舞台『ドクター・ブルー』開幕!内博貴らが挑む”今だからこそ”の医療ヒューマンドラマ

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2021年1月23日(土)に舞台『ドクター・ブルー』~いのちの距離~が、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて開幕した。初日前日に舞台挨拶と公開ゲネプロが行われ、内博貴、松下優也、室龍太(関西ジャニーズJr.)、吉倉あおい、黒田こらん、喜多乃愛、麻実れい、天宮良、高島礼子が登壇。なお、公開稽古では、医療ケースワーカー医局長・立花雄輔役で出演予定のヒデ(ペナルティ)の代役を石井智也が務めた。

本作は、突如として猛威を振るい始めた未知の感染症に挑む感染医や若き医師(=「ドクター・ブルー」)、様々な立場の医療従事者の日々の葛藤や奮闘ぶりを中心に、感染症に罹患した人々、そして彼らを取り巻く家族や市井の人々の姿を描くと共に、いのちの大切さ、感染症予防に対する新たな生活様式、これまでの平穏の生活を取り戻すための希望を模索する様子をシミュレーションし、医学博士の北村義浩氏による医療監修のもと書き下ろされた医療ヒューマンドラマとなっている。

舞台挨拶の前には、本作テーマ曲である松任谷由実の「ノートルダム」が流れる中、コロナ禍でひっ迫する医療機関で従事する関係者へ向けた、出演者一同からの感謝と応援の想いを込めたメッセージ動画を上映。続いて、感染症をテーマとした作品ということで、万全の対策としてマスクをした出演者たちによる舞台挨拶が行われた。

https://www.youtube.com/watch?v=Z8oN5LlbhSI

感染症のスペシャリストとして常に冷静な判断をする主人公の感染医・北里正秀役の内は「稽古中も心のどこかで、もしかしたら中止になるんじゃないかという不安はありましたが、無事に初日を迎えられて、ホッとしております。カンパニー、スタッフ一丸となって最後までしっかりとやり遂げられるように頑張ります」と挨拶。

外科医・水木一真役の松下は「感染症の話ではありますが、外科医ということで、みんなとはまた違った立場からの葛藤などがあります」と自身の役の見どころをアピール。

外科研修医・原賢一郎役の室は「本番を迎えられるのは、医療従事者の方々が日々戦ってくださっているからだと思っています。そういった気持ちを大切に、今後も感染予防対策に気をつけて頑張っていきたいです」と意気込みを披露。

内科研修医・北村今日子役の吉倉は「この状況下の中で、こういった感染症のお話を上演することにすごく葛藤がありました。ですけど、役を演じる上でお医者さんのことを理解する中で、やっぱり一生懸命伝えたいと思ったので、この機会に今起こっていることを一部でもいいので皆さんに知っていただけるように頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

看護師長・櫻井慶子役の黒田は「私の役には、病院の中で感染してしまうことで、見ていただく方の胸を締め付けるような衝撃的なシーンもありますが、そういった舞台でしか表現できないところをたくさんの方に現実を受け止めて見ていただきたいです」と呼びかけた。

看護師長の娘・櫻井良美役の喜多は「このような世の中になってしまって、いろんな分野でいろんな苦しい経験をされている方がたくさんいらっしゃると思います。医療従事者の方も頑張ってくれているというのは分かっていても、本当のつらさを理解することは難しいので、それをこの舞台によって誹謗中傷やつらい現実を知ってもらい、支えあっていけたら、それはすごく嬉しいことだと思います」と思いを明かした。

声楽家のナンシー濱本役で出演する麻実は「今はこの恐ろしい状況が、はやく収束できるよう願って、大千秋楽までがんばりたいと思います」と意気込むと、歌唱シーンについて「すごいプレッシャーでしたけれど、音楽の先生がしっかりと教えてくださったので、なんとか世間並みの歌手ぐらいにはなれたかな、まだ及ばないかなというぐらいです」とはにかんだ。

市長・黒咲優役の天宮は「明確な指示を出さない国と、それから市民と医療従事者の方たちとの狭間にいる役柄で、自分にできることはなんなのか苦悩しながら、友人である医院長の手も借りてなんとか市民を守っていきたいという強い思いで葛藤する市長を演じたいと思っております。この市長を誠実に演じることが今頑張っていらっしゃる実際の方々や医療従事者の方たちに送るメッセージになれたらと思っています」と思いを打ち明けた。

病院院長・雲母輝子役の高島は「今、まさに命がけでがんばってくださっている医療従事者の皆様、感染をして戦っている皆様、そして感染しないように不自由な生活を強いられている国民の皆様に、少しでも何らかなのメッセージが伝えられたらと思っています。そして、この非常事態宣言の中、一人でもこの劇場に足を運んでくださる貴重な方々のために一生懸命演じていきたいと思っています」と意気込みを語った。

本作を通して、医療従事者の方々の苦労などについて改めて感じたことを質問されると、内は「感染症医の方々のお仕事や、普段は滅多に表にでないというのも初めて知りました。でも、今はこの世の中を助けてくれている方々だし、そんないろんな分からなかったというのが、勉強になりました」と答えると、室は「稽古中も監修の北村先生に医療器具の名前や使い方とか、何から何まで教わっていたので、ちょっとは賢くなれたかなと思います(笑)」と笑顔を見せた。

さらに出演者たちが実施している感染予防対策について、内は「家に帰ると、玄関でまず全裸になって、着てた服を洗濯機に入れて回して、裸の状態でお風呂を沸かして待っています」と明かして周りを驚かせると、松下は「鼻うがいをずっと前からやっています。それと手洗いとアルコール消毒で手がガサガサになるのでハンドクリームを使うようになりました、とりあえず高いものをと思ってブランドのものを買ったので、いい成分が入っているはずです(笑)」と答え笑いを誘った。

最後に、内は「中止になるという最悪の想定もしていたので、やれることになったからには、あとは我々が一丸となってやるだけです。稽古もしっかりしてきましたので、この姿を皆さんにお届けすることが、これからの我々の役目だと思っています」と会見を締めた。

作品の上演を通じて、感染症と闘う医療従事者や感染症に罹患した人々、そしてその家族の皆様にエールを贈るとともに、現代の日本に生きるすべての人々が未来に向けて生きる解決策を問いかける本作。医療監修によるリアリティーを持つ緊迫した医療ドラマと、胸を打つヒューマンドラマが繰りなし、多くの立場の人々の思いを改めて感じ取ることができる、今だからこその舞台となっている。

舞台『ドクター・ブルー』~いのちの距離~は、以下の日程で上演。

【横浜公演】2021年1月23日(土)~2月7日(日) KAAT神奈川芸術劇場 ホール
【名古屋公演】2021年2月13日(土)、2月14日(日) 御園座
【大阪公演】2021年2月26日(金)~2月28日(日) NHK大阪ホール

【公式サイト】https://doctor-blue.jp/

(取材・文・会見写真撮影/櫻井宏充)
(舞台写真/舞台「ドクター・ブルー」公演実行委員会)

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この記事を書いた人

演劇、海外ドラマ、映画、音楽などをマルチに扱うエンタメライター。エンタステージ立ち上げからライターとして参加し、小劇場から大劇場のストレートプレイにミュージカル、2.5次元、海外戯曲など幅広いジャンルにおいて演劇作品の魅力を日々お伝えしています!

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