2020年10月に東京・よみうり大手町ホールでシライケイタの代表作『birth』が上演されることが発表され、梅津瑞樹、前山剛久、杉江大志、玉城裕規、後藤大、佐藤祐吾、陳内将、北園涼、章平が出演することが分かった。
シライが代表を務める劇団温泉ドラゴンで足掛け五年に渡って上演し、2015年に韓国の密陽演劇祭で戯曲賞を受賞するなど、国内外から高い評価を得た本作。第24回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞の千葉哲也が演出を手掛け、出演キャストがダブルキャストもしくはトリプルキャストで物語を紡いでいく。
詐欺の片棒を担ぐことになってしまった男、ダイゴ役は梅津と前山が務め、刑務所を出所し「商売」でひと稼ぎしようと画策する気の荒い男・ユウジ役を杉江と玉城が、ダイゴの友人であり、ある思いを抱える男・マモル役を後藤と佐藤、裏社会の商売を助ける仕事をしている男・オザワ役を陳内将、北園涼、章平が演じるという。若手実力派俳優たちが集まり、
本作は、警察から取調べを受けているオザワがある事件について語り始めるところから物語が始まる。裏社会の商売を助ける仕事をしていたオザワの元に訪れたのは、刑務所を出所したばかりのユウジ。ユウジはある理由からかつての経験を活かし「商売」を始めると話します。必要な場所や道具を手に入れたユウジは昔の仲間であったダイゴと、ダイゴの友人であるマモル、そしてオザワと共に「商売」を始めることに。それぞれの事情を抱えた男たちの選んだ仕事、それは「オレオレ詐欺」だった・・・。真っ当ではない世界で生きる男たち。根底では愛を求めながらも闇を抱えて生きる4人の物語が描かれていく。
舞台『birth』は10月10(土)から10月21日(水)までよみうり大手町ホールで上演。チケットは、9月10日(木)19:00よりオフィシャル最速先行の受付がスタートする。
以下、シライケイタ、千葉哲也、キャスト陣のコメントを紹介。
◆シライケイタ(脚本)
劇団温泉ドラゴンの財産演目である『birth』が、千葉哲也先輩の手で蘇るという。出演は、今をときめく若手俳優陣。これは心底楽しみだ。この作品は温泉ドラゴンのメンバーが30代半ばに差し掛かった頃に初演された、いわば中年たちの魂の咆哮であった。今回は20代の出演者がメインになる。我々がやったものとは全く違う「birth」になることだろう。時を超えて作品が繋がっていくということはとても嬉しい。心より、上演を楽しみにしています。
◆千葉哲也(演出)
シライくんの劇団 温泉ドラゴンの舞台を以前観させて頂いたのですが、その時はこの作品を演出することになるとは思ってもみなかったので非常に光栄です。出演者の皆さんも、自分のまわりにいる方たちとはまた違う俳優さんなのでいい刺激を頂けたらと思っています。コロナ禍なのでどういう方向になるかというところもありますが、これからの演劇が更に続く形としての準備段階としても進行できたらと思います。
◆梅津瑞樹(ダイゴ役)
まさか千葉さんと再びご一緒させて頂けるとは思わず、身体の内側が沸騰するかの様です。
登場人物達はどこか何かが欠けていて、僕たちも大なり小なりこうなる可能性を秘めている、もしくは既にこうであるかと思うと身につまされます。
一見歪に見える生き方の中にも恐らく純朴な部分があって、観に来て頂いた方にそれに気付いて貰えたら、生きるのが下手な自分への救いにもなるような気がしています。
◆前山剛久(ダイゴ役)
今作は、親の存在というものがキーになっています。現在コロナ禍で、簡単に実家帰省も出来ず、親の有り難みを改めて実感している方も多いのではないでしょうか?
僕が演じるダイゴは明るさの中に離れ離れになった親への憧れを強く秘めている人物。
丁寧に役を作り上げ、キャスト・スタッフ協力し合い、観る人の気持ちを動かせる作品を目指します!
◆杉江大志(ユウジ役)
初めて台本を読んだ時は怒涛の展開にあたふたしているうちに読み終えていました。
各々にちぐはぐな葛藤があって、そのちぐはぐさが妙に人間らしいなと感じました。
ユウジという役は、大雑把に見えますが実は繊細な奴なんだと思います。
展開に負けない人間らしさを演じられるよう頑張ります。応援よろしくお願いします!
全てを知ったあともう一度観て欲しい作品です。
◆玉城裕規(ユウジ役)
『birth』に出演出来る事をとても嬉しく思います。
共演した事のある役者さん、初めましての役者さんが、この作品の中でどういうアプローチをしてくるのかも楽しみですし、男4人だけの会話の掛け合いにとてもワクワクしております。
そして何よりも皆様に劇場でお会い出来る事を心より幸せに思います。
素敵な時間を過ごせるよう、身体に気を付けて精一杯稽古に努めます。
◆後藤大(マモル役)
4人芝居ということでそれぞれの役との関係性が凄く密に、深く考えられます。
物語もキャラクターもとても魅力的で面白く愛おしい。そんな作品をずっとステージ上で没頭していられるのことがとても嬉しいし、楽しいです。まだ、若い男たちが知りたい、探したい色々な形の「愛」を劇場で一緒に探してみてください。よろしくお願いいたします。
◆佐藤祐吾(マモル役)
作品のテーマである「振り込め詐欺」は、僕が小学生の頃によくニュースに取り上げられていて、実は僕もその電話を受けた事があります。被害は受けなかったのですが、数十年たった今でも、電話の向こう側の人が一体誰なのか、どういう人で、どんな暮らしをしていたのか、ふと気になる事があります。他人事のようで、実は身近なお話かもしれません。是非、劇場へ足をお運びください。
◆陳内将(オザワ役)
birth。と聞いてすぐに誕生日を思い浮かべてから台本を読ませて頂きましたが、
いい意味でタイトルに納得し、タイトルから抱いたイメージを覆されました。
四人の男のそれぞれの屈折しているようで真っ直ぐな芯の部分を、演出の千葉さんと共に丁寧に構築していきたいと思います。観劇された方の心を刺す作品になること間違い無しです!
◆北園涼(オザワ役)
オザワ役の北園涼です。初めましての方々ばかりですが、観劇に行かせて頂いた時に目を惹かれていつかご一緒したいなと思う方々との共演に緊張とワクワクが押し寄せて来ています。この作品を通して今まで感じたことのない見たことない景色が観れるような気がしています。
景色が鮮やかにはっきりくっきり見えるよう、オザワと向き合いたいと思います。
是非劇場で「birth」の世界を共に感じましょう。
◆章平(オザワ役)
まず初めに、この時期に舞台に立つ機会を頂けたことに、ただただ感謝しかありません。
初めて読んだとき、登場人物全員の必死に生きる様が心に強く響きました。
自分とは身近ではない世界の深層に、誰もが抱える「人生」という大テーマを感じずにはいられませんでした。
4人の人生を通して、自分の人生と向き合うきっかけになればと思います。
【公式Twitter】@Birth_2020_10
(C)シライケイタ/birth製作委員会