講談社とOffice ENDLESSの共同プロジェクト「ひとりしばい」の第4弾が、2020年7月26日(日)に配信された。今回舞台にひとり立つのは、橋本祥平。劇団柿喰う客の中屋敷法仁とタッグを組み、『いまさらキスシーン』に挑んだ。本番前に行われた公開ゲネプロ(オンライン)より、その一部をレポートする。
『ひとりしばい』では、稽古・配信ではオンラインミーティングアプリ「Zoom」、観劇は配信課金システム「ファン⇄キャス」、会場は池袋に3月に誕生した新LIVEエンターテインメント複合施設ビル「Mixalive TOKYO」(ミクサライブ東京)内の「Hall Mixa」を使用して行われる。
本作は、2008年に初演されてから、繰り返し上演されてきた爆走系青春喜悲劇。東大を目指すエリート女子高生、三御堂島ひよりが、背筋をぴんと伸ばし、脇をぎゅっとしめて、あらゆるものに心を奪われながら国道4号線をひた走る!
配信が始まると、そこには女子高校生の制服に身を包んだ橋本の姿が。そして、マシンガンのように繰り出される台詞に次ぐ台詞!公演時間は約35分と短めだが、体感時間は2倍以上!まさかのラップ!橋本の放つ圧倒的な熱量に、映像ならではのテロップ演出が重なる、配信ならではの“ひとりしばい”が生まれた。
役者の魅力をまるごと板の上に乗せることにすべてをかける中屋敷に、全力で応える橋本の姿は、“生”そのもの。汗だくで、髪を振り乱し、印象的な猫目をカッと見開き、どくどくと血管を流れる血液の音さえ聞こえてきそうなほど、画面から溢れ出んばかりの情熱をこちらにぶつけてくる。と、同時に、橋本という俳優が持つ魂の強さを見せつけられた。
この感情がつるんと逃げないうちに、劇場でまたこの熱量を感じられる日がくることを願わずにはいられなくなった。
終演後、「穴という穴から全部水分が出ました~。でも、最高に濃い30分を過ごさせていただいました。いや~、終わった~!終わったなあ~!!」と脱力した振り橋本。演出の中屋敷を迎えて行ったアフタートークでは、中屋敷に「観ながら、途中で倒れちゃうんじゃないかなと(笑)。稽古中も止めないといけないかなと思ったけれど、祥平くんはそれを超えてくるからね」とその健闘ぶりを讃えられた。
橋本にとっては、これが初めての一人芝居への挑戦。中屋敷から、この戯曲を提示された際は「こういうのやりたかったんです!って思ったんです。久しぶりに板の上でできるお芝居だったので、自粛期間中に積もった芝居欲を、良くというか、ここで全部出したくて」と心躍らせた様子を語った。
「僕が演出しているのに、僕が追い込まれている感じがした。稽古通りなんだけど、稽古を超える瞬間がいくつもあった」と言う中屋敷は、「素敵な姿やかわいい姿だけじゃなくて、無様な姿を美しく演じられるのは、祥平くんならではだなと。祥平くんのすべてを出し切ろうと思ったんだけど、終わった今、新しいアイデアが生まれた気がする」と、橋本の姿から相当刺激を受けた様子。
そして、橋本は「やって良かったなと思いますし、やしきさんにいろんなものを引き出してもらいました。でも、いかんせん孤独でした(笑)!これができたんだから、怖いものはないなと思ってしまいました。なかなかお芝居を皆様の目の前でお届けするのが難しい状況ですが、僕はこれからもお芝居で新しい一面をお見せできたらいいなと思っていますので、またその時は、ぜひ皆様の目に次の僕を焼きつけてくださったら嬉しいです」と、確かな手応えを胸に、しっかりと未来を見据えた。
ラストは、「本日はご観劇いただき誠にありがとうございました!」と、生声で挨拶。最後の最後まで、橋本の並々ならぬ気迫を感じる“ひとりしばい”だった。
次回、『ひとりしばい』第5弾は8月1日(土)18:00からを予定。出演者・演出家・脚本家の組み合わせは、糸川耀士郎と松崎史也とほさかよう。チケットは3,000円。
第4弾 橋本祥平 アーカイブ配信、舞台写真販売
チケット販売開始:7月26日(日)21:00
【視聴期間】7月28日(火)12:00~8月4日(火)23:59
【視聴URL】https://www.ticketpay.jp/booking/?event_id=28728
<舞台写真販売>
【価格】3枚組 A/B セット:各600円
【販売開始】7月31日(金)12:00~
Office ENDLESSのオンラインショップ:https://officeendlessshop.stores.jp/
公演詳細
ひとりしばい vol.4 橋本祥平
【公演日程】7月26日(日)18:00~
【出演】橋本祥平
【作・演出】中屋敷法仁
ひとりしばい vol.5 糸川耀士郎
【公演日程】8月1日(土)18:00
【出演】糸川耀士郎
【演出】松崎史也
【作】ほさかよう
【公式サイト】http://officeendless.com/sp/hitorishibai/
【公式Twitter】@hitoshiba2020
(C)舞台「ひとりしばい」製作委員会
(取材・文/エンタステージ編集部 1号、写真/オフィシャル提供)