昨年11月、初めてファミリーミュージカル化された累計70万部超のベストセラー絵本「えんとつ町のプペル」(原作:西野亮廣)。吉原光夫さんなどミュージカル界のトップスターを起用し、大好評となった舞台は、配信でも1万名以上を動員しました。
その大阪公演が12月3日~から「YES THEATER」でスタート。この舞台で初めてプロデューサーを務めるJoe(来條翼)さんは、約5か月間の“テスト期間”を経て合格。その情熱で周囲からの信頼を得て、「プロデューサーをやったことがない僕にも、できると証明したい」と夢を語ります。その制作までの過程、多くの人とのやり取りの中で感じたことを聞きました。
「絶対やるから出てください」と言えない難しさがあった
――ミュージカル「えんとつ町のプペル」大阪が12月3日~12月15日までYES THEATERで上演されます。約1年前の東京公演も大変な苦労があったと聞きましたが、大阪公演が舞台化されるまでの経緯を教えてください。
話が始まったのは2021年の12月頃で、昨年11月の東京公演が終わった少し後でした。きっかけは僕が何か西野亮廣さんとお仕事がしたいなと思い、アプローチを続けていた中で、東京公演のプロデューサーと話す機会を設けてくださったのが最初です。
大阪公演をやろうという話にはなりましたが、クオリティやお金の話もあるので、「じゃあ明日からやりましょう」とはならない。それで大体5ヶ月ぐらい、本当に実現できるのか、テスト期間があったんです。公演を行う前提でクオリティが担保できそうなスタッフを実際に集められるのか、まず計画を立てるところから始まりました。
――製作が確定ではない中、メンバーを集めなければいけなかったわけですね。
要はスタッフ・キャストを集めるといっても「決定」ではないので、「絶対やるから出てください」というオファーができなかった。その中で最初に、東京公演のプロデューサーから演出の高橋伊久磨を紹介してもらって、キャストを集めていった形です。マネタイズの計画もして、5月初旬頃には実際に「進めよう」と承諾が降りて、形になっていきました。
――特に苦労したのはどういった部分でしたか?
僕はプロデューサーをやったことがないし、ミュージカルに特化した経歴が何かあるわけでもないんです。年も30歳前半なので、「何者なんだ?」「ミュージカルを知らないやつがプロデューサーになって大丈夫?」と思われる苦悩はありましたね。
――それは自身の熱量などで説得していったのですか?
そうですね。今回、キャストもスタッフもめちゃくちゃいい人ばかりで、そういう風に見る人はいなかったですが、信頼してもらうまでが難しかったです。実力者の方々のスケジュールを抑えるとなったら、他の仕事は断ってもらわなければいけない。こちらもやると断言できないとなると、やはり臆病になってしまう。大丈夫だなと思ってもらうまでは、結構大変でした。
――大阪公演と東京公演の違い、見どころを教えてください。
前提として、あまり変えたくなかったんです。基本はそのままで、振り付けを変えるのと、あと劇場の形が違うから色々演出が変わります。ただ、西野さんが「大阪には、大阪の挑戦をしてほしい」と言ってくれたので、大阪ならではの演出・振り付け・照明でベストを作れたらと思っています。
居酒屋で1時間ぐらいマシンガントークをした
――キャスティングに関して意識したことを教えてください。
キャスティングは役に合っているのが一番。今回は演出の高橋伊久磨の紹介だったり、繋がりで候補を選びました。演出家目線で選んでくれたので、キャスティング面で僕の苦労はなく、信頼して任した形です。あと、若い世代の挑戦の意味で、子役だけは関西にあるミュージカルプロ養成スクール「ダンスオブハーツ」というところでオーディションをしました。
――東京公演の時は吉原光夫さんが手紙をもらって出演を承諾したといった話がありました。今回、特に熱心に誰かを口説いたなどありますか?
今回振り付けしていただくのが加藤敬二さんですけど、この方は劇団四季でずっとやってこられた方で、どうしても協力して欲しかった。だから、居酒屋で1時間ぐらい、ずっとマシンガントークしましたね。結果的に僕が熱く喋って、やりますって言ってくださったので感謝しています。
――では、プロデューサーとしてのご自身の役割は資金繰りや宣伝などですかね。
僕の役目はお金や人、場所などを持ってくることですね。先日、西野さんの自宅がある兵庫県川西市でイベントをしたのですが、田村有樹子さんという方が企画してくださり、「売り上げを大阪公演の予算に使っていいよ」と、言ってくださったのもありました。
まだ僕が思っているほどできていないですけど、稽古が進んでからTwitterで発信したり、施策はやっていきたいと思っています。
――プペル自体、映画など大きな構想の中で色々なものが動いています。Joeさん自身はそれにどう参加したい、繋がっていきたいなどありますか?
東京以外の地方公演は、今回の僕が一番手なので、これが北海道や福岡みたいな主要都市でやれるようになったら、素晴らしいと思いますね。それが発展して、もしも日本でのプペルミュージカルを任せてもらえるようになったりしたら、引っ張っていきたい、などは思います。でも、まずは大阪公演を成功させないといけないですね。
難しく考えず、映画を見るように演劇を見る文化作りたい
――メッセージ性の強い作品ですが、Joeさんがこの作品に込めたメッセージを教えてください。
原作通り、夢も希望もないところからそれを追いかけるストーリーの作品なので、表現されていること、そのままですね。僕自身も、やったことないがないプロデューサーでも、できるんだっていうところを見せたいなと思います。
――お客さんにこの舞台を見て、感じ取ってほしいものがあったら教えてください。
本当に超一流の人たちが作る舞台で、キャストも実力派の人たちが揃っています。「箱」も大きすぎないから、圧倒されると思う。だから、難しいことは考えず、視覚的に「すごい」と感じてもらえれば十分ですね。日本には、ミュージカルを見に行く習慣がない。だから、難しく考えず、映画に行くのと同じように、ミュージカルを見て「すげぇな」「面白かったな」って思ってくれたらと、僕は思います。
【公式ホームページ】https://poupelle-musical-osaka.com/
ミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪 公演情報
上演スケジュール
2022年12月3日(土)~12月15日(木) YES THEATER
キャスト・スタッフ
プペル&ブルーノ 近藤真行
ルビッチ 末谷玲乃
ローラ 谷口あかり
スコップ 阿部よしつぐ
ダン 松原剛志
スーさん 山科諒馬
アントニオ 黒川賢也
レベッカ 伊藤稚菜
ダンサー 松井英理
ダンサー 齋藤駿
ダンサー 政田洋平
ベラール 下村青
【原作・脚本】⻄野亮廣
【演出】⾼橋伊久磨
【作曲】Ko Tanaka
【英歌詞】Jessica Wu
【オーケストレーター】August Eriksmoen
【⽇本語詞】⻑島祥
【振付】加藤敬⼆
【パーカッション振付】Yako Miyamoto
【演出監修】MOEKO
【⾳楽監督】楠美さえこ
【舞台美術】佐藤央⼀
【照明】井實博昭
【⾳響】⽊下聡
【映像】栗⼭聡之
【⾐裳】前⽥⽂⼦
【ヘアメイク】宮内宏明
【⼩道具】篠川理湖
【演出助手】池田海人
【舞台監督】吉川亮
【キーボードコンダクター】⻄村広⽂
【ドラム】杉⼭アキノブ
【ベース】⻘⽊信弘
【メインビジュアル】かんかん
【キャラクターデザイン】Matsu Bockrin
【HP 制作】株式会社 Sabeevo
【制作】山田直人
【票券】サンライズプロモーション東京
【アソシエイトプロデューサー】⽥中雅樹
【アシスタントプロデューサー】横田裕久
【プロデューサー】Joe
【制作協⼒】一茶企画、劇団Compass
【製作・主催】IMPRESS 合同会社
チケット情報
チケット受付(チケットぴあ):https://w.pia.jp/t/poupelle-musical/ (Pコード: 513-996)
お問い合わせ:サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(平日12:00~15:00)
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