2021年2月に東京・日生劇場でミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』が上演されることが発表された。今回の公演には市村正親、鳳蘭、凰稀かなめ、唯月ふうか、屋比久知奈、上口耕平、植原卓也、神田恭兵、ブラザートムらが出演することも決定している。
結婚に必要なのは「愛」なのか「金」なのか?政治的思想と、理想の家庭は両立するものなのだろうか?宗教の違いを超えて、人は幸せになれるのだろうか?親の信念を子供たちに押し付けることは良いことなのか?など、激変する世界情勢の中、いつの時代でも、どの国でも通じる今日的なテーマを、軽妙なセリフ回しと軽快な音楽、ダンスシーンを描く本作。
1964年ブロードウェイで初演され、トニー賞ミュージカル部門の最優秀作品賞、脚本賞、作曲賞など7つもの賞を獲得。ブロードウェイでの上演は72年まで8年間も続き、3242回という、当時としては記録的なロングランを達成。1967年に日本初演され、2004年からは“21世紀版”『屋根の上のヴァイオリン弾き』と銘打ち、市村正親がテヴィエを務めてきた。
2021年2月上演版では市村が6回目となるテヴィエを演じ、鳳蘭、凰稀かなめ、唯月ふうか、屋比久知奈、上口耕平、植原卓也、神田恭兵、ブラザートムの他、真島茂樹、石鍋多加史、青山達三、廣田高志、荒井洸子、祖父江進、かとりしんいち、山本真裕、品川政治、日比野啓一、北川理恵、園山晴子、板垣辰治、大森輝順、佐々木誠、附田政信、楢原じゅんや、佐野隼平、尾関晃輔、酒井銀丈、清水錬、鈴木結加里、内田このみ、真記子、真田慶子、飯塚杏実、松本弥恵、渡辺京花の出演も決まっている。
【あらすじ】
1905年―帝政ロシアの時代、アナテフカという寒村で酪農業を営むお人好しで働き者のテヴィエ(市村正親)は、信心深くて、楽天家で、25年連れ添っている妻のゴールデ(鳳 蘭)には頭が上がらないが、5人の娘たちを可愛がり、貧しいながらも幸せな日々を送っていた。
長女のツァイテル(凰稀かなめ)、次女のホーデル(唯月ふうか)、三女のチャヴァ(屋比久知奈)、年頃の娘たちの今の最大の関心事は、自分たちの結婚について。今日もイエンテ(荒井洸子)が、ツァイテルに縁談を持ってきている。娘たちは気もそぞろ。娘たちにとっても、姉さんが早く結婚を決めてくれないと、自分たちに順番が回ってこないからだ。だが一方、ユダヤの厳格な戒律と“しきたり”に倣い、両親の祝福が無ければ結婚は許されない。
そんなある日、金持ちで肉屋のラザール(ブラザートム)からツァイテルを後妻に迎えたいと申し出を受けたテヴィエは、酔った勢いでついつい結婚に同意してしまう。長女の結婚相手が見つかったことで妻のゴールデも大いに喜んだが、当のツァイテル本人には仕立屋のモーテル(上口耕平)という相思相愛の存在があった。ツァイテルとモーテルの熱意に心を動かされたテヴィエは、ついに若い二人の結婚に同意する。が、結婚の許しを同時に二つも出してしまったテヴィエ、ゴールデやラザールに何と切り出せば良いのやら…。
さらには、次女ホーデルは革命を志す学生のパーチック(植原卓也)を追ってシベリアへ旅立ち、三女のチャヴァはロシア人学生のフョートカ(神田恭兵)と結婚したいと言い出し駆け落ち同然で家を飛び出す始末。そしてテヴィエ一家にも、革命の足音と共に、故郷を追われる日が刻々と迫っていたのだ――。