2024年7月4日(木)に東京・銀河劇場にて、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』6~ハッピーレール大作戦~が開幕した。本公演第6弾となる本作には、新たなキャストも多く加わった。初日前に行われた取材会には、東海道新幹線役の永山たかし、東海道本線役の鯨井康介、山陽本線役の吉澤翼、武蔵野線役の佐藤祐吾、東武伊勢崎線役の二葉要、東武野田線役の大野紘幸と、演出・脚本・作詞の川尻恵太が登壇し、意気込みを語った。
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』9年経って変わったこと変わらないこと
開幕を迎えるにあたり、座長の永山は「本作は“ハッピーレール大作戦”ということで、来てくださるお客様、乗客の皆様と共に、ハッピーな時間を作っていけたらと思います」と挨拶。
鯨井も「とにかくご来場いただいた方にはハッピーな気持ちを持ち帰っていただきたいなと。本公演ですから、様々な路線が登場して参ります。ぜひ、新たな推しを見つけていただいて、迷ったら東海道兄弟を推していただければ・・・をモットーにやってまいります!よろしくお願いします!!」と続いた。
高速鉄道スピンオフ公演として上演された2022年の「~誰が為にのぞみは走る~」からの参加となる吉澤は、「稽古場でしっかりハッピーレールが敷けたと思うので、本番ではお客様と一緒に楽しむことを一番大事にしていきたいです」と意気込む。
前回は先輩ばかりの中に飛び込んだ吉澤。「前回は全員先輩で、とても気を遣っていた・・・」と思わず言ってしまい、永山・鯨井からツッコミを受けると慌てて「探り探りで!テンパり80%、楽しさ20%だったんです。でも今回は、昔から知っている(佐藤)祐吾くんや(二葉)要が来てくれたから、稽古から100%楽しめました。本番も100%楽しんでがんばります」と、自身の楽しさも増したことをアピール。
ちなみに、鯨井からの吉澤の注目ポイントは“美声”。「この子、美声なんです!ファンですよ、僕は」と推していた。
初参加となる佐藤は、事前に受けた取材の中で、東武東上線の高崎翔太から「先輩方を頼りにしない方がいいよ」と言われていたそうで、「本当にそのとおりでした。皆さんがずっとやっているオープニングの振付なども、特に誰も教えてくれることなく・・・(笑)。そんな環境の中、自由にやらせていただいて感謝しております」と稽古を振り返る。「皆さんが『お客さんの勢いがすごい!』っておっしゃるんですけど、まだ(開幕前なので)よく分かっていないなので、負けないように」と、鉄ミュの洗礼を受けたようだ。
ちなみに鯨井が「彼は美筋(筋肉がすごい)です!」と推しポイントを加えると、「今回筋肉は関係ないです!」としっかり反論していた。筋肉が活躍するシーンがあるのか、注目だ。
同じく、初参加となる二葉は、鯨井曰く“Mr.グルービー、歌のお兄さん”。鉄ミュカンパニーに参加してみて「常に明るくて、すごく楽しい現場でした。その空気を率先して作ってくださるのが先輩なのが、素敵だなと。僕もキャリアを重ねていって、先輩たちのような立場になった時に、自然と現場を明るくできる役者になっていけたらいいなと思いました。今回はファンの方も鉄ミュ初登場のキャラクターを楽しみにされていると思うので、期待に応えられるよう精一杯がんばりたいと思います」と意気込みを語った。
そして、鉄ミュ本公演第3弾、西武スピンオフ作品に、アンサンブルで出演していた大野は、東武野田線役として鉄ミュにカムバックを果たした。「こうして鉄ミュに帰ってくることができて、それだけでハッピーな気持ち」と語る。アンサンブルでの出演当時から「いつかメインキャストとして戻ってきたい」と言っていたようで、永山と鯨井は「9年続けていると叶うんですね」「鉄ミュドリームですよ!」と口々に喜んでいた。
また座組に変化はあったか?と聞かれると「変化はない・・・です」と回答し、鯨井をずっこけさせた。しかし、それは「変わらない温かさがある」という意味で、「稽古もお芝居もめちゃくちゃおもしろいし、川尻さんが演出でさらにそれにおもしろさをプラスしていく。先輩たちが、『1年に1回はみんなに会いたいんだ』『それが俺らも嬉しいんだ』って言っていて、やっぱりすごくいい現場だと思いました」と語った。
変わらぬ“愛”に溢れたカンパニーだが、永山は乗客(観客)に変化を感じているという。「乗客の皆様が、より楽しもうと来てくださっている。毎回、すごく感じる愛が大きくなっている気がします。それに乗せてもらって、僕らもより楽しく公演ができているんじゃないかな」とコメント。
一方、鯨井は一つ、大きな変化を挙げた。「僕個人は、ひたすら兄さん(東海道新幹線)への愛が深まっています。それが、東海道新幹線に対する愛なのか、永山たかしさんへの愛なのか。しかし、この師弟愛がちょっと脅かされているんですよ!この間(永山と鯨井の間)に!京浜東北線 役の高橋優太が入ってくるようになったんですよ!」と、現場で永山への奪い愛(?)が発生していることを明かした。
今回の鉄ミュで描いているのは“お祝いごと”
脚本・演出・作詞の川尻は、“ハッピー”の裏には“ハッピーではない”部分もある――そんな視点を織り交ぜつつ、様々な側面から本作「ハッピーレール大作戦」を描いたという。
本作で中心として描かれているのは“お祝い”。「鉄道って、開業から何周年といったお祝いごとがたくさんありまして。ここのところ、大きなお祝いが続いていたので鉄ミュでもお祝いをしようじゃないかと、今回の物語を書きました。お祝いにまつわる周りの人たちのことや、ハッピーに至るまでの苦労や歴史も観ていただけると思います。このカンパニー自体も、久しぶりに会ったり、会えなくなってしまったりした人もいます。その辺りがほどよく乗っていて、今が旬です(笑)。お馴染みのキャストに新しい人たちが加わって、ちょうどいい塩梅の見ごろの公演となっております。お祝い公演なので、大きな拍手と声援で、みんなで盛り上がりましょう」と作品に込めた想いを語った。
最後に、鯨井は「新しいメンバーが加わってくれて、こちらとしても心強いですし、鉄ミュの新たな力になってくれています。初めて劇場に観に来た方は『何を言わされてるんだ?』と思う瞬間があるかもしれませんが、鉄ミュなりの楽しさを感じていただけたらと思います!」、永山は「初参加のメンバーのファンの方たちにも、鉄道を身近に感じてくれたらいいなと思います。鉄ミュも来年10周年の節目です。作品と一緒に、乗客の皆様と一緒に、時を重ねていけたらと思っております。皆様、“愛”をよろしくお願いいたします!」と呼びかけ、最後は取材陣を巻き込んだ「出発進行!」で取材会を締めくくった。
川尻が語ったように、本作の軸は様々な路線の開業周年記念にまつわるエピソードが綴られていく。どの路線も紆余曲折あり、決して平たんな道ではなかった。延伸したり、短縮されたり、存続が危ぶまれたり、名前が変わったり。鉄道の歴史は常に人の営みに沿って紡がれてきた。鉄ミュならではのコール&レスポンスなども盛り込みながら、栄枯盛衰の物語をぎゅっと約2時間10分に詰め込んでいる。
たくさんの「おめでとう」と「ありがとう」を繰り返しながら、鉄ミュが未来へさらに進んでいく姿を一緒に楽しんでいけたらと思った。
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』6~ハッピーレール大作戦~は、7月4日(木)から7月15日(月・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場、7月19日(金)から7月21日(日)まで兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobeにて上演。
なお、本作のBlu-ray&DVDが2025年1月24日(金)に発売されることが決定した。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』6~ハッピーレール大作戦~公演情報
<上演スケジュール>
【東京公演】2024年7月4日(木)~7月15日(月・祝) 天王洲 銀河劇場
【兵庫公演】2024年7月19日(金)~7月21日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
<チケット>
【チケット料金(全席指定/税込)】
グリーン席 11,000円 指定席 7,000円
※グリーン席とは1階エリア席でご観劇可能、劇場にて、ダイカットシート(非売品)をプレゼント。
イープラス:https://eplus.jp/AOHARU6/
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/AOHARU6
ローソンチケット:https://l-tike.com/AOHARU6/
<スタッフ・キャスト>
【原作】『青春鉄道(あおはるてつどう)』(KADOKAWA/カドコミ、COMIC BRIDGE連載中)
【原作者】青春(あおはる)
【脚本・演出・作詞】川尻恵太(SUGARBOY)
【音楽】あらいふとし+ミヤジマジュン
【振付】EBATO
【キャスト】
東海道新幹線役:永山たかし
銀座線役:KIMERU
東海道本線役:鯨井康介
京浜東北線役:高橋優太
東武東上線役:高崎翔太
宇都宮線(東北本線)・山陰本線役:稲垣成弥
北陸新幹線・丸ノ内線役:渡辺コウジ
山陽新幹線役:八神蓮
山陽本線役:吉澤翼
北陸本線・東武日光線役:牧田哲也
日比谷線役:登野城佑真
武蔵野線役:佐藤祐吾
岩徳線役:佐川大樹
東武伊勢崎線役:二葉要
東武野田線役:大野紘幸
<東京公演ゲスト>
北海道新幹線役:輝馬
有楽町線役:石田隼
<兵庫公演ゲスト>
りんかい線役:山本一慶
<アンサンブル>
兼次要那
能代谷和輝
【公式サイト】http://www.marv.jp/special/aoharutetsudou/
【公式X(Twitter)】@aoharu_musical
(C)青春 (C)ミュージカル『青春鉄道』製作委員会