2023年10月から11月まで東京、大阪、愛知にて音楽劇『浅草キッド』が上演されることが決定した。
原作である「浅草キッド」(講談社刊)は、ビートたけしが芸人として一世を風靡し、映画監督として世界中に名を轟かせるよりはるか昔を描いた青春自伝小説。まだ何者でもなかった青年時代のとある夏に、のちの人生を決定づける師匠・深見千三郎と出会い、苦楽を共にした芸人仲間や、たくましく生きるストリッパーたちと過ごした日々が綴られている。
1988年、2002年にドラマ化、2021年にNetflixにて映画化とこれまで映像化されてきた同作だが、このほど名曲「浅草キッド」にオリジナル楽曲を加え、福原充則により音楽劇として初舞台化される。
主演・北野武役を務めるのは林遣都。売れない芸人役を好演した2016年の『火花』 (Netflix)に続き、再び芸人役に挑む。振り幅の広い役作りに定評のある林が、初挑戦となる音楽劇で悩める青年・武をどのように演じるのか注目が集まる。
青年・武の人生を決定づける師匠・深見千三郎役を務めるのは、山本耕史。確かな歌唱力とダンスの実力を兼ね備えた山本が、歌い華麗なステップを踏む洒落た“幻の浅草芸人”を演じる。
運命に導かれるように出会った、何者でもなかった青年・武と、厳しくも愛情深く武を見守る師匠・深見が、初共演となる二人によって色濃く描かれていく。
このほど、脚本・演出の福原と、林、山本からのコメントが公開された。
音楽劇『浅草キッド』は2023年10月・11月に東京・明治座、大阪・新歌舞伎座、愛知・愛知県芸術劇場 大ホールにて上演予定。
コメント紹介
福原充則(脚本・演出)
思い出は、時間が経つほどに漂白され、「そんな時代もあったねぇ」と笑えたり、「あの時の苦労があるから今がある」なんて納得できたりするものですが、この芝居では〝そんな時代〟と振り返る視点ではなく、渦中で翻弄されたまま舞台上に現出させたいと思います。
しかも音楽劇で。青年・武と師匠・深見千三郎は、簡単には心の内を明かさない二人。秘めた本音は歌に乗せて吐き出してもらうべくこの形を取りました。
控えめだけど頑固な弟子と饒舌の裏に陰が蠢く師匠の姿は、そのまま林遣都さんと山本耕史さんの二人に当てはまると思っています。大きな化学反応が起きる予感、いや確信。存分に期待して頂きたい!
林遣都
数年前、ある舞台役者の先輩に「葛西臨海公園で面白いお芝居やってるよ」と誘っていただき、ついて行った先で、そのあまりの面白さに雷に打たれたような衝撃を受けたことがありました。
「ニッポンの河川」というユニットで、その中心にいたのが、脚本を手掛けながら照明器具や小道具のラジコンを操る福原さんでした。当時演劇に興味を持ち始めた頃の僕はそのお芝居を観て「演劇ってなんて素晴らしいんだ!」ととてつもなく感動したことを今でも鮮明に覚えています。
念願叶い、遂に福原さんの舞台に出演させていただくことになったのですが、まさかの浅草キッドです。とんでもない作品への出演が決まり大きな重圧を感じますが、最大限の敬意と情熱をもって挑みたいと思います。
山本耕史さんとは初めてご一緒させていただきます。心強いです。お会いするのが楽しみです。皆様、音楽劇「浅草キッド」10月、明治座にて幕が上がります。ご期待ください。
山本耕史
世界を舞台に活躍する北野武さんの浅草での修行時代。ある一人の芸人との出会いで、その後の人生が一変したという。昭和の浅草で強烈なカリスマ性を放ち、「幻の浅草芸人」とも崇められる深見千三郎師匠。そんな深見師匠の役を、今回演じます。
主演の林遣都さんや、脚本演出の福原さんとは初めてご一緒しますが、しっかりと話し合いながら、当時武さんが受けた衝撃を、師匠役に宿したいと思います。ぜひ楽しみにしていてください。
音楽劇『浅草キッド』公演情報
上演スケジュール
2023年10月・11月
【東京公演】明治座
【大阪公演】新歌舞伎座
【愛知公演】愛知県芸術劇場 大ホールにて上演。
キャスト・スタッフ
林遣都 山本耕史 ほか
【原作】ビートたけし
【脚本・演出】福原充則