戦える、最強の劇団Patch!『カーニバル!×13』松井勇歩&近藤頌利ビジュアル撮影レポート

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2019年10月末から11月にかけて、東京と大阪でPatch stage vol.13『カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル! カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!』(略称:カーニバル!×13)が上演される。日替わりゲストを含め、劇団Patch全員が久しぶりに揃う。気合の入るビジュアル撮影現場で松井勇歩と近藤頌利に話を聞いた。二人の顔には、劇団内外で積み重ねてきた経験が、自信となって浮かんでいた。これは、祭りの予感だ。

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今回は、劇団Patchと初タッグを組むのは、舞台プロデュース「バンタムクラスステージ」代表の細川博司。細川は、月の牢獄を舞台に、歴史を揺るがした「罪人」たちが“デスマッチ”を繰り広げるというチャンバラエンターテインメントを彼らに書き下ろした。

近藤がチンギス・ハーン役となっているほか、ビリー・ザ・キッド(吉本考志)、武蔵坊弁慶(藤戸佑飛)、ドク・ホリデイ(尾形大吾)、斉天大聖 孫悟空(井上拓哉)、諸葛亮孔明(竹下健人)、岡田以蔵(星璃)、ブルータス(日替わり出演:中山義紘・三好大貴・納谷健)と、国も時代も、実在するかしないかも不問のオールスターたちが集結。

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そこに、記憶を無くした男が一人。この男・・・無銘(むめい)を演じるのが、松井だ。松井演じる無銘は、最後まで立っていた者だけが抜け出すことができるという荒野で、無垢な少年ウラ(田中亨)と出会う。なぜ、罪なき少年がこんなところに・・・?ウラと無銘は、終わりなき戦いから抜け出すため、脱獄を試みる。ただし、抜け出すことができるのは一人だけ!彼らの運命やいかに――。

松井と近藤は、口を揃えて「きっと、今までにお見せしたことのないタイプの役だと思う」と語った。作品作りに備えて、事前に細川と話す機会を設けていたという松井。「個人的に、祭り感があるドエンタメ!をやりたいとお伝えしていたんです。細川さんがそれを汲み取って形にしてくださいました。最初の数ページを読んだだけで、やりたかったことが詰まってる!って感じです」と教えてくれた。あとは、そこに「どれだけ僕たちらしさを乗せられるか」。

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撮影現場で初めて提示された衣裳は、豪華絢爛。役ごとに細部まで作り込まれているのを見て、メンバーたちは「すごい、すごい」と声を上げていた。松井が演じる無銘は、平安貴族のような優美さがある。「こんなん、人生初です。緊張しますね・・・!」と言いながらもテンション上がる松井に、「テーマは気品。美しさを出して」「歌舞伎俳優みたいな感じでいこう」とディレクターから声がかけられる。その言葉に導かれる松井の姿は・・・確かに、見たことがない。

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松井といえば、どちらかというと少年漫画の主人公的な元気印の役を演じることが多かったと思うが、劇団内でも引っ張る立場になった松井が内包する、大人の男の色気が引き出されていく。「いいね!」が連発され、あっという間に撮影は終了。仕上がりを見ながらスタッフたちが絶賛していると、「そのカット、ブロマイドにしてください!」を自ら自己申告して、周囲を笑わせていた。

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続いて、近藤はきらびやか、かつ、威厳のある姿に。ハーンは、荒野の王を自称し、出獄するためだけでなく、王になるため罪人を率いて戦う人物として描かれる。撮影前「どうすればいい?どうすればいい?」と無邪気に聞いて回っていた近藤だが、テーマは「目力」と伝えられるとその雰囲気は一転。荒々しさと野望を感じる視線が、カメラに向けられる。さらに「見下す感じで」と指示が飛ぶと、眼差しの温度が一気に変わった。近藤は、イメージを掴み取る勘がいい。この姿で、生き生きと動き出す時が待ち遠しくなった。

ちなみに、今回の役は細川から見たパッチメンバーの印象を、役に反映させているという。細川の目にPatchメンバーはどう映ったのか。作品に影響を与えているのか。新たな出会いから、個々の新たな部分が引き出されていく。演劇における、一期一会の醍醐味である。

また、本作では劇団4期生の田中享が、作品の中核を担う。松井曰く、田中は「人と違うものを持っている・・・そんな感じのするメンバーです。ちょっと闇属性に見える面もあり、光属性の面もあり。ポーカーフェイスなんですけど、持っている引き出しは多いんじゃないかな」。松井は、後輩の成長に期待を寄せ、「今回、座組を背負うということを、いい経験と感じてもらえたらと思っています。役として一緒にいることも多いと思うので、僕も伝えられることはしっかり伝えていきたいです」と語っていた。

今回の公演では、日替わりゲストを含めると、現劇団メンバー12名が全員揃う。ドラマや、外部舞台で彼らの名前を見ることもぐっと増えた。中でも、近藤が劇団公演に出演するのは、2018年3月に上演された平成29年度演劇鑑賞会 劇団Patch特別公演『大阪ドンキホーテ ~スーパースター Patch ver.~』以来。

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外部で経験を積んだ今、近藤の言葉は「若手が揃う舞台と、劇団公演としてしっかりと戦いたいという思いがあります。僕らが取り組む舞台は原作もないですし、規模も全然違いますが、若手が本気でぶつかり合っているという面では、同じですから。小手先だけではなく“戦える”集団になってきたと思います。今回の作品でも、エンターテインメントとして思いっきり勝負していきたいです」と力強い。

また、近藤はチャンバラエンターテインメントとして“アクション”に対する期待も寄せていた。「いつも、きれいさよりも役にあったアクションを見せたいなと心がけています。今回は、かなり荒々しい役なので・・・楽しみにしていてください」とニヤリ。

“劇団”に対する思いは、二人とも熱い。松井は「僕らは、最強です!これ、ずっと言い続けていることなんですけど、言い続けることによって“そうならなければ”いけないし、“そうなりたい”という思いも持ち続けられる。だから、僕はこう言い続けています」とぶれない。言葉としてはシンプルだが、「どこのグループにも負けない」という変わらない強い信念が伺える。

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近藤も、劇団に対して「昔と今と、思っていることは正反対です」と語る。「始めた頃は、あまり仕事としての実感が少なかったんですが、外部公演にも出られるようになってから、劇団としてもプロとして、向上心を持って高みを目指そうという意識が強く持てるようになりました。すごい人たちと共演させていただいてきたことで、学んだことを劇団に取り入れようという精神を、みんなが共有できているんじゃないかなと思います」と、一言一言に“戦える”という強い気持ちが溢れていた。

開幕に向け、二人は「おもしろいって言ってもらえるものを作りたい」と同じ方向を見据える。

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近藤は「関西の劇団であることを武器に持ちつつ、今回は東京公演もやらせていただけます。東京の劇場、シアターサンモールは、個人的に初主演(『博多とんこつラーメンズ』)を踏ませてもらった劇場なので、思い入れが深いんですよね・・・。皆さんの、人生の約2時間をいただいて、どれだけのものを心に残せるか。悩みとかがある人の心も、ちょっとでも晴らしたい。Patchらしく、そして、プロとして、楽しいって思ってもらえるエンターテインメントを届けたいです」と気合十分。

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松井も「頭空っぽにして、観に来てください。そうしたら、おのずと『明日もがんばろう』と思ってもらえるものをお見せしますので!今まで観たことのないPatchの姿と、劇団としての強さを劇場で感じてもらえたら嬉しいです。お待ちしております!」とメッセージをくれた。

Patch stage vol.13『カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!カーニバル!』は以下の日程で上演される。

【東京公演】10月31日(木)~11月3日(日) シアターサンモール
【大阪公演】11月6日(水)~11月10日(日) ABCホール

【公式サイト】https://www.west-patch.com/event/
【公式Twitter】@west_patch

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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