【ジャンフェス振り返り】 最後までいきます!ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」中尾暢樹、北園 涼、演劇チャクラ全開

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【ジャンフェス振り返り】 最後までいきます!ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」中尾暢樹、北園 涼、演劇チャクラ全開

2023年に新作公演として最終章の上演が決定したライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」。これは「ジャンプフェスタ2023」(以下、ジャンフェス)内で実施されたジャンプスーパーステージ「BORUTO&NARUTO」にて発表されたもの。その翌日にはネルケプランニングブースでトークステージが行われ、うずまきナルト役の中尾暢樹、波風ミナト役の北園 涼、MCとして鎌苅健太が登壇した。ここではそのトークステージの模様をレポートする。

ネルケプランニングブースでは、実に3年ぶりとなる有観客トークステージのラストを飾ったライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」。進行が始まり登壇した中尾、北園は、お互いにジャンフェス初参加であることが判明。中尾は「僕ずっとジャンプっ子だったので、すごくワクワクするし、配信の方もいると思うんですけど、今回皆様とこんなに近くでお話できるのもすごいことだなって思います」と興奮気味に挨拶。北園は「外からもうジャンプ好きな人たちの集まりじゃん!臨場感がすごい」とこちらもジャンフェスのアツさを体感しているようだった。

続いて最初のコーナー、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~忍界大戦、開戦~公演振り返りトークが始まると、まずは公演を終えた感想を求められた中尾から「自分が子供の頃から好きだったナルトを演じることに期待もあったんですけど、正直不安もあり。それでも観てくださった方が『ナルトがいた』とか『『NARUTO-ナルト-』の世界がそこにあった』って言ってくれたので、本当に僕の青春の1番の思い出になったと思います」と、開始早々胸が熱くなる言葉が飛び出した。

北園は「もうやっぱりナルト出生のあのシーンを演じられたっていうのは、とても誇りに思いますし、それが決まった時からすごく楽しみにしていました。もちろんプレッシャーもありましたけど、それをやりきれたっていうのは大きな自信になりました」と、達成感でいっぱいの様子。

その後、舞台の場面写真を見ながら、該当シーンの裏話や演じた思いについてトークを弾ませた。はじめに映されたオープニング写真では、ポジショニングやストーリーを投影した演出のこだわりが語られ、その次に表示された九尾との対峙場面では「九尾の尾って9本あるじゃないですか。本当に舞台「NARUTO-ナルト-」ってキャスト全員が集まって作ってて、みんなで九尾の尾を操りながら戦っているんですよ。これ、真ん中にうちはイタチ役の良知さんとか、マダラとかカカシ先生もいたり、サクラちゃんもいたりして」と、カンパニー一丸となって創り上げていることが北園から明かされた。

稽古場には九尾の顔部分しかなかったらしく、何に使われるのか気になっていたそう。この九尾にはストーリーの外でも苦戦させられていたようで「今回この九尾と戦うにあたって、いろんな技を出すんです。 螺旋丸だして、あと螺旋手裏剣だして、螺旋連丸。その時の九尾の反応だったり、攻撃のタイミングだったり、強さも9人が1つに合わせないといけなかった。尾でリアクション!みたいな。結構大変でしたね」と、苦労を滲ませた中尾。

その話を聞いた鎌苅からは「なるほどねー!!」と納得の声が上げた。尾の両端同士はお互いが全く見えないそうで「場当たりも結構このシーンは何回も繰り返しされていました。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト -」って結構プロジェクションマッピングや、映像をすごく使って、音との合わせも多いんですよ。このシーンは特に。柱でこう、ガンガンガンガンって尻尾が抑えられるところがあるじゃないですか。そこは結構大変」と、周囲の役者だけでなく、技術効果部分との連携の大変さも北園が指摘した。

次に出てきたのは、まだ赤子のナルトを抱えるミナトとクシナ。その後ろには大きな九尾が見下ろしている迫力満点のシーン。この時の思いについて「もう、このシーンはちょっと語れないですね・・・。うずまきクシナ役の紗里ちゃんと2人で本当に死ぬ気でナルトを守ってました。死んでしまうんですけど、それでも、いろんな思いを込めました。『信じてる』『愛してる』って歌わせてもらったんで」という北園の言葉からは、言語化し切れない様々な感情が伝わり、家族の愛に目頭が熱くなった。

中尾もこのシーンを毎回舞台袖から見ていたそうで、日々ぶつかり合う感情を目の当たりにし、何度も泣いてしまったとのこと。稽古場でも、見ている周囲がビシャビシャになるほど涙を零し「これだけは毎回本気でやらないとできなかった」と、超重量級の感情ファイトが行われていたことが分かった。

次のシーンでは、九尾にお腹を貫通された後のミナトとクシナが映され、二人の腕の中には幼いナルトが。思わず「いい写真!」と鎌苅は感嘆の声を漏らしていた。北園からは「ナルトに悲しい顔は見せられないから」と、最後まで笑顔を貫いた父の強さが語られた。

最後の場面は、チャクラモードのナルトを筆頭に、忍連合軍が復活した十尾に立ち向かうシーンがあげられた。こちらは何回も台詞や立ち位置の変更があり、演出家との試行錯誤の末できあがった圧巻のシーンであった。

そのほか、公演を通して関係性に変化があったか問われると、中尾からは「前回の「うずまきナルト物語」の時に(北園と)初めましてだったんですけど、もうその時からずっと僕はお世話になっています。本当に父ちゃんかのように面倒を見てくれてたイメージですね」と北園を慕う姿が見えた。

北園からは「「忍界大戦、開戦」の時って、暢樹と芝居してないんですよ。舞台上でミナトとナルトとして顔を合わせてない。オープニングとかはまた別なんですけど、だからちょっと疎遠感ありましたよ」と寂しさをカミングアウト。これを受け中尾は「そんなことないですよ!」と笑って返していた。

質問コーナーでは、様々なトークを広げていった。好きな台詞を聞かれた中尾は、ナルトの「真っすぐ自分の言葉は曲げねェ」という台詞がナルトを表す上で1番簡潔な言葉で好きと答え、北園は「うずまきナルト物語」から、サスケがカカシに向けて放った「低俗な忍がその目を見せびらかすな!!!」という台詞が印象に残っていると回答。

地方公演での面白いエピソードはありますか?という質問では、神戸公演での楽屋エピソードが飛び出した。楽屋は中尾、北園、佐藤(流司)、良知(真次)の相部屋だったそうで、中尾から「長机があるんですよ。長机に3人。僕、流司くん、父ちゃん(北園)。と、もう1個大長机を、1人で良知さん(笑)」と、お茶目な先輩の姿を暴露。良知が鎮座する机には分厚い本が置かれていたようだが、北園曰く「でも読んでるところは1回も見てない」そう。

会場が笑いに包まれると、話は佐藤へ。「長机一緒なんで、足を伸ばしていたらそれが流司くんの椅子で。『それ俺の椅子だぞ』って言われました(笑)先輩の椅子に足乗せんなって(笑)」といたずらっ子のように笑う中尾に「(佐藤の真似をして)いいけど別に」と北園が続けた。非常に和やかな雰囲気だったことが伺え微笑ましい限りだった。

好きな楽曲について問われると、中尾からは「やっぱり僕は両親の歌が好きですね」とファンの心を熱くする答えが。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」はこれまで音源を発売していない。だからこそ、稽古場・本番でいつもに増して集中して楽曲を聴いていた。その中で、両親からナルトへの愛を目の前で見ることにもなったが、この経験がとても貴重で、今でも思い出せると幸せを噛みしめていた。続く北園は好きな曲がいくつもあるようで、歌詞を口ずさみながら、オープニングやマダラとオビトの曲である「世界創造」を挙げた。

ここで中尾から「ずっとクライマックスの状態が続くんですよ。すると何が起こるかっていうと、感情の起伏が激しくなる。急激に気持ちを上げなきゃいけないとか、ここでお話を切ってるから次のシーンの感情に行くためにこの歌を挟むとか」と、3時間という限られた時間の中で物語を展開していく難しさについて語られた。

「キャストの皆さんが『真っすぐに信じて、感情をガンッてぶつけてくれてるから、このシーンができる』と言ってくれる。自分としてもそうするしかないと思いながらやっていました」という言葉からは、役者間の信頼を見ることができた。MCの鎌苅は「そこがもう僕の中ではすごくナルトとリンクするというか。 演劇チャクラすごいな。演劇チャクラすごいよ中尾くんは、本当に」と称賛していた。

最後の質問では自分以外で演じてみたいキャラクターについて聞かれた。これに中尾はサスケ、北園はダンゾウと回答。そのほか、今年がどんな1年だったかという質問に「うずまきナルト物語」「忍界大戦、開戦」の公演時期から、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」に始まりライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」で終わった1年だったと振り返った。

最後に2023年に上演予定の新作に触れると、中尾、北園両名からある噂についてコメントが。「巷で噂が流れてるらしいんですけど、最終章っていくつかに分かれていて最後ってことじゃないんじゃないか・・・みたいな。ストーリー的に最後じゃないんじゃないか。これで終わるんじゃないんじゃないか。じゃないんじゃないかってね」と言葉遊びでくすぐりつつ、「最後までいきます!」と、最後の物語まで描き切ることを断言。言い切ったあと、二人も「終わるんだな」「出し切りましょうね、最後」「終わっちまうのか」「終わっちまいますね」と寂しさをにじませた。

中尾は「僕は途中から参加してるんですけども、ここまで本当にいろんなことをして『NARUTO-ナルト』の世界観をみんなで表現してきたんですよ。それの最後っていうことで、 どうしても感動するに決まってる。ようやく僕、サスケと舞台上でしっかり顔を合わせられるんです。父ちゃんとも一緒のいいシーンがあるはずですし、楽しみで仕方ないですね」と、無邪気に目を輝かせ「どうやって終わんだろう?火影になるのかな、俺?」と信じられない様子だった。

北園は「僕らは去年からこの作品に参加させていただいてますけども。(佐藤)流司、(伊藤)優衣ちゃんとか君沢(ユウキ)さんとかは8年やってきてる。それがついに幕を閉じるってなると、その人たちの思いを僕たちもやっぱり一緒に背負っていかないといけない。生半化な気持ちでは舞台に立てないなと思ってます」と、意気込みを語る声は熱く、その年月に思いを馳せる姿は非常に大きく逞しかった。

そして、楽しい時間はあっという間にエンディングを迎え、話足りない中尾は「これだけの仕事?!これだけの幕張?!」と寂しさを露わに。トークステージを終える北園からは「久々に『NARUTO』のお話をさせていただいて、舞台上での記憶や思いが蘇りました。またこうして暢樹と会えたこともすごく嬉しかったです。そしてなんと、新作公演が昨日発表されたということで、また引き続き頑張っていかなきゃいけないな、という思いです」とコメント。

中尾も「僕の全てを注ぎ込んでいる作品でもありますし、僕の大好きな『NARUTO-ナルト』の世界を僕たちで必死に表現しています。これから最高のものを僕たち、そして、キャスト、スタッフで創っていくので、これからもずっと応援してくれたら嬉しいです」と、最終章に向けた力強い挨拶で締めくくった。

新作公演の台本の完成はまだこの先。その未来にはどんな景色が待っているのだろうか。8年に渡り紡がれてきた『NARUTO』の物語の中で、うずまき親子はどんな活躍を見せてくれるのか。遂に結ばれる最終章。期待は募るばかりだ。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 4号)

目次

ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト』2023年 新作公演 公演情報

スタッフ・キャスト

【原作】「NARUTO-ナルト-」岸本斉史(集英社 ジャンプ コミックス刊)
【脚本・演出】児玉明子

【出演】
うずまきナルト役:中尾暢樹
うちはサスケ役:佐藤流司

春野サクラ役:伊藤優衣
はたけカカシ役:君沢ユウキ

波風ミナト役:北園 涼

うちはマダラ役:中村誠治郎

ほか

公式サイト

【公式サイト】https://naruto-stage.jp/
【公式Twitter】@naruto_stage




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