、なんだろ、皆で話し合ってそろそろ働くか?やろうか?みたいな感じだったので。えーっと…(笑)

――決まったのはいつ頃ですか?

石井:一年前くらいに、劇場をおさえて。番外公演をやる前くらいか終った後くらいか。ま、1年前くらいですね。初年から4年くらい。番外公演を入れると8回目になりますね。そもそも何で旗揚げの時にこれをやったのかってことをお話しましょうか。

目次

劇団旗揚げ時を振り返る

石井:旗揚げの時に、僕と田中で「舞台やりませんか」っていう話になって。あれは2010年の年末ですか。

田中:もともと僕は放送作家をやっていて、TVのバラエティを中心にやっていたんですけど、舞台というか、シナリオの世界をやってみたくて。舞台をやろうかなと思った時に、ほんとにそれこそ10年前くらいですよね。石井さんと一緒に深夜番組をやっていた経緯があって。その時に僕は番組の構成作家で入っていて石井さんが出演者。で、ちょいちょい一緒に仕事する機会があって。劇団立ちあげる時に、石井さんに「一緒にやりましょう」って声をかけて。

石井:実はなぜ僕に声をかけてくれたのか、まだちゃんと聞いてないんですよ。

――では、この機会に!

石井:はい、この機会にぜひ、いいお言葉を。

田中:…なんとなく(笑)

石井:なんとなくってことはないでしょ!!(笑)劇団を立ち上げるってことは一大イベントですよ。

田中:でも、一番縁のあった人ですよ。

石井:たしかにね。

田中:番組のきっかけもそうですし、それから一緒にやるせなすのコントライブの構成を手伝ったり、ワタナベエンターテインメントでやる大きい舞台の石井さんの演目の担当を手伝ったりと、色々縁があって。ファミレスでネタを作ったりして。バラエティから舞台の方向に行こうとして、その時にちょうど石井さんも役者業に力を入れ始めている時で、これはもう縁だなと思って声をかけたのがきっかけですね。

田中大祐

石井:旗揚げの時のことで思い出すことがいっぱいあるんですよ。まずね、田中君が台本を3つ送ってきたんですよ。石井さんどれやりたいですか?って。すごくない?まだなにも決まってないんですよ!

田中:小屋は決まってました(笑)

石井:決まってたか(笑)

田中:劇団名は何にしようか、どういうことをやろうかなんて話していた時に「じゃ、一回僕考えます」と引き取って。で、とりあえず旗揚げ用に3本シナリオ書いたんですよ。

石井:3本長編書くってことはすごいことなんですよ。その時僕は、ちょうど時代劇やりたくて。3本の中では『龍馬がいっぱい』が面白かったですね、読んでみて。じゃあ『龍馬がいっぱい』をやろうって決まったわけだよね。…自分で言うのも何なんですが、実は残りの2本の台本、読んでなかったっていう。

田中:最低ですよ!ひどくないですか!?(笑)ま、僕としては、いろいろな方向性がある中で石井さんの意見を聞きたいなって思って、そしたら「田中君、これ(『龍馬がいっぱい』)いいね!これでいこうよ!」って。で、2年後ぐらいですよね「田中君さ、実はさ、俺残りの2本読んでないんだよね」つって。「え――!!!」っていう話になって。残りの2本、さすがにもう読んだ?

石井:…読んでないですね(笑)

田中:今後やるかもしれないですよ。どこかのタイミングで。

石井:新倉君は、読むの好き?台本。

新倉:そうですね。好きですよ。

石井:じゃこれからは新倉君に読んでもらおう!(笑)

石井:当時はいろいろありましたよ。劇団名に関しても、僕が出した「ハリウッド商会」っていう劇団名があったんですよ。ハリウッド映画のような分かりやすいストーリー、そしてハリウッドを目指そうぜ!って思いを込めて。「分かりました。石井さんやりましょう」って決まったのに、翌日「石井さんできました!」って持ってきた仮チラシに書いてあったのが「気晴らしBOYZ旗揚げ公演」。僕の意見、全然入ってなくて「あれ?」みたいな(笑)

田中:違うんですよ!検索したら、横須賀だかに同名の服屋さんがあったんですよ。これはまずいと(笑)で、0に立ち戻って劇団名を考え始めたら悩んじゃって。他にもやることてんこ盛りで超煮詰まってたんで、気晴らししたいなーって思って。

石井:僕らがね。

田中:そう、僕らが気晴らししたくなって。それで「気晴らしBOYZ」になった。

石井:そんなね。そんな旗揚げ。

田中:そんなことがもう4年も前で。劇団が成長したらまた再演したいなって思っていて。

石井:作・演出の人間が再演を決めるってどういう気持ちなんだろう。初演の時に、心残りがあったとか。

――まさに、そこをお伺いしたかったんです!

石井:ほらやっぱり!気になるんですよ。もちろん僕らにも「再演したい」という意見があるんだけど、最終的に決めるのは田中ですから。僕らとは違う想いがあるじゃないですか。あれをこうしたいとか、もう一回リベンジしたいとかそういう細かい思いがあるかもしれない。

田中:多分ありますね。

石井:なんとなくか、おい!(笑)

田中:いっぱいあります(笑)

(後編につづく)

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