時代を映す演劇――平成最後の読売演劇大賞贈賞式、開催

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2019年2月28日(木)に「第26回読売演劇大賞贈賞式」が東京都内にて行われた。読売演劇大賞(日本テレビ放送網後援)は、1994年に創刊120周年を迎えた読売新聞の記念事業として創設。日本の文化の一層の発展を願い、歌舞伎や能などの伝統演劇からミュージカル、商業演劇、新劇、小劇場演劇など、ジャンルを問わず、すぐれた舞台作品・演劇人を顕彰してきた。

対象作品となる作品は、国内で上演された舞台作品(1月から12月までの通年単位)。第26回読売演劇大賞は、2018年の1年間に上演された舞台作品を対象とし、選考が行われた。部門は、「大賞」「部門最優秀賞」(最優秀作品賞、最優秀男優賞、最優秀女優賞、最優秀演出家賞)「最優秀スタッフ賞」「杉村春子賞(新人賞)」「芸術栄誉賞」。

正賞受賞者には、各部門とも彫刻家・佐藤忠良氏作のブロンズ像「蒼穹」。副賞は大賞受賞者に200万円、それ以外の最優秀賞・杉村春子賞・芸術栄誉賞の受賞者に各100万円、各部門優秀賞には、記念のトロフィーと賞金10万円が贈られる。

選考方法は、第一次選考会で9名の選考委員の協議により、杉村春子賞、芸術栄誉賞を除く5部門のノミネート作品・人、各5件を選定。その後、演劇評論家、劇場関係者、プロデューサー、新聞記者、雑誌編集者らで構成する投票委員107名が、ノミネート各5件の中から、ベストワンとなる最優秀賞の投票を行う。この投票結果に基づいて、5部門それぞれの最優秀賞を決定、最優秀賞以外のノミネート作品(人)は各優秀賞とする。同時に、投票委員からの推薦を受ける。

「杉村春子賞」「芸術栄誉賞」は、投票委員からの推薦を受け、最終選考会で決定。同会で、5部門の最優秀賞と杉村春子賞の中から、その年の演劇グランプリとなる「大賞」が選ばれる。

第26回の選考委員は、赤川次郎、大笹吉雄、河合祥一郎、中井美穂、西堂行人、萩尾瞳、前田清実、矢野誠一、渡辺保の9名。

各賞の受賞作品・人は以下のとおり。

◆大賞・最優秀演出家賞
栗山民也
パルコ『チルドレン』、こまつ座『母と暮せば』の演出

◆最優秀作品賞
『百年の秘密』(ナイロン100℃)

◆最優秀男優賞
岡本健一
世田谷パブリックシアター『岸 リトラル』の父イスマイル役、新国立劇場『ヘンリー五世』のピストル役の演技

◆最優秀女優賞
蒼井優
パルコ『アンチゴーヌ』のアンチゴーヌ役、新国立劇場『スカイライト』のキラ・ホリス役の演技

◆最優秀スタッフ賞
上田大樹
ナイロン100℃『百年の秘密』、TBS・ヴィレッヂ 劇団☆新感線『メタルマクベス』disc1~3の映像

◆杉村春子賞
松下洸平
こまつ座『母と暮せば』の福原浩二役、ホリプロ『スリル・ミー』の私役の演技

◆芸術栄誉賞
木村光一

◆選考委員特別賞
『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』(二兎社)
※作品部門にノミネートされ、第一次選考では圧倒的な支持を集めた本作だが、投票では1票差の次点に留まった。そのため、選考委員の選ぶ特別賞として選出されることとなった(正賞・副賞とも最優秀賞と同じ)

◆優秀作品賞
『夜、ナク、鳥』(オフィスコットーネ)
『岸 リトラル』(世田谷パブリックシアター)
『遺産』(劇団チョコレートケーキ)

◆優秀男優賞
松尾貴史(二兎社『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』)
松下洸平(こまつ座『母と暮せば』、ホリプロ『スリル・ミー』)
山崎一(こまつ座、世田谷パブリックシアター『シャンハイムーン』、こまつ座『父と暮せば』)
横田栄司(新国立劇場『ヘンリー五世』、世田谷パブリックシアター『The Silver Tassie 銀杯』)

◆優秀女優賞
犬山イヌコ(ナイロン100℃『百年の秘密』、KERA・MAP『修道女たち』)
草笛光子(シーエイティプロデュース『新・6週間のダンスレッスン』)
ソニン(東宝『1789 バスティーユの恋人たち』、同『マリー・アントワネット』)
藤山直美(東宝『おもろい女』)

◆優秀演出家賞
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃『百年の秘密』、KERA・MAP『修道女たち』)
瀬戸山美咲(オフィスコットーネ『夜、ナク、鳥』、流山児★事務所『わたし、と戦争』)
永井愛(二兎社『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』)
野木萌葱(パラドックス定数『731』、同『Nf3 Nf6』)

◆優秀スタッフ賞
板橋駿谷(KAAT神奈川芸術劇場『オイディプスREXXX』の作詞・ラップ指導)
井上正弘(パルコ『チルドレン』、同『豊饒の海』の音響)
小笠原純(パルコ『チルドレン』の照明)
朴勝哲(ホリプロ『スリル・ミー』のピアノ伴奏)

なお、各賞の受賞者コメントと喜びの瞬間は、順次レポートしていく。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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