第63回岸田國士戯曲賞の選考結果が、2019年3月12日(火)に発表された。受賞したのは、松原俊太郎の戯曲「山山」。松原は、1988年生まれ。熊本決出身。劇団などには所属せず、個人で戯曲を執筆し、活動を続けている。ほか、代表作に「忘れる日本人」「正面に気をつけろ」など。
岸田國士戯曲賞は、劇作家・岸田國士の遺志を顕彰すべく、株式会社白水社が主催する戯曲賞。演劇界に新たなる新風を吹き込む新人劇作家の奨励と育成を目的に、1955年に新劇戯曲賞として設置。1961年には「新劇」岸田戯曲賞、1979年に岸田國士戯曲賞と改称され、新人劇作家の登竜門となっている。
選考対象は、原則として1年間に雑誌発表または単行本にて活字化された作品。ただし、画期的な上演成果を示したものに限り、選考委員などの推薦を受ければ、生原稿・台本の形であっても、例外的に選考の対象とすることがある。
現在の選考委員は、岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、平田オリザ、宮沢章夫、柳美里(50音順)7名。
第63回岸田國士戯曲賞最終候補作品は、以下のとおり(作者50音順)
坂元裕二「またここか」(リトルモア刊)
詩森ろば「アトムが来た日」(上演台本)
瀬戸山美咲「わたし、と戦争」(上演台本)
根本宗子「愛犬ポリーの死、そして家族の話」(上演台本)
古川日出男「ローマ帝国の三島由紀夫」(「新潮」2018年10月号掲載)
松原俊太郎「山山」(『悲劇喜劇』2018年7月号掲載)
松村翔子「反復と循環に付随するぼんやりの冒険」(上演台本)
山田百次「郷愁の丘ロマントピア」(上演台本)
受賞者には正賞として時計、副賞として20万円を贈呈。授賞式は、4月23日(火)に東京・学士会館にて開催される。