室龍太が主演を務める爆笑痛快コメディ『コムサdeMANZAI!』が、2022年9月15日(木)にヒューリックホール東京にて開幕。初日前には室のほか、大島麻衣、あべこうじ、脚本・演出を担当する品川ヒロシが登壇し、取材会が行われた。
本作は、2019年秋の『どれミゼラブル!』、2021年夏の『コムサdeマンボ!』に続く、シリーズ3作目にして完結編。前作でバラエティ番組の放送作家として活躍するようになった、室が演じるコムサ真二が、漫才の作家でありながら、自分がピンチヒッターとして漫才のツッコミをやるかもしれないという窮地に立たされる。
終始、室のツッコミが冴え渡る本作。芸人でもある品川が書いた脚本とあって、コントさながらのストレートな笑いがあちこちに散りばめられていた。登場するキャラクターも皆、個性豊か。
大島が演じる方言まみれのアナウンサー、松井勇歩が演じる「ヤバ」しか言わないAD、姜暢雄が演じる普段とのギャップがすごい大物演歌歌手、そして、石垣佑磨が演じるシリーズを通して登場しているオネエキャラのマサチカと、ステージに出てきただけでも笑いが起こるキャラが次々に現れる。
劇中では、あべが演じる芸人コンビ「すすむ・のぼる」の進を相手に、それぞれのキャラが漫才をするシーンも。同じ内容の漫才をしても、ツッコミのキャラが違うと全く違う漫才になるというのが面白い。そして、誰が相手でも、その場の空気を読んでさらなる笑いを引き出そうとするあべのセンスと対応力も素晴らしかった。
また、TikTokの動画を撮影するというシチュエーションで行われる「アドリブコーナー」も見逃せない。ゲネプロでは、室がオチ担当だったのだが、その室に行く前に石垣がボケ倒して大爆笑を取っていた。その後の囲み取材で品川が「佑磨に何も知らせないでやらせると、すごい爆発力になる。いつも室くんで落とそうと思っているのに、毎回、三番目くらい(の石垣が)ぶっ飛んだことを言うんです」と明かしていたが、アドリブコーナーの石垣は注目だ。
さらに、今回、カーテンコールでは出演者たちのダンスも楽しめる。室が全力で踊る姿を、ペンライトを振って応援することができるというのも見どころの一つとなっている。
ゲネプロ後に行われた取材会では、室が「稽古場と違って、マスクもとって開放感がある中でのお芝居で最高でした。稽古場では噛み倒していたんですが、劇場に入ってから一回も噛んでません」とゲネプロを終えた感想を話す。すると、品川からも大島からもあべからも突っ込まれ、笑いが沸き起こった。
全編にわたって小気味好い会話が続き、まるでアドリブでのやり取りのように見えることから、「どこからどこまでがアドリブなのか?」という質問があがると、あべは「全部アドリブです」と冗談めかして回答。品川も「僕は白紙の台本を渡してます」と話にノリながら、「稽古場で出来上がったノリもそのままやっていますし、アドリブでできた部分もそのままになっているし、僕も芸人なので(そのノリで)『これを入れたら?』と言っているのもアドリブっぽくなっているんだと思います。それから、あべちゃんはお客さんが変わることで空気を読んで入れてくれているから、それで(アドリブっぽく見える)」と説明してくれました。それを聞いた大島は、被せるように「AKBのところ(AKBにまつわるネタを話すシーン)は全部台本です!!」と断言。品川は「もういろいろです。ファンタジーなので」と話をまとめた。
そして、品川は「『コムサde』シリーズならではの雰囲気やアドリブ、ダンスも取り入れて、これまでのシリーズをご覧になっていた方にも楽しんでいただけて、とにかくバカバカしい作品をテーマに書きました。大笑いして、いろいろなことを忘れて帰ってもらえたらいいなと思います」と改めて呼びかけ、あべも「基本的には、毎日違う“色”の舞台になると思っているので、色々な見方ができると思います。日々、言うことも少しずつ変わってくるし、間(ま)も違ってくるので、一緒になって体感していただいて、楽しんでいただける、そんなエンターテインメントになると思っている自分がいます。なので、一緒に楽しい舞台を作っていただけませんか」とアピール。
大島は「私が演じる真紀の台詞に『刺さるわ』という言葉がありますが、本当にそれぞれのキャラクターがいいセリフを言っています。そんないい話もフワッとでいいので心に持って帰っていただけたら。それから、この作品はお客さんと一緒に作っていく舞台なので、皆さんの声援や拍手があって完成します。ぜひ遊びに来てください」と笑顔を見せ、室が「この時期にお笑いを届けられるのが僕自身すごく嬉しいです。皆さんも笑いが足りないと思うので、ぜひ劇場に来ていただいて、僕たちのパワーを受け取っていただきたいと思います。『完結編』と言っていますが、またいつかできるように大成功で終わらせたいですし、誰一人欠けることなく、最後まで突っ走っていけるように細心の注意を払いながら、楽しくお芝居したいと思いますので、ぜひ劇場にお越しください」と話して締めくくった。
さらに、その後、 2022年8月28日に結婚を発表した石垣を出演者たちがステージ上で祝福。石垣は「ありがとうございます」と喜び、「うちの妻も観に来てくれると思うので、頑張って演じたいと思います。キャストの皆さんと室くんの良さを引き出して、心から演じていけたらいいなと思っています」と本作への意気込みを語った。
『コムサdeMANZAI!』東京公演は9月21日(水)までヒューリックホール東京にて。その後、9月30日(金)から10月2日(日)まで大阪・松下IMPホール、10月7日(金)・10月8日(土)に静岡・静岡市民文化会館中ホールにて上演。上演時間は約1時間50分(休憩なし)を予定。
(取材・文・撮影/嶋田真己)
『コムサdeMANZAI!』公演情報
上演スケジュール
【東京公演】2022年9月15日(木)~9月21日(水) ヒューリックホール東京
【大阪公演】2022年9月30日(金)~10月2日(日) 松下IMPホール
【静岡公演】2022年10月7日(金)・10月8日(土) 静岡市民文化会館 中ホール
スタッフ・キャスト
【脚本・演出】品川ヒロシ(品川庄司)
【出演】
室龍太/大島麻衣/松井勇歩、川久保拓司、石垣佑磨/あべこうじ、姜暢雄
公式サイト
【公式サイト】https://www.c-manzai.jp/