ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン青学(せいがく)vs立海が、いよいよ凱旋公演を迎える。『テニミュ』4thシーズンに、ついに王者・立海が登場!S(シングルス)1では、主人公・越前リョーマと立海の副部長・真田弦一郎が激突。
『テニミュ』4thシーズンの真田役として新たに抜擢された速川大弥。また、『テニミュ』4thシーズンを引っ張ってきた越前リョーマ役の今牧輝琉ら青学(せいがく)メンバーが、この公演で本公演を卒業することも発表されている。それぞれに、『テニミュ』への大きな想いを抱く二人に、作品への想いを聞いた。
※本インタビューは開幕前に行いました
――関東大会を迎える、今のお気持ちを教えてください。
速川:立海は、今まで青学(せいがく)が戦ってきた相手の中で一番強くなければいけないと思っているので、稽古から王者の気持ちというか、王者のプライドを大事にして励んでいます。とはいえ、まだまだ稽古では注意されることも多いですが(笑)。でも、そこで言われている意味を理解して、吸収して、次に繋げるようにしたいという気持ちです。
今牧:今回で『テニミュ』4thシーズンとしては5作目になるんですが、僕ら青学(せいがく)は少し慣れが出てきてしまっていたので、初心に帰ることを心掛けました。立海のみんなが言われていることが、僕らが2年半前に言われていたことと同じだったりしたんですよね。だから、僕たちも演出の三浦さんの言葉を聞いて、初心を思い出そうという雰囲気になりました。いい作品になることは間違いないと思っています。
――お二人が演じるリョーマと真田は、対照的なキャラクターだと思うのですが、ご自身の演じるキャラクターにシンパシーを感じる部分はありますか?
今牧:リョーマの好きなところと言えば、まずは真っ白い帽子が似合うところ!中学1年生なのになんでこんなかっこいいんだと思います。よくある主人公のタイプではないけれど、そのクールさはやっぱり魅力ですよね。
そうそう、最近言われて気づいた共通点があったんです。僕、口癖で「別にいいけど」って言ってるらしいんです。2年半演じさせていただいて似ちゃったのか、それとも元々持っていた性質なのか自分ではあんまりよく分からないんですけど、気づいていなかった共通点を見つけられたのは嬉しかったです。
速川:どんどん一心同体になっているんだね。
今牧:そうなのかもしれない。
速川:僕は、真田の好きなところと言えば、まずは黒い帽子が似合うところ(笑)。そして、自分に厳しいところです。チームメイトにももちろん厳しいですけど、そう言えるのはやっぱり自分に一番厳しくしてるからだと思いますし、妥協しないことこそ、真田が“皇帝”と言われてる所以なのかなと。そこが自分の中では、一番魅力的に思えます。
今牧:性格は似てる?
速川:それが、全然似ていなくて(笑)。僕は割と自分に甘い・・・。でも、負けず嫌いではあります。負けず嫌いで絶対勝ちたい、みたいな欲の部分は自分も近いものがあるのかなと思っています。
――速川さんは、今作からのご出演になりますが真田役に決まった時は驚きがありました?
速川:そうですね。でも、自分で言うのはちょっと恥ずかしいんですけど、ずっと野球をやっていて体つきががっしりしているので、シルエットは結構真田っぽいのかなと・・・。
――なるほど。では、役作りなどで工夫されたことはありますか?
速川:一番難しいと思ったのが、歩き方でした。
今牧:あー!分かる。
速川:歩き方って、自分の一番素が出やすいんですよね。歩き方のほかにも、立ち姿とか、何もしてない時。真田は、武道もやっているので、僕も動画とかで武道をたしなんでいらっしゃる方の身体の使い方とかを研究して、少しでも真田に近づけるようにがんばってみたりしました。
――今牧さんは、立海戦ならではのリョーマの心境の作り方などで工夫されたことはありますか?
今牧:リョーマは、前回の六角公演の最後、切原と橘が試合をして、切原に打ちのめされる橘を目撃しているんですよね。これは大変なことになるぞ、という空気で終わってからの立海公演なので、ほぼ負け知らずのリョーマの中に、危機感というか、初めての新しい感情が生まれていると思うんです。
原作の漫画を読んだ時にも、「うわ、リョーマもこんな気持ちになるんだ」と驚いたので、僕自身が感じたその驚きの気持ちをそのまま持って劇場に向かって、お客様にも僕が感じたことと全く同じことを、僕のパフォーマンスで思ってもらえるようにしたいです。
――それでは、お互いの印象についてもお聞きしていいですか?
今牧:初めて会ったのは稽古に入るより前で、ビジュアル撮影の時だったよね。僕が入ったタイミングが、ちょうど大弥くんの撮影終わりだったので、真田の扮装状態の大弥くんとお会いしたわけなんですけど、「真田役の人がいる!」じゃなくて、「真田がいる!」みたいな感覚になりました。確かにこれはリョーマ苦戦するわ、本当にがんばんないと・・・って。しかも完成したキービジュアル見て、すごい大きくなっていてびっくりした(笑)。
速川:自分もあんなに大きくなると思ってなかった(笑)。
今牧:稽古に入ってからは、大弥くんが立海をまとめていることが多くて、すごいなって思ってました。今回、立海の部長である幸村はチームを離れているじゃないですか。だいたい、各校部長がまとめ役になることが多いんですけど、今回の立海は、本編に沿って真田役の大弥くんががんばっているんですけど、ちょっとホワホワしている面もあったりして、ギャップにやられます(笑)。
速川:(笑)。僕は、実際に舞台を観に行ったりもしていて、輝琉くんのことは知っていたので、初めてお会いした時は「リョーマが目の前に!こんなに近くに!よろしくお願いしますとか言ってるじゃん、俺!」みたいな気持ちになっていました。
稽古に入ってからも、輝琉くんはもうリョーマそのもの。稽古で難しいシーンをやっている時とか、難しくなればなるほど、燃えているというか、どんどんテンションが上がっていくのが分かるんです。リョーマ役に抜擢されて、『テニミュ』を支えてきた人なんだと、改めて実感しました。
今牧:嬉しい・・・。
――お互いのチーム全体の印象についても教えてください。
今牧:もし、何も知らずに『テニミュ』を観に来て、今回の立海を見たら、一発で「ここが一番強いチームなんだ」って分かるぐらい、パフォーマンスがすごいです。歌もダンスもめちゃくちゃ上手いし。でも、僕らが稽古に合流した頃は、まだそこまで距離が縮まってなかったんですよね(笑)。そんな彼らが、今では休憩時間とか楽しそうに話すようになってきたので、いいなと思っています。
速川:青学(せいがく)はすでに4公演やってきているだけあって、完璧に思えます。例えば、青学(せいがく)は部長の手塚が不在なので副部長の大石秀一郎役の原ちゃん(原 貴和)が全体をまとめていることが多いんですけど、その姿を見ていると、僕はまだまだだなと思うことが多くて。
そんな青学(せいがく)を圧倒しなければいけない。より強く見えないといけないというのは、割とプレッシャーではあるんですけど、一緒にやらせてもらう中で、青学(せいがく)のいいところをどんどん吸収して、ちゃんと舞台の上で“王者”に見えるようにがんばりたいなと思っています。
――物語としても盛りだくさんの立海戦ですが、ご自身の演じるキャラクターやチームとして、注目してほしいポイントを教えてください。
今牧:僕、『テニミュ』4thシーズンは試合以外の日常のシーンもわりとしっかり描かれるのがすごく魅力的だなと思っていて。前回の六角公演は全体的にわちゃわちゃした明るい雰囲気の公演だったんですけど、今回はだいぶプレッシャーに満ちた公演なので、日常シーンにもその色が見えるんです。そういうちょっと不安な気持ちの青学(せいがく)の日常シーンとかも、楽しみにしてほしいです。
そして、ひとつすごく楽しい曲があって。これが演出と合わさってうまくできると、多分すごいことになると思っておりますので、絶対絶対絶対、目を離さないでください!
速川:立海としては、何故立海はそこまで勝ちにこだわるのか、というところに注目してほしいです。ただ強いだけではなく、あそこまで勝ちにこだわるのには理由がある。強者であり、チャレンジャーであるという、追い詰められながらも挑んでいく姿を楽しみにしていてほしいです。
――今回の物語では、チームの部長に対するそれぞれの想いも大きいですよね。
速川:そうですね。立海の部長は幸村ですけど、今回は物語に沿って、副部長の僕がまとめる立ち位置で。洸太は芝居経験も初めてって言ってたんですけど、稽古の段階から、役の立ち位置のことも考えて全体を見ていて、すごいなと思いました。お芝居の経験は多分僕の方があるんですが、まとめるのが得意じゃないことも、ちゃんと分かってくれた上で、背中を押してくれています。そうは言っても、全然うまくまとめられてるとは思っていないんですけど(笑)。チームとして、やはり部長の存在は大きいと、稽古の中でも感じました。
今牧:青学(せいがく)は、最近は手塚国光役の健登(山田健登)と稽古がなかなか一緒にならない(笑)。
そういう寂しさはちょっとあるんですけど、大石役の原ちゃんがまとめ役になってくれて、ありがたいです。今までは、そんなまとめるタイプじゃなかったんですけど、稽古開始10分前に「アップがてら自分たちの曲をやろう」みたいなことを発信してくれたり。台詞でも、「ナイス、大石部長」っていうところがあるんですよ。今までは、「大石部長代理」って言ってたのに。なんか、それがすごく稽古をしていてエモかったです。
――ご自身の中では手応えは出てきましたか?
今牧:必死でやっているので、自分たちでは変化は気づきにくいんですけど、稽古場に『テニミュ』4thシーズンの不動峰公演に越前南次郎役で出演されていた中河内雅貴さんがちらっと来てくださった時に「振り覚えが早くなったし、風格が出てきた」って言われて。不動峰公演の頃の僕らは本当にボロボロで、至らないところもたくさんあったことは自覚していたので、成長したと言ってもらえたのはめっちゃ嬉しかったです。
速川:僕は、演出の三浦さんに直近で「視野が狭い」って言われたので、まだまだです。
今牧:これって言われることも大事だけど、何か言われるまで自分のままでいるんじゃなくて、何か言われるようにいろいろ挑戦していくことが大事だよね。挑戦したら、例えそれが間違っていてもそれはそれで指摘してもらえるから。その積み重ねが財産になるし、自分なりの役作りの糧になると思うんですよ。僕らも2年半やってきてやっとダメ出しされることは減ってきましたが、減ってきたからいいというわけではなく、やっぱ毎回課題はあるし。
速川:うん、そうだね。
――では、それぞれのチームを漢字一文字で表すとしたら?
今牧:えー!なんだろう?すごく王道でいくと「絆」だと思うんですけど・・・他にもいろいろありそう。あ!「騒」っていう漢字も合うな~(笑)。あとは「芯」。「騒」がしくふざける時はふざけるけど、でもちゃんと「芯」があってまとまれるのは、3年間一緒にやってきた「絆」があるから。って感じです!一つに選べないな~。
――3年目ということで、3つにしましょう(笑)。
今牧:1年1文字!
速川:それいいですね(笑)。僕らは・・・逆に1つしか思い浮かばないかもしれない。やっぱり勝負の「勝」です。「勝利」に一番こだわりのあるチームだと思うので。1年に1つなら、この先増えることもあるのかもしれないけれど(笑)。
――それでは最後に、公演を楽しみにされている方々へメッセージをお願いします。
今牧:本当に、時間が経つのはあっという間だなあと思います。リョーマを演じてきた時間はまさに人生の宝物だし、人としても役者としても自分を大きく成長させてくれたと思っています。
初めて越前リョーマとして舞台に立ったとき、ありがたいことに座長をやらせていただいてきましたが、最初の頃は右も左も、上も下も、前も後ろも分からない状態でした。そんな中で、『テニミュ』をやらせていただいて、多くの人の真ん中に立つ意味とか、そういう人間であるべきなのか、だんだんと考えることができるようになりました。役者としても、本当いろんな引き出しを増やしてもらえました。
そんな『テニミュ』の本公演は、この立海公演でラストになると思うとすっごく寂しいです。その一方で、やっと終わる、みたいなほっとする気持ちもあるんです。変な意味ではなくて、ずっと走ってきたからこその、終わることへの安心みたいなものがあるんです。青学(せいがく)のみんなも、たぶん僕と同じことを思っていて、「卒業は寂しいけれど、笑顔で卒業したいね」「寂しい気持ちの中で卒業するんじゃなくて、、みんなで楽しく笑ってゴールテープを切りたいね」って話をよくしていて。もちろん、寂しい気持ちはあります。でも、それは絶対に舞台上には持っていかずに臨もうと思っております。
僕たちの2年半を詰め込んだ作品としても、青学(せいがく)にリョーマが入学してから関東大会決勝までの数ヵ月の経験が濃縮された作品になっておりますので、僕たち青学(せいがく)の雄姿を、そして立海の闘志を観に来てください。
速川:青学(せいがく)の卒業が決まっていたり、真田役を様々な方が演じられてきたこともあり、いろんな壁が立ちはだかっていてプレッシャーもあるんですけど、公演を観た方に「この立海で、『テニミュ』4thシーズンは良かったな」と思ってもらえるようにしたいです。
そして、今の青学(せいがく)の方々のマインド、この先の公演へバトンを繋ぐ役目は立海だと思っているので、僕たちはこの公演を真剣に生きて、公演でその成果を出せるように、立海一同がんばりたいと思います。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
ライブ配信・アーカイブ配信
配信サービス:U-NEXT
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詳細>>https://www.video.unext.jp/livedetail/LIV0000004080
詳細>>https://www.video.unext.jp/livedetail/LIV0000004081
【配信日】
2024年2月23日(金・祝)12:00 東京凱旋公演【青学スイッチング映像】
2024年2月23日(金・祝)17:30 東京凱旋公演【立海スイッチング映像】
2024年3月2日(土)17:30 東京凱旋公演【大千秋楽:スイッチング映像】
※特典映像付き(アーカイブ配信でも同内容の特典映像を視聴可能)
映像内容:各対象公演それぞれ、終演直後のご挨拶をバックヤードからライブ中継
青学スイッチング映像:青学キャスト
立海スイッチング映像:立海キャスト
大千秋楽:スイッチング映像:全出演キャスト
【販売価格】各3,700円(税込)
【販売期間】※ライブ配信終了後は、見逃し配信のみ購入可能
青学スイッチング映像/立海スイッチング映像
2024年2月16日(金)12:00~3月1日(金)12:00
大千秋楽 スイッチング映像
2024年2月24日(土)12:00~3月9日(土)12:00
【見逃し配信 視聴期間/ライブ配信終了後、準備が整い次第開始】
青学スイッチング映像/立海スイッチング映像:~3月1日(金)23:59
大千秋楽 スイッチング映像:~3月9日(土)23:59
アーカイブ配信
【配信公演】
2024年1月13日(土)17:30東京公演【初日:スイッチング映像】 ☆
2024年1月13日(土)17:30東京公演【初日:全景映像】 ☆
2024年2月23日(金・祝)12:00 東京凱旋公演【青学スイッチング映像】 ★
2024年2月23日(金・祝)17:30 東京凱旋公演【立海スイッチング映像】 ★
2024年3月2日(土)17:30 東京凱旋公演【大千秋楽:スイッチング映像】 ★
☆…特典映像付(アーカイブ配信のみ視聴可能)
映像内容:青学キャストからのコメント映像 ※事前収録映像
【初日:スイッチング映像】・【初日:全景映像】:後日案内
★…特典映像付(ライブ配信時と同内容の特典映像が視聴可能)
【販売価格】
全景映像:2,800円(税込)
スイッチング映像:各3,700円(税込)
※購入から7日間ご視聴可能
初日:2024年1月31日(水)12:00~3月26日(火)23:59
青学スイッチング映像/立海スイッチング映像:2024年3月12日(火)12:00~3月26日(火)23:59
大千秋楽 スイッチング映像:2024年3月20日(水)12:00~3月26日(火)23:59
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs立海 公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2024年1月13日(土)~1月21日(日) TACHIKAWA STAGE GARDEN
【大阪公演】2024年1月26日(金)~2月3日(土) オリックス劇場
【岐阜公演】2024年2月9日(金)~2月11日(日) 土岐市文化プラザ サンホール
【東京凱旋公演】2024年2月23日(金・祝)~3月2日(土) 日本青年館ホール
スタッフ・キャスト
【原作】許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
【脚本・作詞・演出】三浦 香
【音楽】坂部 剛/Yu (vague)
【振付】遠山晶司(梅棒)/YOU
【出演】
<青学(せいがく)>
越前リョーマ役:今牧輝琉、手塚国光役:山田健登、大石秀一郎役:原 貴和、
不二周助役:持田悠生、乾 貞治役:塩田一期、菊丸英二役:富本惣昭、
河村 隆役:大友 海、桃城 武役:寶珠山 駿、海堂 薫役:岩崎悠雅、
堀尾聡史役:りょうた、加藤勝郎役:戸塚世那、水野カツオ役:市川愛大
<立海>
幸村精市役:潮見洸太、真田弦一郎役:速川大弥、柳 蓮二役:梶山武雅、
仁王雅治役:蒼井嵐樹、柳生比呂士役:中山清太郎、丸井ブン太役:白金倫太郎、
ジャッカル桑原役:大村征弥、切原赤也役:木村聖哉
<六角>
葵 剣太郎役:宮脇 優、黒羽春風役:桐田伶音、天根ヒカル役:栗原航大
<不動峰>
神尾アキラ役:毎熊宏介
<山吹>
壇 太一役:橋本悠希
<氷帝>
鳳 長太郎役:明石 陸
千歳ミユキ役(Wキャスト):山下愛乃 渡部遥玲
<テニミュボーイズ>
井上 蓮、田原 廉、藤本力翔
公式サイト
【公式サイト】https://www.tennimu.com/
【テニミュ・モバイル】https://sp.tennimu.jp/
(C) 許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会