2024年12月に、舞台「血の婚礼」の上演が決定した。スペインのアンダルシアを舞台にした悲劇を、栗山民也が演出。主演は中山優馬が務める。
言葉では説明のつかない愛への衝動描く『血の婚礼』
『血の婚礼』は、スペインを代表する劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカが、実際の事件をもとに執筆し、ロルカの三大悲劇のひとつとして知られている傑作戯曲。互いの家族の期待を背負いながら結婚式を迎えようとしている一組の男女のもとに現れた花嫁の昔の恋人。言葉では説明のつかない愛への衝動、伝統と因習に縛られた男たちの闘い、女たちの戦いを描く。
中山が演じるのは、花嫁のかつての恋人・レオナルド。共演として、結婚式を迎えようとしている花婿役を宮崎秋人、レオナルドと花婿の間で揺れる花嫁役を伊東蒼、レオナルドの妻役を岡本玲、花嫁の父役を谷田歩、花婿の母役を秋山菜津子がそれぞれ演じる。
舞台『血の婚礼』は2024年12月に東京・兵庫で上演予定。詳細は決まり次第発表される。
コメント紹介
◆演出:栗山民也
もうだいぶ前のこと、その時住んでいたロンドンの震える冬を抜け出し、暖かなスペインへ向かった。マドリッドに着いてからは列車で東海岸をゆっくりと2週間かけて南下、目的地であるアンダルシアを目指した。
その地にあるアルバイシンの丘を登ると、ただ透明な青色だけの空の下、小さな美術館と小さな野外劇場がポツンとあった。偶然にもその夜、その劇場ではロルカの「ジプシー歌集」をもとにした音楽劇をやっていて、彼の地グラナダに来た目的が叶った。
そのグラナダで生まれたガルシア・ロルカの「血の婚礼」を、今回やっと上演することができる。あの丘の上のあの喉から絞り出すような熱く乾いた声、あの力強く踏み鳴らし続けるステップのリズム、そしてあの劇場をギュッと包み込んだ、むせ返るような濃い人間たちの欲望の輪を思いながら、心躍るままに創ろうと思う。ロルカに出会いたい、その一心で。
◆中山優馬
「血の婚礼」に出演させて頂ける事、また栗山さんの作品に出られる事、大変嬉しく思います。
それと同時に、「血の婚礼」という偉大な作品に巡り合わせて貰った事に、感謝と共に重圧も感じています。
現代の社会においては決して許される事のないであろう物語。僕が演じさせて頂くレオナルドは、強くも卑怯で愛に溢れた男。多くを失い、多くを手に入れた男なのだと思います。そんな彼をたくさん愛し、表現したいと思います。僕なんかの小細工が通用する役ではありませんので、少しの衝動も逃さず、文字通り全身全霊で演じ切りたいと思います。
胸の引き裂かれる様な熱い愛を、劇場で見届けて下さい。
舞台『血の婚礼』公演情報
<上演時期>
2024年12月 東京・兵庫で上演
※詳細は決まり次第発表
<スタッフ・キャスト>
【作】フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
【翻案】木内宏昌
【演出】栗山民也
【出演】
中山優馬、宮崎秋人、伊東蒼、岡本玲、谷田歩、秋山菜津子 ほか
『血の婚礼』あらすじ
太陽が照りつける灼熱の大地スペイン、アンダルシア。
母親と二人暮らしの花婿は、働き者の花嫁との婚礼を間近に控えているが、花婿を愛する母は二人を歓迎できずにいた。花嫁は過去に、フェリクス一族のレオナルドと恋人関係だったという噂があるからだ。
遡ること20年前、花婿の父と兄はフェリクス一族に殺されたのだ。花婿の母は暴力への憎しみを全身に宿し続けながらも、女手ひとつで残った息子を育て上げたが、いまも心が晴れずにいた。
現在のレオナルドの妻は、花嫁の従姉妹。二人の間には子どもがいる。それにも関わらず、レオナルドは今もなお、花嫁への熱情を抱き続けているという。
ついに迎えた婚礼の朝。レオナルドは花嫁を尋ね、燃え続ける思いを告げる。花嫁は動揺を隠して婚礼の一日を過ごすが、祝宴の真っ最中、レオナルドとともに姿を消してしまう。婚礼の宴は大騒ぎになり、花婿は花嫁とレオナルドを追いかけた――。
森のなか「月」が3人を照らし出し、「死」が囁きかける。そして、悲劇が繰り返される・・・。
『血の婚礼』公式サイト・SNS
【公式サイト】https://chinokonrei24.srptokyo.com/
【公式X(Twitter)】@chinokonrei24