『魔界転生』製作発表会見レポート!上川隆也、溝端淳平らに堤幸彦「本当に大変です」

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日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』の製作発表会見が、2018年6月19日(火)に東京都内にて行われた。会見には、主演の上川隆也をはじめ、溝端淳平、高岡早紀、村井良大、松田凌、玉城裕規、木村達成、猪塚健太、栗山航、丸山敦史、山口馬木也、藤本隆宏、浅野ゆう子、松平健、そして脚本のマキノノゾミ、演出の堤幸彦が登壇し、上演に向けて意気込みを語った。

原作は、1967年に「おぼろ忍法帖」として単行本化された山田風太郎の伝奇小説。1981年には深作欣二監督により映画化され、その後も舞台、漫画、アニメ、ゲームなど様々なジャンルで展開している。今回は、日本テレビの開局65年記念舞台(大阪公演は読売テレビ開局60年記念舞台)として上演される。

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会見では、まず脚本のマキノが「原作、そして映画のファン、どちらの方にも納得してもらえるものをと思いながら(脚本を)書きました。なおかつ、プロデューサーから『今まで観たことのないもの(舞台)にしたい』という希望があり、その結果、スタッフにどうやるんだと激怒されそうな無茶苦茶な脚本になりました」と告白。また、マキノ自身が演出するならば「絶対にしない書き方をしました。でも、堤監督には逆に燃えていただけると思います」と投げかけた。

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それに対し、演出を手掛ける堤は「観たことないものをどう形にしようか頭を悩ませておりまして、ご飯を食べていてもそのことばかり考えてしまいます」と冗談(?)を飛ばしながら、「舞台技術の最高峰を結集し、とにかくやったことがないことに挑戦したいと思います」と誓う。そして、おもむろに役者陣に向き直り「役者の皆さん、大変です。本当に大変です。体調を整えてきていただければ。よろしくお願いします」と一言。

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主演として、柳生十兵衛役を務める上川は「今年の秋は、平成最後の秋です。この舞台に足を運んでくださった方々が、いつの日か平成最後の秋を思い返した時に、『素敵だった』と思い出していただける作品にしたいと思います。ある種、覚悟して受けたお仕事です。無茶苦茶してやろうと思います」と意気込んだ。

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天草四郎役の溝端は、今年4月、天草四郎の命日に訪ねたと言う溝端は縁の地をマキノ、堤と共に巡ってきたという。「四郎はここで無念を抱えて亡くなったんだな、と感じることができました。(天草四郎は)史実が少ない分、想像力をかき立てられます。僕も、自分なりの四郎像を作れたらと思います。堤さんから、『溝端くん、大変だから。飛ぶよ』などと言われており、不安と期待で胸がいっぱいなのですが、宙吊りにされようが、地べたを這いずり回ることになろうが、精一杯努めます」と決意表明。

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そして、天草四郎の姉・お品役を演じる高岡は「堤監督とお仕事をさせていただくのは、10代の頃以来。何十年も経っていますが、またご一緒できて嬉しいです。“見たことがない”作品になるとお聞きしたので、“見たことがない私”を演じさせていただけるのかなと楽しみにしております」と笑顔を見せた。

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根津甚八役を演じる村井は、偶然にも2016年に上演された『真田十勇士』でも、根津甚八役(豊臣秀頼と2役)を務めており、「僕自身も驚きました」。さらに、「僕の予想とは違った出方をするということで、ハードルが上がったんですが、堤監督とマキノさんの作品は驚きの連続で、いつもワクワクしながらやらせていただいています。お客様にも体感してもらえたら」と呼びかけた。

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北条主税役の松田は「役者としても人間としても青二才ですが、演劇に救われ、演劇に生きてきました。持てるすべてを板の上で表現したいと思います」、田宮坊太郎役の玉城は「自分もまだまだ未熟者、この座組みの一員としてやらせていただけることが光栄です。堤さんが『大変』とおっしゃっていましたが、大変なことを精一杯やるからこそ、生まれる熱量があると思います。精一杯生きるために、努めます」とコメント。

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登壇者の中で最年少となる木村は、柳生十兵衛の弟・又十郎役。「歴史上の人物を演じられること、素敵な共演者の皆さんと舞台を作れることを嬉しく思います。個人的には、刀を使った殺陣を初めてやるので不安ですが、がんばります」、荒木又右衛門役の猪塚は、自身の役が魔界衆の一人ということで「悪役が強く魅力的であるほど、作品が盛り上がると思っています。華のある敵を演じたいです」、小栗丈馬役の栗山は「この作品が伝説となるのは間違いないです。サッカーのワールドカップ以上に盛り上げたいですし、堤さんにいいところを見せたいと思います」と抱負を語った。

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戸田五太夫役の丸山と由比正雪を演じる山口は、村井と同じく『真田十勇士』でマキノ×堤作品を経験。丸山は「堤監督の『大変だよ』という言葉にデジャブを感じました(笑)。大変であることへの心得はできているので、酸素ボンベを吸いながらがんばります」と笑い、山口は「僕も、前回の『真田十勇士』の記者発表で、堤さんが笑顔で『しんどいよ』とおっしゃっていたのがトラウマです(笑)。今回、さらにトラウマになりそうですが、『魔界転生』と言ったら舞台版と言っていただけるように、全力で駆け抜けたいです」と誓った。

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宮本武蔵役を演じる藤本は「共通点は高身長なところぐらいで、自分でいいのかと・・・」と恐縮しながらも、「この作品は世界の方に観てもらいたい舞台になると信じていますし、そうしたい。多くの方に来ていただきたいです」と作品にかける期待をあらわに。

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浅野が演じる淀殿は、原作にも映画にも登場しない役どころ。2016年の『真田十勇士』でも演じた同役が大好きだという浅野は「打ち上げの時からマキノ先生、堤監督の耳元で『淀度、淀殿、淀殿』とささやき続けたところ、再び淀殿の役をいただきました。本当に嬉しいです!」と喜びを体現。しかし、前作では観られなかった淀殿の一面を堤から聞き、目を丸くする場面も。

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最後の挨拶となった柳生宗矩役の松平は、『真田十勇士』経験者の言葉に「・・・だんだん不安になってきました」と苦笑いしつつ、「強い剣豪の役なので、体を鍛え直してがんばりたいと思います」としっかりと前を見据えていた。

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日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』は、10月6日(土)から10月28日(日)まで福岡・博多座にて上演される。その後、東京、大阪を巡演。日程は以下のとおり。チケットは、福岡・東京公演が7月7日(土)から、大阪公演が7月29日(日)から一般発売開始。

【福岡公演】10月6日(土)~10月28日(日) 博多座
【東京公演】11月3日(土・祝)~11月27日(火) 明治座
【大阪公演】12月9日(日)~12月14日(金) 梅田芸術劇場 メインホール

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(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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