ミュージカルからストレートプレイまで、確かな演技力で観客を魅了し続ける成河と、常に言葉と対話を重視し数々の話題作を手掛ける演出家・藤田俊太郎。この二人がタッグを組み、セルヒオ・ブランコ作の傑作『ナルキッソスの怒り』を日本初演することが決定した。2026年4月18日(土)より東京芸術劇場シアターウエストにて上演される。

リアルと虚構が交錯するオートフィクションミステリー
本作は、ウルグアイ出身の劇作家・演出家セルヒオ・ブランコが、自身の体験を基に描いたオートフィクション(自伝的虚構)作品。2015年の初演以来、世界各国で上演され、2020年のロンドン公演では「オフ・ウエスト・エンド・シアター・アワード」の最優秀新作賞を受賞するなど、高い評価を得ている。
物語は、劇作家セルヒオが学会のために訪れたスロベニアのホテルでの出来事を描く。美しい青年イゴールとの出会い、そして滞在する部屋で見つけた奇妙な染み。これらがセルヒオを戦慄の真実へと導いていく。
成河が一人芝居で挑む、緻密で怪奇な世界
今回、この難作に挑むのは成河。冒頭、観客にセルヒオとの交流を語りかけるところから物語は始まり、やがてホテルでの奇妙な出来事が展開されていく。そこにいるのは成河なのか、それともセルヒオなのか・・・。虚実が入り混じる緻密で怪奇な世界を、成河がたった一人で表現する。
演出の藤田俊太郎は、「成河さんの言葉、身体、歌、芝居には美しさと輝きが宿り、2026年の世界を写し出す鏡になると思います」とコメント。成河も「得難い演劇体験になるだろうと今からワクワクしています」と意気込みを語っている。
『ナルキッソスの怒り』は2026年4月18日(土)から4月30日(木)まで東京芸術劇場 シアターウエストにて上演される。
成河・藤田俊太郎 コメント
成河
初めて戯曲を読んだ時は真剣に断ろうと思ったくらい「上演」そのものが困難に思えた作品でした。この作品が持つ「オートフィクション」という表現様式、それを日本の演劇として形にして行く作業は並大抵ではないと感じました。幸いひとり芝居ということで翻訳に深く関わらせていただける、その事に背中を押され、僅かな光と無謀な好奇心だけを頼りに引き受けました。半年ほど演出の藤田さんや翻訳の仮屋さんたちと作業を続けてきて、いま、足を踏み入れたことの無い危険な場所を彷徨うような感覚に震えています。これは得難い演劇体験になるだろうと今からワクワクしています。ぜひネタバレ厳禁で。皆さまにもこの新しい感覚を楽しんでいただけたらと思います。
藤田俊太郎
『ナルキッソスの怒り』。この戯曲に初めて触れた時から、オートフィクションという新しい演劇の可能性に魅了され続けています。舞台は現代、壮年の大学教授が学会のために訪れたスロベニアで事件は起こります。美しい青年との出会いを通し、彼が見て聴いたものは現実なのか幻なのか。自分、とは何者なのか。劇はギリシャ神話をモチーフにしながら、現代社会、環境、格差、人間の在り方など多くの疑問を投げかけます。ユーモアを交えて、時に有名な映画や音楽のシーンを織り込み、また官能的に進んでいきます。
成河さん、作者であるセルヒオ・ブランコさん、翻訳の仮屋浩子さん、北隆館の関係者の皆様、プロデューサーの皆様と時間をかけて上演台本を創りました。その過程そのものが劇的であり、作品の中に反映されています。
成河さんの言葉、身体、歌、芝居には美しさと輝きが宿り、2026年の世界を写し出す鏡になると思います。この鏡は頑丈なのか、それとも血だらけなのか、はたまた粉々に砕けているのか。お客様は自分自身の現在の姿を覗き込んでいただけると思います。虚実を織り交ぜながらお届けする舞台を堪能し、体験していただけたら。日本初演の演出を担えることに誇りを持って、皆様のお越しを劇場でお待ちしております。
『ナルキッソスの怒り』公演情報
| 公演情報 | |
|---|---|
| タイトル | 『ナルキッソスの怒り』 |
| 公演期間・会場 | 2026年4月18日(土)~4月30日(木) 東京芸術劇場シアターウエスト |
| スタッフ | 作:セルヒオ・ブランコ 翻訳:仮屋浩子 上演台本:仮屋浩子、成河、藤田俊太郎 演出:藤田俊太郎 |
| キャスト | 成河 |
| チケット情報 | 後日発表 |
| 公式サイト | https://narcissus-stage.com/ |
| 公式SNS | X:@narcissus_jp |







