舞台『モブサイコ100』~激突!爪第7支部~田中涼星×天羽尚吾「悪の組織としてワルを貫こう!」

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2021年8月6日(金)から8月15日(日)にかけて上演される舞台『モブサイコ100』~激突!爪第7支部~。約3年ぶりとなるシリーズ第3弾公演の告知は、驚きのビジュアルと共にもたらされた。本作では、主人公の影山茂夫(通称・モブ)たちの身の回りに、怪しい大人の超能力者の影がチラつき始める。・・・それが「爪」第7支部!

「爪」とは、超能力者による世界征服を目論む秘密組織。そんな「爪」幹部を演じる新キャストとして、今回から座組に加わるのが田中涼星と天羽尚吾だ。ビジュアルから、普段の彼らからは想像できない「ワル」が漏れ出していたが・・・。初共演となる二人に、「悪役」に対する考えなどを聞いた。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

目次

かっこいい!でも、超クレイジー・・・それが『モブサイコ100』

――お二人は、新キャストとして舞台『モブサイコ100』シリーズに加わることになりましたが、ビジュアルが出た時の反響は、すごかったのではないでしょうか?

天羽:ドキドキしていました。「モブサイコ100」の世界観って、コメディだけどオシャレじゃないですか。だから、ビジュアルについてはメイクさんと「80年代のロックシンガーみたいな要素を入れて作ってみよう」と話をしていて。それが、ファンの方に受け入れてもらえるかどうか・・・。発表になって、喜んでいただいているのが伝わってきたのでとても嬉しかったです。

田中:僕は、誇山のビジュアルを見てとにかくびっくりしていたんです。めちゃくちゃピアスとか付いてる・・・すげぇな!って(笑)。今まで見せたことのない感じに仕上がったので、自分でも意外だったというか。だから、良い反響があって良かったです。

――原作についてはご存知でしたか?

田中:僕は、まずアニメを拝見しました。超能力を使ったバトルシーンが壮大だった・・・。モブが覚醒した時に繰り出す技のシーンとか、グラフィックがめちゃくちゃ作り込まれていますよね。すごくこだわりを感じましたし、ワクワクしました。

天羽:「モブサイコ100」って、漫画を読んだりアニメを見たりする時に、自分の気持ちをどこへ持っていったらいいか、分からなくなる時がありません?コメディだと思っていたら、めちゃめちゃ怖い回とかあるし。反対に、めちゃめちゃいい話の回とかもあるでしょう。

田中:分かる。最初はそんなこと全然想像せずに見始めたから、驚きが多かった。

天羽:そうそう、驚きもいっぱいだし、じんわり心が温かくなったりもする。モブという男の子が、いろんな人たちと触れ合って、彼自身が答えを見つけていく・・・みたいな部分も大きいから、どういう方向にお話が進んでくのか分からない。

――脚本・演出の川尻恵太さんとの相性の良さを感じる作品でもあるなと思いました。

天羽:前作、前々作の映像を拝見して、僕、オープニングがすごく好きだなと思いました!超かっこいいですよね。でも何と言うか・・・結構、クレイジーですよね。(笑)

田中:ははは(笑)!

天羽:いきなり歌が始まったり、アニメと同じように突然感動的なシーンが始まったり・・・。今回は「爪」という超キャラの濃い集団との対峙になるから、すごい世界が形成されるんだろうな。それを自分が体現できるのかなと思うと、またドキドキが・・・。

田中:今回が内容的に一番ぶっ飛びそうだよね。川尻さんテイストが炸裂しそう。

――田中さんは、これまでにも川尻さんとご一緒されていますが、どんなタイプの演出家さんですか?

田中:とにかく優しいおじさんです。たまに、マスコットキャラみたいに見えてくる(笑)。

天羽:へぇ~。

田中:じりさん自身が面白い方なので、稽古中に率先してふざけたりします(笑)。だから、とっても親しみやすくて。僕も、最初にお会いした頃は21歳ぐらいの時だったんですけど、すんなりとお話できていた気がします。でも、やっぱりどこか不思議な人なので、だからあんなにいろんなタイプのコメディを作れるんだなあと思います。

田中涼星はすでに「ワル」に染まりかけていた

――川尻さんの作品は、笑いと闇が同居していることがあるので、今回どうなるか・・・(笑)。お二人の役は「爪」という組織の幹部で、いわゆる悪役になりますね。

田中:悪役って、単純に演じるのが楽しいんですよね。あんまり普段演じない役柄ではあるんですが、過去にやった時「一言で“悪役”と言っても、いろんな幅の“悪い”見せ方があるんだなあ」と感じて、すごく勉強になりました。今回、ビジュアルからしても結構ストレートな悪役だと思うんですけど、主人公たちの前に、面白く立ちはだかりたいですね。このビジュアルになったら、より気持ちが入りそう。

天羽:ビジュアルが完成した時、どう思った?

田中:「うわっ!怖っ!」が第一声(笑)。でも不思議と、姿かたちがこうなると、すべてがちょっと悪くなってくるんですよ。座り方とかも、こう、仰け反ったりとか(ずるずると椅子に沈み込んでいく田中さん)。これがしっくり来るようになるの。

天羽:もしかして「良い田中涼星」には、もう会えないかもしれない?

田中:そう。今は「ワルい田中涼星」だから。どんどんワルくなっちゃうから(笑)。

――(笑)お二人は初共演ということですが、いいコンビになりそうですね(取材日が初対面でした)。

天羽:一方的にお芝居を拝見していたのですが、今回、お会いして同い年ということが分かって、意気投合しました。

田中:そうそう!「爪」だと、神里優希も同い年なんだよね。

天羽:皆さんも良くご存知だと思いますが、田中さんってめちゃめちゃスタイルがいいじゃないですか。まずそれに圧倒されてしまうんですけど、すごく優しい役作りをなさいますよね?キャラクターへの愛をすごく感じていました。だから、ご本人もきっと優しい人なんだろうなと思って、お会いできるのをすごく楽しみにしていたんです。

田中:ありがとうございます!

天羽:でも、お会いした時はもう悪に染まりかけていた・・・。

田中:こうやってね(再び椅子にワルく沈んでいく田中さん)。いやいや、まだだよ(笑)。でも、「仲間」として同い年っていうのは、なんか安心感がありますよね。

天羽:そうだね、ちょっとしたことでも共通項がすぐに見つかるし。

田中:天羽くんは、多才だよね。

天羽:いやいやいや~!そんなことありまへんがな!

田中:いやいやいや!わざとらしいがな!

天羽:もう、芝居しかできまへんがな。

田中:それが一番ですやん!・・・こんな感じでね(笑)。「爪」のメンバー同士、絡むシーンとかあるのかな?早く一緒にお芝居をしてみたいです。

「悪」もその人たちにとっては「正義」なわけだから

――それぞれ、個性的な現時点ではどんなアプローチを考えていますか?

天羽:魔津尾って、原作ではあんまり過去とかが詳しく描かれていないんですけど、絶対、単純なキャラクターじゃないと思うんですよね。ミステリアスで、そんなに本音を前に出すようなタイプじゃない。だから、女性的な言葉や、個性的なファッション、悪霊への名付けから垣間見える愛とか、拾える情報から、彼の生き様をリスペクトした上での役作りをしたいなと思っています。

今回は自分が戦うんじゃなくて、悪霊に戦ってもらうっていう存在なので、僕は普段わーっとすぐ動いちゃうんですけど、それを少し潜めて、繊細に、でも使役させるところの表現とかを、磨いていけたらいいなって思っています。

田中:僕は今回、誇山と嶽内の二役を演じるので、どうやるのかなと思っているところです。でも・・・きっと、どっちもすぐやられちゃうんですよ・・・。

天羽:(笑)!

田中:神里から「前作、誇山がすごく戦っていたよ!」と教えてもらったことがあって。「マジか!アクションがんばらないといけないな~」と思って、原作を読んでみたら・・・一瞬でやられて。次に獄内のバトルシーンも見てみたら、こちらも一瞬でバーン!とやられていて。あれ?ってなりました(笑)。

天羽:あれ、舞台で表現しようと思うとめっちゃ難しいよね?!

田中:そうなんですよ!

天羽:魔津尾も、めっちゃ強そうなんだけどやることなすこと全部うまくいかなくて、すぐやられちゃうから(笑)。どうしたもんか。

田中:力出せずに終わってしまうかもしれない(笑)。

天羽:ビジュアルのスタイリッシュさに負けない、存在感を出したいよね。「悪」の存在が大きければ大きいほど、モブたちが強くてかっこよく見えるから「悪」って、別に悪いことをしているから「悪」なんじゃなくて、その人の生き方を貫いていたら、たまたまその時代では「悪」だったってことだから。悪の組織として、ワルを貫こう!

田中:そうだね、「悪」もその人たちにとっては正義なわけだから。強くてかっこ悪い「爪」を見せたいね。

――初めて共演する方や、久しぶりにご一緒される方もいる座組みですが。

天羽:僕は、別作品で河原田巧也くんや、杉山真宏くんと一緒だったので、久しぶりに一緒にお芝居できるのが楽しみです。シーンとしては、なだぎ武さんと戦うことになると思うんですよね。それにすっごくドキドキしてます・・・。ビジュアル撮影の時に少しだけお会いできまして、その時はとっても和やかな雰囲気だったんですが、さっき神里さんから「舞台上でめちゃくちゃアドリブをぶち込んでくるよ」って言われて・・・。

田中:あはは(笑)。

天羽:怖いよ~。

田中:僕は、以前共演した時に松本岳くんとめちゃくちゃ仲良くなったので、またご一緒できるのが楽しみです。その時はストレートプレイだったので、2.5次元だとどんなお芝居でどういう見せ方をるんだろう?って気になっています。

天羽:馬場良馬さんとご一緒できるのも楽しみなんです。

田中:馬場さんは、すごいよ!

天羽:役作り、稽古場からどうなっていくんだろう。もともと(霊幻)新隆師匠がすごく好きだったんですけど、あの胡散臭さの中にたまに見え隠れするかっこよさ・・・ずるい!

田中:分かる~。あのギャップはズルいよね。

天羽:早く見たいなあ。

――ちなみに、『モブサイコ100』と言えば超能力の描き方がおもしろいのですが、ご自身にあったらいいなと思う能力いますか?

天羽:そうだなあ・・・。僕、ミュージカルが好きなんですけど、「僕が歌い出したらみんなも歌って踊ってくれる能力」が欲しいです。つらい時も、カラオケに行ってみんなで歌ったら解消される、あんな感じで。例えば、何か悲しくてつらいことがあった時に僕が「この~つらさを~♪」って歌いだしたら・・・。

田中:(察する田中さん)「この~つらさを~♪」

天羽:そうそう!その能力があったら、きっと大丈夫(笑)。どんな悲しみも喜びも、みんなでシェアできるから。

田中:確かにハッピーになる。それめちゃくちゃいいね!僕は、少し前に「1ヶ月先まで見通せる透視能力」がほしいって思っていたんですけど、今は「変身能力」がほしい・・・。「この部位は何%増量」みたいに、部位ごとに一瞬で身体を変化させられる能力。(原作を見ながら)この素晴らしい肉体を本番までに作らなければ・・・と思うと、今はそういう能力が一番ほしいなあ。

天羽:一つ、告白してもいい?僕、今日「田中涼星さんに会うんだ」と思ったから、7cmヒール履いてきたの(柔らかい身体で座りながら足を掲げて見せる天羽さん)。

田中:あっ、ほんとだ!めちゃめちゃ高いヒール!

天羽:でも、全然足りなかった・・・(笑)。満員電車で立ってる時とか、頭一つみんなより飛び出てたりする?

田中:出る出る。同じぐらいの身長の人がいると、目が合うよ(笑)。

天羽:(笑)。すごいなあ、一度でいいからそういう視界を味わってみたい。

田中:変身能力、手に入れたら味わえるよ!

皆さんの「待望」を背負って形に

――お二人が、舞台上でどんな「爪」を見せてくれるのか楽しみにしています。

田中:僕は初参加ですが、舞台シリーズとしては第3弾。発表された時も、ファンの皆様が待ちわびていて、すごく大切にしている作品なんだなと伝わってきました。自分が演じる二役も楽しんでもらえるよう、作り上げていきたいです。そして単純に、楽しく心が動く作品をお届けできればと思っています。やっぱり、こういうご時世なので。この作品が、少しでも皆さんの中で何かの原動力になれば嬉しいので、がんばりたいと思います。楽しみにしていてください。

天羽:僕は、これが1年半ぶりぐらいの舞台出演になるんです。小さい頃から舞台に立たせていただいてきたんですが、1年半も舞台に立てなかったのは人生初めてで。だから、このお話いただいて、やれると発表できた時は本当に嬉しかったんです。舞台『モブサイコ100』シリーズも、3年空いていますから、ファンの皆さんにとっては待望の公演だと思います。その期待を上回れるように、幸せな気持ちを持ち帰っていただけるように稽古に励みたいと思っています!

舞台『モブサイコ100』~激突!爪第7支部~ 公演情報

上演スケジュール

2021年8月6日(金)~8月15日(日) ヒューリックホール東京

スタッフ・キャスト

【原作】ONE「モブサイコ100」(小学館「マンガワン」連載)
【脚本・演出】川尻恵太(SUGARBOY)

【出演】
影山茂夫:伊藤節生
花沢輝気:河原田巧也 影山律:松本岳 エクボ:なだぎ武
鈴木将:永田聖一朗 桜威遊介:神里優希 誇山恵/嶽内:田中涼星
遺志黒:堀田勝 魔津尾:天羽尚吾
星野武史:中島拓人 朝日豪:杉山真宏 黒崎麗/無飼:加藤里保菜
霊幻新隆:馬場良馬
宮蛾輪:森公平 寺蛇/槌屋:坂本和基 邑機/霧藤:河野賢治
白鳥大地:匁山剛志 白鳥海斗:田代哲哉
爪構成員:伊藤智則 桜木大河

【チケット】プレミアムチケット:11,000円(税込)/一般:8,000円(税込)
ローチケ:https://l-tike.com/play/s-mobpsycho100/

【オフィシャル先行】
申込受付期間:~6月26日(土)23:59
【プレリク先行】
申込受付期間:6月27日(日)12:00~6月30日(水)23:59
【一般発売】
販売開始日時:7月10日(土)12:00~

【公式サイト】https://www.marv.jp/special/mob_stage/
【公式Twitter】@mobpsycho_stage
【公式Instagram】mob_stage

(C) ONE・小学館/舞台『モブサイコ100』製作委員会2021


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2021年6月26日(土)~7月10日(土)まで

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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