2023年3月に東京と兵庫で舞台『フォーティンブラス』の上演が決定した。「フォーティンブラス」とは、シェークスピアの代表作ハムレットの中に登場するノルウェーの王子の名前。本作は、劇作家の横内謙介が、作中2回だけ登場するこの脇役にスポットを当てて、俳優の視点から書き下ろした作品。繰り返し上演され続けるこの名作に、佐々木大光、鈴木悠仁が初挑戦する。
『フォーティンブラス』は、劇団善人会議(現:扉座)で初演された後、1995年に草彅剛・井ノ原快彦の共演で上演。その後も、2001年には扉座で高橋一生を客演に迎え上演、2003年には東京グローブ座オープニングシリーズとして⻑野博・村上信五の共演で、2021年・2022年にはBunkamuraシアターコクーンで戸塚祥太・内博貴の共演で上演されている。
物語の中でフォーティンブラスは、父親がハムレットの国デンマークに戦争で負けて、その復讐のために攻め行ってみたところ、すでにハムレットの王家は滅び、復讐する相手は死んでいた・・・という結末に登場する。今回はこのフォーティンブラスを佐々木が、同じ脇役たちの中でも志高く役者を目指す道化のオズリック役を鈴木悠仁が演じる。
演出は演劇界で活躍する敏腕プロデューサー、演出家、映像クリエーターらが新たな演劇の可能性を模索するため集結し、「チームアルパード」として新たな名前で手掛ける。
『フォーティンブラス』は、2024年3月1日(金)から3月18日(月)まで東京・紀伊國屋ホール、3月23日(土)・3月24日(日)に兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobeにて上演される。
コメント紹介
佐々木大光
今回『フォーティンブラス』に羽沢武年として出演させていただく事になりました、佐々木大光です。この作品は「シェークスピアの書き換え戯曲の中でも、群を抜いて注目を集めてきた日本の名作」だと聞いて、そんな舞台に出演させていただける事に凄く光栄に感じています。さらにこの作品はたくさんの諸先輩方が出演されてきた舞台でもあり、先輩方にも負けないように精一杯結果を見せたいと思います。よろしくお願いします!
鈴木悠仁
舞台『フォーティンブラス』に岸川和馬として出演させていただく鈴木悠仁です。今回の舞台が決まった時、すごく嬉しかったのと同時に過去の出演者の方々を見て身が引き締まりました。日本の名作と言われているこの舞台に出演させてもらう事をすごく光栄に感じています。演技の経験は少ないですが精一杯頑張りたいと思います。よろしくお願いします!
『フォーティンブラス』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2024年3月1日(金)~3月18日(月) 紀伊國屋ホール
【兵庫公演】2024年3月23日(土)~3月24日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
【作】横内謙介
【演出】チームアルパード
【出演】
佐々木大光、鈴木悠仁 ほか
チケット
【料金】9,500円(税込)
※全席指定・未就学児入場不可
【一般発売】2024年2月4日(日)
あらすじ
お馴染みの名作『ハムレット』が華やかに上演されている、とある古ぼけた劇場。その楽屋で、売れない役者・羽沢武年が、上演中だというのにヒマしている。彼の役は、ノルウェー若き王子、フォーティンブラス。
役者は勇ましいが、最初の出番は、芝居が始まって約2時間15分後。それもただ舞台を通り過ぎるだけ。二番目の出番は全ての物語が決着を見た後。のこのこ登場し、最後のまとめをするだけの、いわば「刺身のツマ」。
その上ハムレット役の大スターは、横暴で、陰険で、勝手に芝居を変えるわ、若い女優に手を出そうとするわとタチの悪いことこの上ない。武年ばかりでなく、オズリック役で恵子の恋人である岸川和馬やオフィーリアに抜擢されたバラエティタレントの刈谷ひろみさえも、そんなスターに嫌気が差し、楽屋に一触即発の不穏な空気が流れている。
そんなある夜、芝居のはねた劇場に、突然不気味な亡霊が姿を現す。亡霊は、自らを「フォーティンブラスの父」だと名乗り、そして武年に向かっていった。
「我が息子フォーティンブラスよ。さあ、今こそその汚れ亡き高潔な血を熱くたぎらせ剣を抜け。そしてその剣に、ハムレットへの復讐を誓うのだ!!」
その言葉にとまどいながらも武年は、亡霊にハムレットへの、そして大スターへの復讐を誓うのだった。しかし劇場付きの老女優・松村玉代は、亡霊の姿を見て驚いた。この男は「フォーティンブラスの父」なんかじゃない。昔、玉代が一緒に芝居をしていた俳優の岸川和春・・・すなわち、オズリック役の岸川和馬の死んだ父親の亡霊だ・・・しかし何故今頃、和馬の父が亡霊となって、思い出の詰まったこの劇場に・・・?
果たして武年の復讐の行方は?
そして亡霊が寄せる、この舞台に対する想いとは?
公式サイト
【公式サイト】https://fortinbras2024.com