「変身」「審判」などで知られる小説家フランツ・カフカが、なぜか現代の東京で生活し、あらゆる事象に絶望する、摩訶不思議な新感覚コメディドラマ『カフカの東京絶望日記』。鈴木拡樹がフランツ・カフカ役を演じ、2019年4月よりYouTubeで第1話(前編・後編)の無料配信が行われている。
8月2日(金)には、東京・ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて『カフカの東京絶望日記』新エピソード完成披露試写会が行われた。YouTubeで無料配信中の1話と初お披露目となる2話を上映後、主人公のフランツ・カフカを演じる鈴木と企画・脚本のアサダアツシが登壇し、舞台挨拶を行った。
まず、企画の経緯を聞かれたアサダは「鈴木さんと初めて一緒に仕事をした時に、出番がない時間でも他の人を見て勉強している姿を見て、すごく真面目な人だなと感じました。それで、何か企画がありませんか?と言う話が出た際、ちょうど原案(『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』著:平松昭子/監修:頭木弘樹/刊:飛鳥新社)の漫画を読んでカフカに共感できるなと感じていたので、鈴木さんなら間違いなくカフカを演じられる!と熱く語ったんです。鈴木さんと一緒にやれるなら、と、ファンレターを書いているような気持ちで企画書を書き上げました」と説明。
一方の鈴木は熱烈なラブコールに驚きつつ「舞台を現代の東京にする理由はなんだろうと思っていたんですが、脚本を読んでみると、その設定にすることによって、カフカが絶望するものごとが見ている人にも共感しやすい内容になっていて、とても秀逸な設定だなと感じました」と作品の感想を語った。
また、子猫が登場した新エピソードについて聞かれたアサダが「鈴木さんには何が似合うかな?と考えて、自分が見たい鈴木さんをカフカに置き換えて書いています。ファンの方々もそれが一番喜んでいただけるんじゃないかな」と発言すると、客席からは熱い拍手が。
そして、ここで重大発表!なんと、本作の地上波放送が決定。特報が公開され、会場はこの日一番の大歓声に包まれた。鈴木は「地上波にも挑戦できたらいいねという話をしていたので、目標にしてがんばってきたことが叶って嬉しく思います。周りの方にも勧めていただければ。まったく知らない方でも『何これ?』っていう感じで見て笑ってもらえる作品なので大丈夫です」とにっこり。アサダは「皆さんに観ていただいて、来年の夏くらいにはここで劇場版をやれたらな・・・『カフカの東京絶望日記 in ハワイ』を(笑)」と大いなる野望を口にしていた。
その後、地上波ドラマ化に参加する坂下雄一郎監督も登壇。4話から6話を担当した坂下監督は「作品のトーンは把握できていたので、なるべく流れを壊さずに、カフカが楽しそうにしていることを意識しました」とコメントし、アサダは鈴木が演じるカフカについて「最高以外にないんじゃないかな!美しく絶望するというのは鈴木さんにしかできない」とやはり大絶賛だった。
最後に、鈴木は「絶望をテーマにしていますが、皆さんを明るくしたいなというコンセプトで作っているので、これを見て一瞬でも頬を緩めてくれると嬉しいです。地上波もどうぞよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました」と挨拶。地上波への期待が高まる中、イベントを終了した。
『カフカの東京絶望日記』は、MBS<ドラマ特区>枠にて9月12日より毎週木曜深夜0:59より放送される。
【あらすじ】
フランツ・カフカ。
ある朝目覚めると巨大な虫になっていた男を描いた「変身」で知られる20世紀を代表する小説家。
そんな彼が何かにつけては絶望せずにいられない「絶望中毒」という事実はあまり知られていない・・・。
この物語は、なぜか2019年の東京で生活するカフカが日々起こる様々な出来事に、本気で傷つき、打ちのめされ、やがて絶望する。しかし、カフカが絶望すればするほど、それを見た人たちは彼の素直さ、まじめさに触発される。完膚なきまでに絶望に打ちのめされるカフカの壮絶かつ優美な姿は、あなたに生きる希望を与えることでしょう――。
【出演】
鈴木拡樹
奈緒 前原滉 今野杏南 奥山かずさ
キンタカオ 大村波彦 宮田早苗 中山求一郎
坂口涼太郎 岩谷翔吾 咲良菜緒(TEAM SHACHI)
【監督】加藤拓也、坂下雄一郎
【企画・脚本】アサダアツシ
【原案】「マンガで読む絶望名人カフカの人生論」(著:平松昭子、監修:頭木弘樹、刊:飛鳥新社)
【公式サイト】https://www.mbs.jp/kafka-drama/
【公式Twitter】@kafka_drama
(C)「カフカの東京絶望日記」製作委員会・MBS
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