松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

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松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

2022年1月9日(日)に東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』が開幕した。本作は、演出家・栗山民也が長年見つめてきた沖縄を題材に、こまつ座『母と暮せば』でもタッグを組んだ作家・畑澤聖悟に書き下ろしを託した新作。主演を務める松山ケンイチは、約4年ぶりの舞台出演となる。

松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

松山は、舞台出演4作目にして今作が初の会話劇。事前に沖縄にて現地の方々の話を聞いて回り、稽古中も物語当時の資料を読み込みながら謙虚に真摯に作品と向き合ってきた。松山が演じるハルオと地のつながらない弟・アキオ役を演じるのは岡山天音。そして、二人を拾い育てた母親役を、栗山作品への参加は約30年振りとなり、これが最後の舞台かもしれないと語る余貴美子が演じる。

松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

ハルオ(松山)は、終戦当時、戸籍がなく名前も年齢も分からない推定4歳の子ども。隣に住むアキオ(岡山)と同じくらいの年齢に見えたが少し身体が大きいからという理由で兄とされた。おかあ(余)は二人を拾い育て、配給や援助金をもらうために収容所にいたジラースー(神尾佑)に声をかけ、即席で4人家族を作った。

松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

それから月日が経ち、今やバラバラになっていた「偽の家族」が、久しぶりに家のあるバーに集まった。アメリカ軍施政下での圧力や人権侵害に翻弄され続けていた彼らは、さまざまな想いを胸に秘めていた。彼らの妹ナナコやおかあが匿っていた脱走兵ミケ、アキオがデモ帰りに連れてきた本土から来たルポライターらをきっかけに、家族は次々と本音をぶつけ合い向き合っていく。1970年12月20日未明、コザ騒動の裏側で起きた、ひとつの家族の物語が胸を熱くする。

松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

松山は、出自が分からず半ば自暴自棄に生きるハルオの苦しみを、大胆な動きと細やかな表情で表現。遠慮がちで控えめな性格のアキオを演じる岡山は、これまで誰にも明かしてこなかった内に秘めた熱い想いを体当たりの演技で魅せる。余は、自身の置かれている境遇に決して負けまいとするおかあの強さを、台詞のひとつひとつに丁寧に重ね客席に届けた。

冒頭からウチナーグチ(沖縄ことば)が飛び交い、三線の演奏もあり、まるで沖縄にいるような気分に。舞台上には、米兵が出入りするAサインバーのセットがあり、窓の向こうには基地があるという設定。かつてはハルオが演奏もしていたという、バーのステージにはスタンドマイクがあり、劇中で度々効果的に使われる。

松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

あるシーンでは、対照的な兄弟それぞれの世の中に対する想いが爆発し、演劇ならではの熱量に圧倒される。外で起こる「コザ騒動」の喧騒と、中で起こる事件が進展するにつれ刻々と変化する照明も印象的だ。

また、妹のナナコ役の上原千果が歌う「花はどこへいった」は世界一有名な反戦歌として知られ、世界中でカバーされる名曲。その素朴な歌声と歌詞が胸に刺さる。

松山ケンイチ主演舞台『hana-1970、コザが燃えた日-』開幕!返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

『hanaー1970、コザが燃えた日ー』は、1月30日(日)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演、その後2月5日(土)・2月6日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、2月10日(木)・2月11日(金・祝)に宮城・多賀城市民会館にて上演。上演時間は1時間40分を予定。

(撮影/田中亜紀)

目次

コメント紹介

◆松山ケンイチ(ハルオ役)
本日、無事に初日を迎えることが出来て一安心です。ただそれに尽きます。無事に始まった舞台を無事に終わらせる。これが全ての望みです。これしか望んでいません。このまま、日々気を付けながら取り組んでいきたいと思います。

◆岡山天音(アキオ役)
『hana-1970、コザが燃えた日-』は非常にビビットでありながら、素朴なメッセージが込められた作品だと思います。皆様がこの物語をどう受け止めてくださるのか、これから公演が進むに連れ、果たして自分がどこに漂着するのか、期待が高まります。今回、久し振りに舞台に携わり、舞台の刹那的な在り方と出会いました。劇場に足を運んでくださる皆様と、そこにしか芽吹かない「その瞬間」に全身を浸して行きたいです。

◆余貴美子(おかあ役)
まさに今のこのコロナ禍のように、沖縄・日本・アメリカとの間で揺れ動くテーマの作品ですが、新しい年の始まりに力づけられる、勇気づけられるような物語になっていると思います。沖縄言葉には難儀しましたが、沖縄の明るさや底力というのはその言葉にもあると思っていて、私は沖縄の人ではないけれど、沖縄の言葉を口にすると元気になります。血のつながらない家族が苦難を乗り越えて再生していくという内容ですので、台詞を言う度に明るさと底力で乗り切っていこうという気持ちになります。皆さんにもぜひ、この”言葉との出会い”を楽しんで、元気になっていただけたらと思います。

◆栗山民也(演出)
手を取り合って
『hana』の初日の公演を終え自宅に戻るところなのですが、クイーンの「手を取り合って」が無性に聴きたくなって、車の中でかなりの音量で聴いています。カーテンコールで観客と一緒になって大きく拍手しながら、「人間の鎖」のことを考えていました。米軍基地を取り囲んだ沖縄の「人間の鎖」。小さな力かもしれない一人ひとりの力が、手を取り合うことで繋がれ、硬く口を閉ざした巨大な固まりをぐるりと包囲する。なんだか熱くいろんなことが、今、クイーンの音楽とともに頭の中を駆け巡っています。沖縄のみんなと酒場にいるような、熱くてとても柔らかな気分。

『hanaー1970、コザが燃えた日ー』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年1月9日(日)~1月30日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【大阪公演】2022年2月5日(土)・2月6日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【宮城公演】2022年2月10日(木)・2月11日(金・祝) 多賀城市民会館

スタッフ・キャスト

【作】畑澤聖悟
【演出】栗山民也

【出演】
松山ケンイチ
岡山天音
神尾 佑
櫻井章喜
金子岳憲
玲央バルトナー
上原千果
余 貴美子

【公式サイト】https://horipro-stage.jp/stage/hana2022/
【公式Twitter】@stagehana



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