配信は8月22日!「読奏劇」大平峻也『小泉八雲 著/雪女』収録レポート

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「Dream Stage(ドリームステージ)-読奏劇-」の第2弾が、8月22日(土)21:00より配信される。今回登場するのは、大平峻也。大平は、“真夏にぞっとする話”として『小泉八雲 著/雪女』を読む。

本企画には、有澤樟太郎、太田基裕、大平峻也、北村諒、崎山つばさ、佐藤流司、橋本祥平、牧島輝(50音順)が参加。出演する俳優が希望した“読みたいもののイメージ”に合わせて、国内外の名作から1作を選び、「朗読」を楽曲の「MV」のように仕立てる。

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「雪女」は、古くから日本各地に伝承が残る妖怪である。室町時代末期の連歌師・宗祇法師が残「宗祇諸国物語(そうぎしょこくものがたり)」巻五の中に、「化女苦朧夜雪」として記載があり、小泉八雲が書いた「雪女」の物語の元となっている。

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雪の中、現れる白装束の女。儚くも謎めいた美しさで人を惑わす不思議な存在は、子どもから少年少女、果ては女性役まで、ピュアさと危うさを併せ持って演じる力を持つ大平には、ぴったりの題材だ。

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大平の撮影は、真っ白なスタジオで行われた。2方の壁にそれぞれ映像を投影し、空間を雪景色に変貌させる。準備が進む現場に足を踏み入れた大平は、「わぁ~!すごい!!」と感嘆の声を上げた。

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監督を務める鎌田哲生は、中央に大平を立たせ、照明や刻々と変わる映像によって見え方の変わる表情を捉えようとしていた。また、カメラの前に透明な飾りをチラチラと映り込ませることで“玉響現象”を作り出す。照明や、大平の「影」を時に「共演者」のように仕立てるのも、映像ならではの見どころに。CGではなく、映像演出も極力、舞台と同じように“生”で行うというこだわりを感じた。

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気さくで、明るくスタッフ陣とコミュニケーションを取り、積極的に場に馴染んでいく大平だが、一度、カメラの前に立つとガラリと雰囲気が変わる。一言一言を噛み締め、「伝える」ための間を大切にしながら、物語の中に入り込んでいく。

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監督に「(・・・のところで)もうちょっと目線がほしいかも」と言われれば、絶妙なタイミングで眼差しをカメラに送る。ふと上げる視線の奥、大平の中から湧き上がるイメージが明かりに照らされギラリと光った。

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実はもう一つ、監督からオーダーが出た。雪女の台詞の一部を、「朗読ではなく、カメラに向かって演じてみてほしい」というオーダーだ。大平は急いで、台詞を頭の中に入れていく。この部分は「朗読」ではなく、カメラという「男」に向かって、大平自身が「雪女」となることが求められた。

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監督も大平も非常にこだわりを見せ、「こうかな?」「アクセントはここに?」「難しい~!!」と議論しながら、重ねられていくテイク。「こういうにやけた笑い方は、崎山つばささんとか、佐伯大地くんとかが得意ですね!」と仲のよい俳優たちからインスピレーション(?)を得ながら、大平は最良の形の表現を探っていく。

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「雪女」の物語は、“怖い話”として子どもの頃からなんとなく知っている人が多いのではないだろうか。そして、大人になって触れると、知っているはずの物語に、違う顔が見えてくる。大平という役者の姿を通すことで、“怖い話”の中に、一人の女の中に生まれた切ない恋心と裏切りへの恨みのようなものが浮かび上がる。冷たいのに、焦がれる心。物語の中に“温度”が生まれる瞬間だ。

撮影で「やりたいこと」をリスト化していた監督が、「全部やりきった」と告げると、「やった~!」と無邪気な笑顔を見せる大平の顔には、さっきまで見せていた、まとわりつくような情念はどこにも見当たらなかった。

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配信は、本編+スタジオトーク+本編振り返りという流れで行われる。スタジオには、大平も登場。生配信には、視聴者のコメント参加もできるので、大平と一緒に収録の模様を振り返ることができる。「僕、きっとしゃべりすぎちゃうかも」と言うほど、仕上がりを楽しみにしていた大平と、物語を味わったあとの時間をぜひ共有してみてほしい。

なお、先んじて映像を拝見したが、本作の配信はヘッドホンをしてご覧いただくことをおすすめしたい。真夏の夜、ひんやりと過ごすにぴったりの「読奏劇」だ。

◆『Dream Stage -読奏劇-』

【#2】8月22日(土)21:00~
大平峻也
朗読「小泉八雲 著/雪女」
https://ima-ticket.com/event/118

【#3】8月29日(土)21:00~
崎山つばさ
朗読「太宰治 著/走れメロス」
https://ima-ticket.com/event/119

【#4】9月5日(⼟)21:00~
橋本祥平
朗読「ヴィルヌーヴ 著/美女と野獣(原題:ラ・ベルとラ・ベート『美し姫と怪獣』)」
https://ima-ticket.com/event/120

【#1】アーカイブ配信中!11月30日(月)まで
太田基裕
朗読「シャルル・ペロー 著/眠れる森の美女(原題:眠る森のお姫さま)」
https://ima-ticket.com/event/117

※以降順次出演者・配信⽇・朗読作品を発表予定!

【公式Twitter】@dreamline_inc
【公式サイト】https://dreamline.link/dream_stage
【チケット】イマチケ https://ima-ticket.com/dreamstage

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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