迷探偵×恋愛リアリティーショー?!梅棒初のミステリー『花婿は迷探偵 -THE FINAL-』レポート

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迷探偵×恋愛リアリティーショー?!梅棒初のミステリー『花婿は迷探偵 -THE FINAL-』レポート

梅棒 17th Mystery『花婿は迷探偵 -THE FINAL-』が、2023年12月22日(金)に東京・本多劇場にて開幕した。本作は、ダンスエンターテインメント集団「梅棒」の最新公演で、梅棒初のミステリー作品。梅棒加入15年目の楢木和也が初の主演を務める。

今回ゲストとして参加するのは、滝澤諒(『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule theStageシリーズの有栖川帝統役など)、山野光(舞台『千と千尋の神隠し』カオナシ役、ミュージカル『エリザベート』トートダンサーなど)、日本の大自然の中で長すぎる赤い褌をたなびかせ舞う写真活動「ふんどし日和」が話題となった俳優・ダンサーの五十嵐ゆうや、日本発のダンスのプロリーグD.LEAGUEのチーム「Benefit one MONOLIZ」のリーダーを昨シーズン務め、現在は国内外のショーケースやワークショップで活躍するKenの4名。

梅棒からは梅澤裕介、鶴野輝一、塩野拓矢、櫻井竜彦、楢木和也、天野一輝、野田裕貴、多和田任益が出演。オール男性キャストで、「ダンス×ミステリー」という、梅棒にとっての新しい試みに挑んでいる。

(以下、物語の一部に触れています)

梅棒の公演は基本ノンバーバルだが、本編が始まる前には台詞ありの前説が行われる。誰が物語の世界観を観客と共有してくれるのか、お楽しみに。とはいえ、今回は事前に公開されているメインビジュアルや登場人物のビジュアルをご覧になった方はすでにお分かりかと思うが、非常に分かりやすい。

主演の楢木が演じるのは、私立探偵の森小次郎。ダンディな髭がトレードマーク、ちょっぴりキザだけどどこか抜けている“迷探偵”だ。一人娘(瀧澤)やその幼馴染で助手でもある青年(多和田)に支えられながら、難事件を解決している。

物語冒頭、小次郎が警察に協力を求められ、とある秘宝を守ったことから、一躍時の人となる。それをきっかけに、小次郎は「恋愛リアリティショー」の“花婿”という出演オファーが舞い込むのだが・・・。

「ホテル媋山荘」に集められたのは、国内外から集まった、美と才能を兼ね備えた女性たち。様々なバックボーンを抱えた彼女たちが、小次郎のハートを射止めるために様々なバトルを繰り広げる。しかし、撮影の中で恐ろしい事件が起こってしまう・・・。外は猛吹雪。たった一つの真実は、この中に?!

楢木は、キザだけど頼りがいのある父親にはなかなかなれない、愛すべき“迷探偵”を格好よく、それでいて人間くさく演じている。今年上演されたミュージカル『SPY×FAMILY』でのパフォーマンスも印象的だったが、舞台の0番(中心)に立つ姿はコミカルさを残しつつも実にスタイリッシュだ。

梅棒初参加の瀧澤は、父親や上司に振り回されながらも、芯の強い女の子像を、得意のダンスを通じて表現。多和田と共に、二人の絶妙な「幼馴染の距離感」を作り上げていた。その多和田は、梅棒に加入して約2年半。公演を重ねるごとに、その存在感を増し、しっかりと「梅棒」の中に根を下ろしていっている。

そして、女性陣を演じる梅棒メンバー、客演陣・・・皆さん、キレイすぎませんか?物語が進む中で一人ずつキャラクター像がはっきりしていくのだが、「誰」が演じているのか、思い出す前に思考が停止してしまう。あれ、今回全員男性キャストだったよな・・・?あざとさあり、プライドあり、女の意地あり。しなやかで細やかな表現で、「ダンス」であり「演劇」であるおもしろさを作り上げていた。

梅棒と言えば、J-POPを巧みに組み合わせて物語を紡いでいくのも、毎回のお楽しみ。今回も、「ミステリー」ゆかりのオマージュ、平成を彩った名曲から、アイドル曲、TikTokでバズっていた曲まで盛りだくさん。そして、歌詞と物語をリンクさせる手腕はいつも本当にお見事だ。

作・総合演出は伊藤今人を中心に、梅棒は挑戦の幅を広げてきた。この『花婿は迷探偵 -THE FINAL-』は、梅棒らしいエンタメ要素満載ながら、「ミステリー」としてもしっかりと練られている。「フーダニット」として散りばめられた違和感が、徐々に回収されていく様は爽快。複数回観劇する方は、違う角度で楽しめるだろう。

梅棒は、いつだってフロンティア精神を持ち続ける最高のエンターテイナーだ。

梅棒 17th Mystery『花婿は迷探偵 -THE FINAL-』は、2023年12月22日(金)から12月31日(日)まで東京・本多劇場、2024年1月12日(金)から1月14日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、1月20日(土)・1月21日(日)に愛知・長久手市文化の家 森のホールにて上演。

また、東京公演12月27日(水)19:00回では梅棒メンバーによるトークイベント、12月31日(日)にはカウントダウンイベントも開催される。

(取材・文/エンタステージ編集部 1号)

目次

コメント紹介

作・総合演出:伊藤 今人[梅棒]

真冬の本多劇場にふさわしい題材は何か。我々が出した答えは、梅棒初のミステリー作品でした。これまでの作品とこだわるべきポイントが全く違い、悪戦苦闘の稽古期間でしたが、最後まで妥協なく作り上げることができました。
楢木和也が梅棒加入15年目にして初の主演。梅棒メンバー8人に、抜群の個性と技術を持つ客演陣4人を加えた少数精鋭の12人。女性役も含め全て男性の俳優が演じます。演劇の聖地本多劇場で観劇納めに、大阪・愛知での観劇初めに是非どうぞ!

振付・出演:楢木 和也[梅棒]

梅棒初のミステリー作品。ノンバーバルな梅棒スタイルでミステリーをどう表現したら面白く出来るか、キャスト・スタッフ全員が、全力で、稽古場で戦ってきました。
その作品がいよいよ世に放たれるのかと思うとワクワクします。2023年の締めくくり、2024年のスタートに相応しい作品になったと思います。
表も裏も関係ない、全員野球でお届けする笑いあり涙あり驚きありの約2時間。ぜひ堪能してください!

出演:滝澤 諒

「ミステリー×ダンス」だからこそ表現できる物語のスピード感やあらゆる伏線の回収が爽快で、ジェットコースターのような勢いのある作品です。様々な情報が行き交うなかで、それぞれの人物の関係性がエモーショナルになっていくのも注目ポイントです。時に笑い、時に感情移入し、時に推理し。この物語を様々な角度から楽しんでいただければ幸いです。
あっ。最後に一言。全員めちゃくちゃお綺麗です!

梅棒 17th Mystery『花婿は迷探偵 -THE FINAL-』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年12月22日(金)~12月31日(日) 本多劇場
※12月27日(水)19:00回は公演は行わず、梅棒メンバーによるトークイベントを開催(登壇メンバーは後日発表/終演後、舞台上よりお見送り実施)
【大阪公演】2024年1月12日(金)~1月14日(日) サンケイホールブリーゼ
【愛知公演】2024年1月20日(土)~1月21日(日) 長久手市文化の家 森のホール

スタッフ・キャスト

【作・総合演出】伊藤今人(梅棒)
【振付・監修】梅棒

【出演】
梅澤裕介、鶴野輝一、塩野拓矢、櫻井竜彦、楢木和也、天野一輝、野田裕貴、多和田任益(以上、梅棒)
滝澤諒、山野光、五十嵐ゆうや、Ken

公式サイト

【公演特設サイト】http://umebou17th.dynamize.net/
【梅棒オフィシャルサイト】https://www.umebou.com/
【梅棒 OFFICIAL FANCLUB『ひのまる弁当』】https://www.umebou.net/

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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