長谷川京子主演、森新太郎演出で上演される『メアリ・スチュアート』の全キャストが発表された。新たに出演が決定したのは、シルビア・グラブ、三浦涼介、吉田栄作、山本亨、青山達三、青山伊津美、黒田大輔、星智也、池下重大、冨永竜、玲央バルトナー、鈴木崇乃、金松彩夏、鷲尾真知子、山崎一、藤木孝の16名。
本作は、18世紀の詩人・劇作家フリードリヒ・シラーの古典的名作を、20世紀にスティーブン・スペンダーが脚色した戯曲。16世紀末、イングランド北部にたたずむフォザリンゲイ城に幽閉されているスコットランド女王メアリ・スチュアート(長谷川)と、ロンドン・テムズ河畔のウエストミンスター宮殿の玉座を支配するイングランド女王エリザベス一世(シルビア・グラブ)、二人の女王を巡り交錯する人々の思惑と運命を、繊細な心理描写で鮮やかに描いた作品だ。
演出の森は、本作について「史実によれば、エリザベスはメアリの死刑執行命令に署名したことを、生涯、後悔し続けたそうです。何がかかる悲劇を招いたのか――。シラーは彼女たちの心の内における“理性”と“感情”の葛藤を微細に活写すると共に、世論の脅威や宗教間の確執、国家間の覇権争いが二人の運命を押し流していく様を巨視的なスケールで描き切りました。このスリリングで無情な人間ドラマを、 現代にも通じる政治劇として蘇らせたいと思います」とコメントを寄せている。
【あらすじ】
16世紀末、政変により国を追われ、遠縁(父の従妹)にあたるイングランド女王エリザベス(シルビア・グラブ)のもとに身を寄せたスコットランド女王メアリ(長谷川)だったが、エリザベスはイングランドの正当な王位継承権を持つメアリの存在を恐れ、彼女を19年の長きにわたり幽閉し続けていた。その間、二人の女王は決して顔を合わせることはなかった。そして時は今、エリザベスの暗殺計画に関わったのではないかという嫌疑がメアリにかけられ、裁判の結果、彼女には死刑判決が下されたのである。
スコットランド女王メアリと、イングランド女王エリザベス一世の対立を縦軸に、二人の間を奔走する、メアリに恋心を抱く青年モーティマー(三浦)や、二人の女王から寵愛を受ける策略家のレスター(吉田)をはじめとした数多の男たちの駆け引きを横軸に、刻一刻と迫る処刑の前で裁判を不当なものとして己の正当性を訴えるメアリと、その処刑を決行するか否かと心乱れるエリザベスの苦悩が描かれていく。
その姿を一目見、その声を一度聴けば、誰もが心を許したくなるといわれる女王メアリ。メアリを救いたいと願う男たちは、メアリをエリザベスに一目逢わせれば、エリザベスの頑なな思いも氷解するのではないかとその機会を探る。果たして二人の女王は初めての対面を果たすことができるのだろうか――?
『メアリ・スチュアート』は、2020年1月27日(月)から2月16日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて上演される。チケットは、2019年11月23日(土)より一般発売開始。