“透明”な欅坂46・菅井友香が新たな一面を見せる!舞台『飛龍伝2020』稽古場レポート

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2020年1月30日(木)から東京・新国立劇場 中劇場で舞台『飛龍伝2020』が上演される(1月29日[水]にプレビュー公演)。「ニッポン放送開局65周年つかこうへい演劇祭‐没後10年に祈る‐」として、つかの代表作が上演される演劇祭の第1弾となる本公演。このたび稽古場が公開され、囲み会見に登壇した演出の岡村俊一、菅井友香、石田明、味方良介、細貝圭、小柳心、小澤亮太が主演を務める菅井の“座長”っぷりや稽古の裏話などを語った。

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本作では、全共闘40万を率いる女委員長の美智子を中心に、学生運動真っ只中の学生たちと学生運動を弾圧する機動隊員の愛と葛藤が描かれていく。この日公開された稽古では、序盤からいきなり大きな掛け声とともに出演者が稽古場に駆け込み、主人公・神林美智子役を演じる菅井を中心に激しい格闘シーンを展開した。

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四国・高松から夢と希望を持って上京してきたはずの美智子が全共闘の女委員長として味わう苦しみや悲しみを独白、終盤は迫力あるダンスや歌のシーンでは、菅井が羽交い締めにされたり、味方が演じる全共闘作戦参謀の桂木純一郎に背後から激しく抱きしめられるなど、これまでのイメージが一変するシーンが盛りだくさんだった。

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公開稽古が終わると、演出を手掛ける岡村と主要キャスト陣が囲み会見に登場。岡村は「神林美智子役に菅井を起用した理由を皆さんに聞かれるので先に言ってしまいます。稽古を通じて感じたのですが、純粋な人を表現するのに真っ白いキャンバスという表現をよく使うけれど、菅井は全く色がない透き通るような透明なんです。僕は演劇を30年以上やっていますが、初めて出会った逸材だと思っています。それをまわりの汚れたやつらが、盛り立てていきますのでよろしくお願いします」と語ると、石田が「ちょっと!汚れたやつらってどういうこと?」とツッコミを入れ、笑いを誘った。

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意気込みを聞かれた菅井は「偉大な歴史ある名作で、神林美智子を演じさせていただけることをうれしく思います。稽古を重ねるにつれて新しい感情とたくさん出会っていますので、飛龍伝という作品を通して、皆さんに何かを感じていただけるように全身全霊で務めさせていただきます」と力強く語った。

また普段は女性ばかりの中にいる菅井だが、紅一点で臨む今回の公演に関して「中・高・大とずっと女子校だったし、欅坂に入っても女の子だらけなので、新鮮です。最初はすごく緊張しましたし、お稽古場での皆さんの声量や汗に動揺したところもありましたが、今はそれが落ち着く空間になりつつあります。皆さんが優しくいろいろなことを教えてくださるのでたくさん吸収したいなと思います」とニッコリ笑った。

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そんな菅井の印象を聞かれた石田は「誰も言ったことがない表現だと思いますが、本当に“透明”なんです」と岡村の言葉をそのまま引用し、自らを本公演のムードメーカーと言っているだけあって、お約束どおり会場を笑いの渦に巻き込んだ。そして改めて「田舎から出てきたばっかりの神林美智子そのままやなという印象です。本当にきれいなままよくここに来てくれたという感じです。最初は菅井さんが照れているのが分かるから、こっちも恥ずかしかったですよ」と語る。

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味方も「稽古は裏切らないということを体現してくれた人だと思います。稽古2週間を経た時に人が変わったようになった瞬間があって、この子が頭にいればこの作品、勝てるなと思わせてくれる力強い女性に進化しました」と太鼓判を押した。

格闘シーンも多く、「稽古が大変なのでは?」と問われた菅井は「歌、ダンス、格闘といろいろなものがつまっていて、お稽古は大変なところがあるんですが、欅坂の活動の中で経験してきた歌やダンス、欅ならではの力強いダンスが飛龍伝に生きている部分があるので、この舞台で出し切りたいと思っています」と力強く語った。

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そんな菅井に対し石田が「すごい頑張るんですよ。弱音も吐かへんし。日々進化がえげつなすぎて焦っています(笑)。1個ヒントを得たらバコーンって先に行くから、みんなで一緒に行こうよって・・・。稽古じゃなくて『お稽古』と言う人が、あんなに激しい稽古をするのかとギャップがすごい」と語れば、味方は「稽古の序盤のほうは男性陣が引っ張っていこうという気持ちだったんですが、今は先にいっちゃうので、僕らがつかみに行くのが大変です」と笑った。

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つか作品の大変さについて問われると、劇中で複数の役をこなす小澤は「僕はコロコロ変わる役なので、役が変わる瞬間が一番難しいと思っています」と即答。また、細貝が「つかさんの作品はセットもなく、肉体と声でお客さんにすべてを届けなければいけないので、体力勝負の舞台です。毎日全員でアップをやって体力作りをしていますし、ちゃんとした体力がないと乗り越えられないのでそこが大変です」と明かし、小柳は「体力はもちろんですけれど、一番大変なのは、つかこうへい作品の中にある大嫌いと言いながら愛してると伝えるという奥ゆかしさをしっかり読み取っていくことが楽しいところでもあり、大変なところでもあります」と大変ながらも楽しんでいる様子だ。

出演者同士が和気あいあいと仲がいいのも印象的で、「基本的にすぐに貢ぐタイプ」だという石田は「味方の自宅リビングにあるものは、ほとんど俺が買ったもの」と意外な事実を明かした。そして、かつて『熱海殺人事件 LAST GENERATION 46』で共演した今泉佑唯に誕生日プレゼントとしてリクエストされた腕時計を購入したもののなかなか取りに来てもらえていないらしく、今泉に対して「一刻も早く取りに来てください!嫁に不倫をしていると疑われる」と”クレーム“を言う一幕も。「石田にプレゼントをしてもらえるのでは?」と問われた菅井は「馬を買ってください」とねだり、笑いが巻き起こった。

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最後に菅井が「飛龍伝2020は、つかさんの作品を愛してきてくださった皆さんや、知らなかった人たちすべての方に伝えたいことがたくさんつまった作品です。全身全霊で挑みますので、ぜひ観にいらしてください」と力強く公演をアピールして締めくくった。

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舞台『飛龍伝2020』は下記の日程で上演される。上演時間は約1時間30分を予定。

◆公演情報
ニッポン放送開局65周年つかこうへい演劇祭 -没後10年に祈る-『飛龍伝2020』
【東京公演】2020年1月30日(木)~2月12日(水) 新国立劇場 中劇場※1月29日(水)にプレビュー公演
【大阪公演】2020年2月22日(土)~2月24日(月・祝) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

【作】つかこうへい
【演出】岡村俊一

【出演】
菅井友香(欅坂46)
石田明/味方良介/細貝圭/小柳心/久保田創/小澤亮太/
須藤公一/大石敦士/吉田智則ほか

【公式サイト】http://www.rup.co.jp/hiryuden2020.html

(取材、文、撮影:咲田真菜)

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