桐山照史×柄本時生が放つ『泣くロミオと怒るジュリエット2025』公演ビジュアル公開!

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泣くロミオと怒るジュリエット2025

2025年7月6日(日)より東京・THEATER MILANO-Za、そして大阪での上演も決定している、Bunkamura Production 2025『泣くロミオと怒るジュリエット2025』。今回は、その公演ビジュアルが発表された。

鄭義信が書き下ろす異色のシェイクスピアが再演

泣くロミオと怒るジュリエット2025

劇作家・演出家の鄭義信によって2020年に書き下ろされた“世界一不器用なロミオとジュリエット”『泣くロミオと怒るジュリエット』が5年ぶりの再演。本作は、二人の若者の恋物語と時代を生きるならず者たちの抗争劇を中心に、差別・格差など普遍的なテーマを織り込んだ純愛群像劇だ。

シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』から大胆にアレンジされ、異彩を放つその魅力は、新たに公開されたビジュアルからも見て取れる。物語の舞台を戦後・関西の港町に移し、セリフは全編関西弁。そして、キャストは全員男性(オールメール)で贈られるとあり、どこか懐かしく哀愁を帯びながらも、力強さを感じるビジュアルが完成した。

屋台で働く真面目な青年だが、吃音症に悩む奥手で泣き虫なロミオ役を桐山照史。心根が真っ直ぐで優しいが、ダメ男に貢ぐ癖があり気が強いジュリエット役を柄本時生が担当。それぞれ初演からの続投となっている。さらに、ジュリエットが姉のように慕うソフィア役も八嶋智人が続投する。そして、ロミオの父親代わりであり町で診療所を営むローレンス役に渡辺いっけい。そのほか、浅香航大、泉澤祐希、和田正人、中山祐一朗、朴勝哲、高橋努、市川しんぺーらを迎えている。

新型コロナウイルスの影響により、全公演完走することなく公演中止となった初演のリベンジに期待したい。

泣くロミオと怒るジュリエット2025

『泣くロミオと怒るジュリエット2025』コメント

作・演出:鄭義信

2020年早春の『泣くロミオと怒るジュリエット』初演は、感染症禍に飲み込まれるように、東京公演終盤と大阪公演全てが中止になりました。以来、今作は僕の中でずっと生き続け、再起の機会を密かに伺っていたのです。

5年を経て、我らが桐山ロミオと柄本ジュリエットはそのままに、強力な仲間も新たに迎えての再創作が実現! そのことを誰よりも喜んでいるのは、間違いなく僕自身です。

悲恋物として知られる『ロミオとジュリエット』。でも僕は、若い二人の道行の背景にある社会的な差別と分断の構造や、人の心を蝕む理由なき憎悪の蔓延を作品の軸にしたいと考えました。

損得ばかりを追求し、弱い者を排除しようとする息苦しい空気が5年前よりさらに世間に濃く広がる今。生まれ直す今作を一人でも多くのお客様にご覧いただき、困難の中でも近しい人と想い合う気持ちをご自身の中に確かめていただければ幸いです。
もちろん僕の作品ですから、笑える場面もたくさんありますので安心して劇場へお運び下さい!

ロミオ役:桐山照史

初演から5年。『泣くロミオと怒るジュリエット』の再演が決定しました! 男子校の部活動のようだった稽古場、僕らと同じように毎日つくることに没頭してくださった作・演出の鄭 義信さん、そして最初は出オチと思ったのに舞台上では本気で可愛く見えた(笑)ジュリエット役の柄本時生さん。共演の皆さんやスタッフさんたちのことがお話をいただいた瞬間に頭の中を駆け巡り、アツいものがこみ上げました。

と同時に、当時の精一杯取り組んだ自分の熱量や、当時いただいたご好評を越えられるのかと、不安に感じたのも事実です。

ロミオはあらゆる感情を体現する役で、心身共に非常にハードでした。しかも、感染症禍のため東京公演後半で上演中断となり、現地でゲネプロまでしたのに大阪公演は全公演中止。だからこそ、あの時から待ち続けて下さるお客様はもちろん、新たにご来場下さるお客様にも絶対にこの作品を届けたいという使命感が不安を越えました。

今持てるもの全てを注ぐ2025年版を、是非目撃していただきたいと思っています!

ジュリエット役:柄本時生

シェイクスピア作品の中でも、最も有名なヒロインの一人『ロミジュリ』のジュリエット。元々オールメール上演だったと知ってはいても、自分が演じることには最初、正直言えば恐怖を感じました(笑)。

鄭義信さんは、稽古過程で存分に悩むことを楽しむ僕とは逆に、ズバリと正解を提示してグングン創作を進めていく演出家さん。
そのスピードが飲み込めず最初は戸惑いましたが、初日のカーテンコールでのアツい拍手を聞き、作品がいかによくお客様に伝わったかを実感できたんです。自分にとっての芝居づくりの幅がグッと広がった気がしました。

何よりロミオとして、僕のジュリエットを受け止め愛してくれた桐(山照史)クンとの出会いはサイコーに嬉しい出来事。今回もお話をいただいてすぐ、お互いの気持ちを確かめ合いました(笑)。

最高の仲間と創る2025年版『泣くロミオと怒るジュリエット』。5年を経て増したオバ味を武器に、熟成したジュリエットをお届けしたいと思います!

ベンヴォーリオ役:浅香航大

初めて観た鄭義信さんの作品は『パーマ屋スミレ』(12年初演)。戦後の日本の大きな変化から切り捨てられていく人々の姿が儚くも美しく、強く印象に残りました。そんな奥深い鄭さんの作品に呼んでいただき、その一部になれることが嬉しくて仕方ありません。

劇中の人物たちと同じく、鄭さんもエネルギッシュで濃密な稽古をして下さるとのこと。その熱に飲み込まれるだけでなく、自分なりに立ち向かい食らいついていくのが目指すところです。

ベンヴォーリオは友情や愛の狭間で葛藤しながらも、自分なりに筋を通します。自分一人で考えるのではなく、桐山照史さんをはじめ関わる人との間に生まれるものが反映されて変化する役だと思うので、共演の皆さんとじっくり育てていきたいと思います。

マキューシオ役:泉澤祐希

「男性だけの『ロミジュリ』ってどういうこと?」。お話をいただき、興味がグッと湧きました。さらに、記録で拝見した柄本時生さんの可愛さ(笑)と怒涛の展開、キャストの皆さんの大きな熱量にも圧倒されて。
「舞台経験の少ない僕がついていけるか?」と悩みつつも作品の魅力に抗えず、参加させていただくことにしました。

映像で共演した際には優しく接して頂いた・浅香航大さん、大先輩・八嶋智人さん、そしてヒロイン・柄本時生さんと共演歴のある頼もしい先輩方がいらっしゃるので、思い切り胸を借りて稽古と本番に挑めたらと思います。

鄭義信さんは初めましてなのですが、非常に濃密な稽古をして下さる方とのことなので、しっかり食らいついていきたいと思います!

ロベルト役:和田正人

『歌うシャイロック』(23年)に続き、鄭義信さんの作品への参加は二度目。共にシェイクスピア原作で、良いご縁をいただけました。

戦後の混乱期、架空の関西の町が舞台の今作は、鄭さんの翻案により原作以上に「愛とは、人間とはなんぞや?」という深い問いを投げかけるドラマになっています。
『歌う~』の現場で、俳優の事前準備は鄭さん演出の前では無意味だと痛感したので(笑)、現場の空気に身を委ね、瞬間瞬間に生まれるものを吸収しながら役を深められたら、と。

演じるロベルトは原作に直結するキャラではなく、登場シーンも限られています。鄭さんが何故この役を作ったのか、彼は作品の何を背負っているのか今は絶賛考え中。稽古の中で自分なりの答えをみつけたいと思います。

巡査スズメ役:中山祐一朗

僕が鄭義信さんの演出を初めて受けた『エダニク』(19年)の創作と、この舞台の準備が重なっていたんです。楽しそうに打合せする様子を見て、「今、鄭さんの心はここにない……」と寂しくなった、その作品に呼んでいただけたのは不思議なご縁です。観に行った初演も最高に面白かったので。

演じるスズメは初演でみのすけさんが演じた役。実は以前も、みのすけさんが演じた役を引き継いだことがあるんです。佇まいや雰囲気が似ていると言われることもありますが、僕にはあのキレイな声もにじみ出る哀愁も真似しようのないもの。相棒のカラス役・市川しんぺーさんの巧みなツッコミでいなしてもらいながら、新たな座組に必要とされる、僕なりのスズメ像を探っていきたいと思っています。

傷痍軍人役:朴勝哲

鄭義信さんは、私を“劇中で演奏する俳優”として多くの舞台に参加させて下さいました。中でも今作は、普段以上に煌びやかで初めましての方が多い座組。稽古場もオシャレな街にあり(笑)、毎日が男子校の部活のように賑やかで楽しかったことを覚えています。
だから感染症禍での中断は本当に悔しく、鄭さんと会うたび「絶対にリベンジを!」と話していました。

そんな思い入れのある作品を桐山照史さん、柄本時生さんら続投組+新たな仲間の混成チームで進化させる今回。鄭さんからどんな要求が来るかドキドキしつつも、参加できたことが嬉しくてたまりません。

初演から5年を経た今回。演奏はもちろん頑張りますが、俳優としても少しは成長したところをお見せできたらいいですね。

ティボルト役:高橋努

無念の公演中断から5年。「この役は絶対自分が演りたい!」と念じ続けたお陰か、再びティボルトを演じさせていただくことになりました。

人生を放り投げ、死に向かうようにしか生きられないティボルトは、僕にとってもやりがいがある役。初演からずっと自分の中に生き続けていたこの役と、再び向き合えることは俳優冥利に尽きることです。

俳優の持てるもの以上を常に求め、限界を更新させて下さる鄭 義信さんの演出。声が枯れるほど喋り倒すくらい楽屋まで楽しくしてくれた八嶋智人センパイと絡むのが心底楽しい柄本時生さん、そして繊細なロミオそのものの桐山照史さんをはじめとする仲間たち。新しい最高の座組で作品を深化させ、お届けしたいと思います!

警部補カラス役:市川しんぺー

鄭義信さんの作品は観ていたものの、オファーをいただいた時点では初演どころか原作の『ロミジュリ』すらよく知りませんでした。世界的に有名な古典戯曲を知らない演劇人でスミマセン・・・。

慌てて手にした原作はツッコミどころが多いものの面白く、さらに鄭さんヴァージョンに至っては、読んだだけでグッと来て涙が込み上げてくるほど。戦後の混乱期をぶっとく生きる人間のエネルギーが、観る人を惹きつけるのでしょう。

僕が演じるカラスは小さな権力を持つ警察官。でも悪事は見て見ぬフリで、自分の利益しか考えていない。高圧的なカラスと違い、僕は相手が強く来るとすぐ謝るタイプ(苦笑)。相棒のスズメ役を演じる、旧知の中山祐一朗君の力も借りつつ頑張らねばと思っています。

ソフィア役:八嶋智人

コロナ禍での公演中断を経て、改めて東京・大阪で公演できることを非常に嬉しく思っています。男性のみの座組は互いに気兼ねも恥もなく、どんな挑戦もできる稽古場でした。柄本時生君と僕だけが女性役で、そのせいか皆さんに優しくしていただいたのも良い思い出です(笑)。

作り込んだヘアメイクでもない時生君のジュリエットは日々愛おしくなり、そんな“彼女”を持ち前の懐深さと優しさで包み込む桐山照史君との純愛は、多くのお客様の涙を誘いました。

演劇愛ゆえのしつこさでとことん創り続ける鄭義信さんの演出は、今回さらに過熱しそうです。初演を土台にしてさらなる高みを目指せるメンバーが揃った今回。一人でも多くの方に目撃していただきたいと思っています。

ローレンス役:渡辺いっけい

『てなもんや三文オペラ』(22 年)で初めてご一緒した鄭 義信さんは、開幕後もダメ出しをする稀有な演出家。諦めず、何度でも同じ言葉で欲するイメージを俳優に伝えて下さるうえ、時には「そこは日替わりで」などと無茶も仰る。僕の中のマゾっけが大いに刺激されました。

記録を拝見した初演版は、観ながら涙を1ガロンは流すほどの素晴らしさ。新たに加わるメンバーとしてはプレッシャーも感じますが。

実は僕、母校の大阪芸術大学 1 年時の修了公演で『ロミジュリ』のローレンス神父を演じたんです!19歳以来に同じ役を演じられるとは実に感慨深い。40年以上を経た今、食べ物ならば腐りかけの旨味が出ているはずなので(笑)、皆さんとの創作に熟成風味を加えられたらと思っています。

『泣くロミオと怒るジュリエット2025』ストーリー

戦争が終わって五年。工場を擁する港町ヴェローナ。
工場から出る黒い煙と煤に覆われた鉛色の町。その空気をさらに不穏にしているのは、顔を合わせる度に揉め事を起こす二つの愚連隊“モンタギュー”と“キャピレット”だった。

“モンタギュー”の元メンバーで、今は更正してカストリ屋台で働く奥手でまじめな青年ロミオ。ロミオの親友で、聡明で理知的なべンヴォーリオと、正反対に喧嘩っ早くいつも問題を起こす張本人のマキューシオ。三人はそれぞれに、今の時代や自分の境遇に悩みや閉塞感を感じていた。そんな日々の憂さ晴らしに三人が出かけたダンスホールで、田舎から出てきたばかりのジュリエットに出会い、ロミオは人生で初めての恋に落ちる。しかしジュリエットはなんと、敵対する“キャピレット”のリーダー・ティボルトの妹だったのだ・・・!

そんなことはお構いなしに燃え上がる二人の恋。ロミオは白頭山東洋治療所の店主で父親のような存在のローレンスに相談するが・・・。
二人を取り巻く様々な人物と共に、町は大乱闘に巻き込まれていく・・・。

『泣くロミオと怒るジュリエット2025』概要

『泣くロミオと怒るジュリエット2025』概要
タイトル Bunkamura Production 2025「泣くロミオと怒るジュリエット2025」
上演時期・場所 【東京公演】2025年7月6日(日)~7月28日(月)THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
【大阪公演】2025年8月2日(土)~8月11日(月・祝)森ノ宮ピロティホール
作・演出 鄭義信
出演 桐山照史、柄本時生、浅香航大、泉澤祐希、和田正人
中山祐一朗、朴勝哲、高橋努、市川しんぺー、八嶋智人、渡辺いっけい
久具巨林、嶋村昇次、鈴木幸二、十河尭史、田口太智、長南洸生、西村聡、羽鳥翔太、平岡亮、森野憲一
公式サイト https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/25_romeo_juliet.html
 
泣くロミオと怒るジュリエット2025

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