林遣都×小川絵梨子で三島戯曲上演『熱帯樹』は愛憎渦巻く家族の物語

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2019年2月から3月にかけて三島由紀夫作、小川絵梨子演出による『熱帯樹』の上演が決定した。小川が三島由紀夫戯曲を手掛けるのは、これが初となる。出演者には、林遣都、岡本玲、栗田桃子、鶴見辰吾、中嶋朋子の5名が名を連ねた。

描かれているのは、愛憎うずまく5人の家族の物語。権力者の父親を憎みながら母と妹の異常な愛に翻弄される息子・勇役を林が演じる。林は、2017年に上演された『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』でも、小川演出作品に出演している。

そして、愛する兄に母を殺させようとする妹・郁子役を岡本、父親の妹で4人の家族と共に暮らす風変わりな叔母・信子役を栗田、地位や名誉を手に入れながらも、息子と対立し妻の不貞を疑わぬ父・恵三郎役を鶴見、莫大な財産を狙い息子に夫を殺させることを企む勇の母・律子役を中嶋が務める。

上演決定にあたり、演出の小川よりコメントが届いている。

◆小川絵梨子(演出)
以前から、三島由紀夫の戯曲には興味を持ちつつも、なかなか挑戦する機会がなかったので、今回、この作品を劇場側からご提案いただいたことが、とても嬉しかったです。『熱帯樹』の世界観は寓話的でもあり、5人の登場人物たちは誰もが寂しくて孤独なんですが、実は一人一人がものすごく逞しさや力強さに満ち溢れていて、そこがたまらなくおもしろく思え、この5人からなる家族という単位の小さな集合体に、今とても魅力を感じています。本作が書かれたのは1960 年ですから、すでに半世紀以上も前なんですが、たとえ時代設定を現代に移し替えなかったとしても、今を生きる俳優の身体を通して上演することで、作品の世界観をリアルに表現することができるのではないかと考えています。今回、俳優の皆さんは初めて創作を共にする方が多いのですが、唯一林遣都さんとは昨年の舞台でご一緒していて、私にとって大変信頼のおける俳優さんでもあります。この戯曲を上演するにあたって、前々からご一緒したいと願っていた俳優の皆さんと、どのように稽古場でチャレンジを続けていけるのか、今からとても楽しみです。

『熱帯樹』は、2019年2月から3月にかけて、東京・シアタートラムにて上演される。

【あらすじ】
1959年秋の日の午後から深夜にかけて。資産家の恵三郎は、己の財産を守ることにしか関心がなく、妻・律子を自分の人形のように支配している。律子は夫の前では従順だが、実は莫大な財産を狙い、息子の勇に夫を殺させることを企んでいた。その計画を知った娘の郁子は、愛する兄に母を殺させようとするが・・・。いびつな愛に執着する律子と郁子、権力者の父を憎みながら母と妹に翻弄される勇、地位や名誉を手に入れはしたが息子と対立し妻の不貞を疑わぬ恵三郎、そしてそこに同居する恵三郎の妹で風変わりな信子、それぞれの思いが交錯し・・・。

【詳細】https://setagaya-pt.jp/news/20180906-57834.html

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