キャストもキャラクターも陰と陽?歌劇『桜蘭高校ホスト部』小松準弥×里中将道インタビュー

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2022年1月に上演が決定した歌劇『桜蘭高校ホスト部』。これまで、TVアニメ・実写ドラマ・実写映画化など、様々な形で表現されてきた『桜蘭高校ホスト部」がついに“歌劇”として舞台化される。須王環 役を演じるのは小松準弥、鳳鏡夜 役を演じるのは里中将道。初共演の二人だが、演じるキャラクターのように“陰と陽”の関係性が見えるという。公演に向けて、期待と意気込みを語ってもらった。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

――まず、ご出演決まった時のお気持ちを教えていただけますか?

小松:これまでアニメ、映像化もされてきた人気漫画の舞台化なので、率直に言って緊張しました(笑)。プレッシャーも感じたんですけど、やらせて頂けることを光栄に思いましたし、環先輩のような明るくてちょっとおバカで、全ての方向にエネルギッシュ、そういう役どころは挑戦したかったので、楽しみもありました。なのでプレッシャーと楽しみが一気に押し寄せてきたって感じです!

里中:僕も同じです。長く愛されてきた作品なので、鏡夜をやらせていただけるというからには、責任を持って素敵な舞台にしていきたいなという気持ちでいっぱいです。

――原作漫画を読んで、どんな印象を抱かれました?

小松:最初は、華やかでコメディ要素満載、肩に力を入れずに読むことができる作品だなというイメージを持っていたんですけど、読み進めるにつれて少し変わってきて・・・。

物語の後半、一人一人の過去のトラウマや抱えてる悩みが描かれていくのを見て、すごく人間味を感じました。楽しくてハートフルなだけじゃなくて、「自分がこれから生きていくための」ヒントがたくさん含まれてる。楽しく人生のお勉強ができる、そんな印象に変わりました。

里中:あ~、確かに。

小松:ね、コメディだけど深いよね。

里中:いろいろゴージャスだけどただ楽しいだけじゃなくて・・・というのは、僕もすごく感じるところでした。節々に大事なメッセージが散らばっていて、読んで勉強になると言うか、大事なことを伝えてくれるすごくいい作品だなと思いました。

――お互い、キャラクターに似ているなと思うところは?

小松:将道くんと初めて会ったのは、ビジュアル撮影の時だったよね。僕は、めっちゃクールだな~って思ってた。話すようになった今も、クールで落ち着いてるっていう印象は変わらずあるけど、絶対的な自分を持っているんだろうなって思いますし、そういうところが鏡夜に通ずるものがあるんだろうなって思ってます。

里中:準弥くんは、ほんとに明るくて・・・環が愛される部分と、持ってるものがすごく近いんじゃないかなっていうのが第一印象でした。キャスティング完璧だなって思いましたね。

小松:陰と陽で表したら、陰が将道くんで、陽が僕なんだよね。それってきっと、環と鏡夜もそうだよね。

里中:完全にそうだね。元々そういう部分が重なるから、お互いの役割をしっかり理解した上で、どんどん本番に向けて関係性を高めていけたらいいですよね。しゃべらずとも分かる、みたいな。

――小松さんが環役、里中さんは鏡夜役と聞いて、ぴったりだなと思ったのですが、ご自身で役と近いなと思う部分はありますか?

小松:「楽しくをモットーに」という環先輩の信念は、自分の考え方とすごく似てるなって思ってます。俳優業をやらせていただく中で、僕は自分も楽しみたいし、観てくださるお客様、応援してくださる方々に楽しい気持ちになってほしい、その人たちの人生が少しでも豊かになってほしいなという思いがあるので。場を明るくしたり、人にパワーを与えたりする時は、まずは自分が楽しまないと。そういうところが多分一番似てるかなって思います。細かく言うと、犬が好きとか、ちょっとおバカとか、いろいろあるんですけど(笑)。でも、最初に作品に触れて一番環先輩に共感したのは「楽しくをモットーに」というところでした。

里中:「楽しくをモットーに」っていうってのは僕もそうだから、すごく分かるなあ。

小松:でしょ!将道くんも環やる?!双子みたいにWキャストで「どっちが本物の環でしょう?」やる?!

里中:(受け流しつつ)鏡夜と似てるところは、何だろうなあ・・・あそこまで冷徹ではないんですけど(笑)。

小松:いやいや鏡夜、ほんとは優しい人だからね!

里中:人前では冷たく振る舞っているけど、本当のところは愛ゆえの仲間意識がなんだかんだ強いと思うので、そういう面では自分も仲間意識というか、人と人のつながりは大事にしています。一番似てるのは、そういうところかな。・・・自分で言うの、恥ずかしいけど(笑)。

小松:分かるよ、分かる。

里中:普段は表に出さないけど、鏡夜も僕も、多分めちゃくちゃ愛は強い方だと思います。

――現時点で、お芝居にどうやってキャラクターを落とし込もうと考えていますか?

小松:何事にもエネルギッシュに振りきれている、それが環先輩の魅力の一つだなと思うんですが、何故あそこまで人前で振りきれるのか。ここに、環先輩の心の「核」になっている部分が絶対あると思うんです。それは彼の過去からつながるものだったり、いろいろあると思うんですけど、環先輩が大事にしてきたものに、まずしっかりと向き合いたいと思っています。

多分、最初の「核」となる部分を厚くしていけばしていくほど、舞台上で200%も300%もエネルギッシュに環先輩として生きることができると思うので!まずは中身の部分、心の一番奥底にある想いを大事に作っていきたいです。

里中:僕は、より鏡夜の人間味が伝わるようにできたらいいなと思っています。鏡夜は、ドラマでは大東駿介さんが演じていたので、役が決まってから連絡してみたんです。「どうやって役作りしましたか?」って。そうしたら「俺はめっちゃアニメを観て研究した」と言っていたので、参考にさせてもらおうかと思っています。大東さんが演じた鏡夜も踏まえて、自分にできる鏡夜を作りたいなと思っています。

――環と鏡夜は“親友”ですが、お二人にとって親友はどういうものですか?

小松:何て言ったら一番いいのかな。うーん・・・(熟慮して)“宝物”ですね。

里中:宝物、そうだね。なんかあった時に傍にいてくれる、大事な存在だよね。

小松:親友って多くを語らなくても、理解してくれるし。だからこそ信頼もしてるし、時に甘えたくなっちゃうし、それを受け入れてくれることも知ってるし。そういう深いところでつながっているものだなと思うんです。将道くんと話してみて、お互いにそういう感覚が一致していることを感じられたので、この作品で二人の仲を深められたらいいなと思います!

――稽古に向けて、楽しみにしていることは?

小松:個性的なキャラクターがたくさん出てきますけど、多分・・・出演者も個性的な方々ばっかりですよね。共演したことがある方もいますし、初めてご一緒する方の話も聞いてるし。そういう人たちが集まった時、どんな空気が生まれるのか。僕・・・たぶん、動物園みたいになると思うんですよ!それは楽しみでもあり、ちょっと怖さもあり(笑)。

里中:僕は稽古に入ったら役の意識をしちゃうんで、普段よりもツッコミ側に回っちゃう気がする。本当に動物園みたいな楽しい現場になりそうなので(笑)。場を精査して・・・お母さんみたいな立ち位置になりそう。

――(笑)。共演者の方の中で、注目している人はいますか?

小松:僕は、大海将一郎(猫澤梅人役)ですね。彼は古い友人であり、役者仲間なんです。最初はすごい人見知りだったんですよ。でも、時間が経つにつれて、すごくいい意味で壊れていって(笑)。もうしゃべればおもしろい!場が和むし、何か盛り上がるんです。もっと聞かせてほしいって思っちゃう。天然で、すごいパワーの持ち主なんですよ。久しぶりに一緒にできるから、彼が今どうなっているのか本当にすごく楽しみ。

里中:将くんと言えば、加藤将くん・・・。将くん多いな(笑)。

小松:大海将一郎くんはそんなにしゃべらないけど、振るとすんごい出てくる人。加藤将くんは、振らなくてもどんどん出てくる人だよね!

里中:すでに個性が強い(笑)。僕は、共演経験のある(小西)詠斗を挙げたいですね。本当にかわいいんですよ。かわいいから、何でも許しちゃう。鏡夜としてはどこまで鬼になれるかが課題ですね・・・。でも詠斗の演じるハニー先輩(埴之塚光邦)は、かわいさが十二分に発揮されると思うのですごく楽しみです。

――ちなみに、実際にお二人がホスト部で接待してもらうとしたら、どのキャラクターに接待されたい?

小松:僕、以前は常陸院兄弟におもてなししてもらって、双子の“禁断の愛”を目の前で繰り広げてもらいたかったんです。そういう世界に触れたことがないので、どんな感じなのか見てみたいって思っていたんですけど。

公演が近づいてきて環くんとして生きるんだということを強く意識したら、「環くんはどんな人なんだろう」とか「どういう接客するんだろう」とかもっと知りたくて。もちろん、原作に描かれていますけど、もっとヒントが欲しい!という欲が出てきました。だから、環先輩におもてなししていただいて、ホスト部としての心得、振る舞いを肌で感じてキュンキュンしたいって思うようになりました。

里中:僕は・・・モリ先輩かな。何もしゃべらずに傍についていてもらって、お茶飲みながら地味~に将棋指したり・・・。

小松:渋いな~!語らずとも、ってやつだね。

里中:そうそう。しっぽり落ち着いてて、なんかかっこいいやん。この人の前では何かしゃべらなくてもいいや、って思えるのって気楽だし。

小松:・・・なんか、いいな。ずるい。

里中:(笑)。

――舞台ならではの、魅力的な「ホスト部」になりそうで楽しみにしています。

里中:一番には、「桜蘭高校ホスト部」という作品の魅力でもある華やかさを楽しみにしていてもらえたら。僕たちもまだ予想がつかないですが、ナチュラルに作品の持つ魅力を伝えられたらと思います。

小松:観に来てくださる方は、原作を愛している方、今回初めて興味を持ってくださった方と様々だと思うんですが、アニメ化や映像化され、いろんな形で表現されてきた「桜蘭高校ホスト部」が、今回は舞台、しかも歌劇で表現するというのは新しい試みです。

僕たち生身の人間が、皆さんの目の前で表現することに必ず意味が生まれると思うので、それをしっかり考えながら取り組みたいと思ってます。そして、原作漫画への愛、さらにアニメやドラマをリスペクトしつつ、舞台ならでは、歌劇ならではの表現で皆さんに「確かにホスト部だ」と思ってもらえたら嬉しいです。新しい発見を僕たち自身でもどんどんして、それを皆さんへお届けしたい。来てくれてくださった方が「またここに帰って来たいな」って思ってもらえるような、そういう作品にしたいと思っていますので、楽しみにしていてください!

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歌劇『桜蘭高校ホスト部』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年1月15日(土)~1月23日(日) 天王洲 銀河劇場
【大阪公演】2022年1月29日(土)~1月30日(日) メルパルクホール大阪

スタッフ・キャスト

【原作】葉鳥ビスコ(白泉社・花とゆめCOMICS)
【演出】菜月チョビ
【脚本】赤澤ムック
【音楽】Yu(vague)

【出演】
須王環 役:小松準弥
鳳鏡夜 役:里中将道
常陸院光 役:二葉勇
常陸院馨 役:二葉要
埴之塚光邦 役:小西詠斗
銛之塚崇 役:加藤将

藤岡ハルヒ 役:山内優花

猫澤梅人 役:大海将一郎
宝積寺れんげ 役:斉藤瑞季
九瀬猛 役:柏木佑介

藤岡涼二(蘭花) 役:法月康平

内藤ぶり 野口友理香 平沢奈美 藤綾近
前川ゆう 増山航平 光永蓮 蘆川晶祥

【公式サイト】https://www.marv.jp/special/m-ouran/
【公式Twitter】@ouran_m
【公式Instagram】ouran__m

(C) 葉鳥ビスコ・白泉社/歌劇『桜蘭高校ホスト部』製作委員会



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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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