2023年6月15日(木)より上演されるミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』5~鉄路にラブソングを~。鉄ミュシリーズ本編5作目となる今回は、登場路線数が過去最多となっている。中でも注目は、日本の鉄道において「始まりの3路線」とされる御三家、東海道本線・函館本線・北陸本線が揃うこと。
シリーズ1作目から鉄ミュを支える東海道本線 役の鯨井康介、函館本線と西武新宿線 役の2役を演じる橋本汰斗、北陸本線としてシリーズ初参加となる牧田哲也に、創作の現場について話を聞いた。
――鉄ミュシリーズ、初演からいつも楽しみに拝見しております。
鯨井:ありがとうございます!誰推しですか?
――もちろん兄さん(東海道新幹線)です!
鯨井:素晴らしいっ!
――発表されて驚きましたが、今回、登場路線がとても多いですね?
鯨井:そうなんです、シリーズ最多でございます。ライブ公演(Rails Live 2019)の時よりも多いそうですよ。初演の頃から、原作のように「(路線が)広がっていったらいいね」なんて夢物語を言っていましたが、実際に路線図が広がっていくようにカンパニーが大きくなっていくのを見ていると、本当にすごいなと思います。スピンオフで西武グループの公演もありましたが、各所で仲間が増えていって、とても嬉しいです。
橋本:僕はその西武グループの西武新宿線として鉄ミュ2から参加させてもらったんですけど、西武池袋線と西武新宿線しかいない状態からスピンオフ公演でめちゃくちゃ仲間が増えたのがすごく嬉しかったんですよ。今回は、個人的なことですが元々同じグループ(D-BOYS)として活動していた牧田くんが鉄ミュに加わって、10年越しに共演できるのもすごく楽しみで。
牧田:そっか、もうそんなに経ったかぁ。お互い変わらずにまた共演できるのは本当に嬉しいね。
――走り続けた先でまた路線が交わると思うと、感慨深いですね・・・!
鯨井:うまいっ!これ、僕が言った事にしてもらえませんか?
橋本・牧田:(笑)!!
――牧田さんは今回が初参加となりますが、鉄ミュの現場はいかがですか?
牧田:他の現場では絶対ないような感覚を味わっています。ほぼ知っている人なんですよ。でも、鯨ちゃんもKIMERUさんも共演は初めてなんです。
鯨井:僕はそれが一番驚きでしたよ。
牧田:永山さん(永山たかし)も、映像では一緒になったことあったけど舞台での共演は初めて。高崎翔太くんもWキャストをやっていたけれど、一緒に舞台に立つのは初めて。
橋本:そっか、共演はしてないんですね。
牧田:そう。共演経験のある人は少ないんだけど、ほとんどみんな知っているのよ。だから、本人の人となりは知っているけれど、稽古場での佇まいは初めて知るっていう不思議な状況。こんな現場はないですよ。
――牧田さんをはじめ、今回初参加の方も増えましたが、稽古場の様子はいつもどおりですか?
鯨井:至っていつも通りです(笑)。
橋本:僕らはいつも通りやらせてもらっちゃっているので、牧田くんたち大丈夫かな?って思っていました。
牧田:めちゃくちゃ大丈夫。というか、めちゃくちゃやりやすい(笑)。再演の作品とか、シリーズもので年下の子が多い中に入っていく時は、気を遣わせてしまっているなと思ったりすることもあるんだけど、鉄ミュは何も気にせずに入っていけてる。
橋本:確かに、牧田くん初演からいた人みたいになってるもんね。
鯨井:僕らもすごく嬉しいですよ。あとはやっぱりうちの2トップ、永山さんとKIMERUさんの存在が大きい。父と母ですよ!あの二人の存在感と安心感、すごくないですか?
牧田:すごい!空気感をきちんと作ってくれる。
橋本:ほんとそう思う。
鯨井:長年連れ添った夫婦みたいになってる。そして一番元気。今まではKIMERUさんが一番うるさいと思ってたけど、最近は永山さんの方がうるさいぐらい元気(笑)。
牧田:そうなんだ(笑)。
鯨井:稽古場に来るとテンション高くなるんですよ。嬉しそうに来るから。
牧田:がんばって空気を作ってくれているわけじゃなくて、普通に楽しそうなんだ。
鯨井:そう、テンション上がりっぱなし!
橋本:かわいい(笑)。
――すごくいい雰囲気なんですね。
鯨井:回を重ねるごとにホーム感が増してますよね。この前、振付のEBATOさんに「君たちは遊びに来てるの?」って(冗談ぽく)言われたんですよ(笑)。スタッフさんにそう言われるぐらい、全体的に遊び心が満載、いや、遊び心しかない現場です。
橋本:(笑)。
牧田:この3人で歌うシーンを作っていた時も、僕は振りとか段取りとか「こういう風にやるのね」と頭に入れながら動いていたんですけど、2人はあっという間に自分のものにしていてすごいなと思ったよ。
鯨井:いやいや、遊んでるんですよ。
牧田:こういうエンタメ要素の強い作品って、そういうの大事だよね。稽古で楽しく作る延長に本番があるから、長く愛される作品になってるんだろうなって思うよ。それが鉄ミュの一番の魅力になっているんだよね。
――ここ最近の鉄ミュはオムニバスながら一つの主題があるように思いましたが、今回の登場路線は多岐に渡っているので、どうなっているのか気になっています。
鯨井:脚本・演出・作詞の川尻さん(川尻恵太)から「今回は初演に近い構成です」と言われていました。ふたを開けてみると、東西南北問わず路線が増えていて、フラットに観ていただける内容になっていると思います。
これは僕の勝手な解釈なんですけれども、コロナ禍で閉鎖的になってしまった今だからこそ、改めて鉄ミュとして意識を大きく広げよう、みたいな意味合いがどこかにあるんじゃないかなと・・・。お客様も、全国のいろんな鉄道に乗って劇場まで来てくださるわけじゃないですか。登場路線が増えたことで、どなたにも身近に感じていただけるんじゃないかなと思っております。
橋本:長いこと制限のかかる中で演劇を観ていただいていたと思うんですけど、今回は声も出せるようになったから、皆さんの反応がすごく楽しみですよね。どういう風に盛り上がってくれるだろう?って、若干の不安もあったりしますけど。
牧田:堅苦しさはまったくないからね。
鯨井:鬱憤を晴らしていただきたい!
――そしてついに「始まりの3路線」が揃うことも楽しみです。
牧田:実は北陸本線って、鉄ミュにすでに出てきていたんだよね。過去の公演(ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』~誰が為にのぞみは走る~に後ろ姿のみ、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』2~信越地方よりアイをこめて~では映像に手のみ登場)の映像を見て、もういる!って思った。
鯨井:何してたんですか?あの時。
橋本:(爆笑)!
牧田:呼んでくれよ~。俺もやりたかったよ~。
――(笑)。本作では「始まりの3路線」のシーンはどのような描かれ方をしていますか?
牧田:田舎路線2人と、日本のど真ん中を走り続ける東海道本線の色の違いが、楽曲にも滲んでいます。
鯨井:少し話題が反れてしまうんですが、牧田さんが僕らの理解をどんどん超えていくんですよ・・・。
橋本:そう!初日からすごかったですよね。分かんないと言いつつ、めっちゃ詳しいんですよ。
牧田:いやいや・・・!今回から参加する人は、原作元の方が作品やキャラクターだけでなく、鉄道の歴史を説明してくれる時間を設けてくださったんですよ。後から聞いたんだけど、初期の頃はそういうのなかったんだよね?
鯨井:そう、僕らは公演を重ねるごとにだんだん知っていったんですけど、でも、牧田くんの予想を超えていく感じは教えてもらったからだけじゃないと思う。本人の努力の賜物ですよ。
橋本:「あ~、鉄ミュってやっぱ難しい、分かんないわ・・・」って言いながら、オーバーキールしていく感じがね。
牧田:いや、まだまだ分かってないと思うよ!本当に、これは何のことを言っているんだろう?表現しているんだろう?って思うけど、鉄道の歴史とかを聞くと「そういうことなのか」って分かるんだよね。青春先生が鉄道の歴史とか地域の特性とかに則ってキャラクターを創作されているから、ちゃんと腑に落ちるんだなあって思うよ。
橋本:知れば知るほど、解釈が深まるんですよね。
牧田:そう。だから、余白がすごくて奥が深いなあって思ってる。
鯨井:知らないと、何の時間だろう?って思うかもしれないけどね(笑)。
一同:(爆笑)!
牧田:お客様の中でキャラクターのイメージがすでにしっかり固まっている原作の場合、舞台で演じる側があまりにも多くを提示してしまうと齟齬が生まれてしまうこともあるだろうから、お客さんに委ねる余白があるっていうのは見やすいし、いろんな見方ができる楽しみが生まれるのかも。
鯨井:確かに!余白に関しては、本当に自信があります!!
一同:(再び爆笑)!!
――今回も、どんな終着駅へ連れていってくださるのか、楽しみにしております!
牧田:皆さんがすごすぎるので、初参戦というのは本当にプレッシャーなのですが(笑)。僕が演じる北陸本線は、バシバシ攻めるタイプではないのですが、鉄ミュの中で、しっかりと新たな色を出せたらなと思って取り組んでいます。ぜひ、楽しみにしていただけたらと思います。
橋本:すごく濃いキャラクターがたくさん増えているので、稽古場でも素で笑っちゃうところが何ヶ所もあるんですよ(笑)。皆さんも、ぜひぜひ劇場でたくさん笑い声を聞かせてくれたら嬉しいです。
鯨井:鉄ミュファンの皆様、ついに御三家が揃いますっ!牧田さんが来てくださいましたから。我々もどんどん進化をしていきます。しかし!今回もぜひ我が兄、東海道新幹線“のみ”を観に来てください(笑)。御三家揃いますが、正直どうでもいいっ!東海道新幹線を、兄さんを観に来てください!そうしたら、必ずご満足いただけるはずです。よろしくお願いしますっ!
(ヘアメイク/依田陽子 スタイリスト/MASAYA)
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』5~鉄路にラブソングを~ 公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2023年6月15日(木)~6月25日(日) 天王洲 銀河劇場
【兵庫公演】2023年6月30日(金)~7月2日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
※6月18日(日)18:00公演はイープラススペシャルデー
https://eplus.jp/AOHARU5-kk/
https://eplus.jp/kashikiri/
スタッフ・キャスト
【原作】「青春鉄道(あおはるてつどう)」(KADOKAWA/コミックウォーカー、COMIC BRIDGE連載中)
【原作者】青春(あおはる)
【脚本・演出・作詞】川尻恵太(SUGARBOY)
【音楽】あらいふとし+ミヤジマジュン
【振付】EBATO
【出演】
東海道新幹線役:永山たかし
常磐線・西武池袋線役:KIMERU
東海道本線役:鯨井康介
京浜東北線役:高橋優太
東武東上線・信越本線役:高崎翔太
宇都宮線(東北本線)役:稲垣成弥
北陸新幹線・西武安比奈線役:渡辺コウジ
函館本線・西武新宿線役:橋本汰斗
東北新幹線役:石渡真修
秋田新幹線・千代田線役:神里優希
上越新幹線役:田中涼星
九州新幹線・西武西武園線役:馬場良馬
山陽新幹線役:八神 蓮
西九州新幹線役:石田 隼
羽越本線・西武国分寺線役:加藤良輔
上越線役:鎌苅健太
北陸本線役:牧田哲也
東金線役:滝川広大
総武線(総武本線)役:伊崎龍次郎
中央線(中央本線)役:皆木一舞
<アンサンブル>
益川和久 小山麗也 西本健太郎
【チケット】各プレイガイドにて発売中
https://www.marv.jp/special/aoharutetsudou/info.html
公式サイト
【公式サイト】http://www.marv.jp/special/aoharutetsudou/
【公式Twitter】@aoharu_musical
(C) 青春 (C) ミュージカル『青春鉄道』製作委員会