日本テレビ開局65年を記念し、舞台『魔界転生(まかいてんしょう)』が2018年10月より福岡、東京、大阪にて上演されることが発表された。演出は堤幸彦、脚本をマキノノゾミが手掛ける。堤とマキノは、2014年1月に日本テレビ開局60年舞台『真田十勇士』でコンビを組んだ仲。二人の手によって、新たなるスペクタクル時代劇が誕生する。出演者には、上川隆也、溝端淳平、松平健らが名を連ねた。
原作は、1967年に『おぼろ忍法帖』として単行本化された、山田風太郎の人気伝奇小説。壮大なスケール、雄大な歴史ロマン、奇抜かつ摩訶不思議な展開などがふんだんに詰め込まれており、時空を超えたアクション・エンターテインメントとなっている。1981年には深作欣二監督により映画化され大ヒット、その後、漫画やアニメ、ゲームなど、数多くのジャンルでリメイクされている。
魔界から蘇った強敵に果敢に立ち向かう主人公・柳生十兵衛役を上川が、幕府への復讐のため魔界の力を借り甦る天草四郎役を溝端が、そして「魔界転生」の妖術で甦った柳生十兵衛の父・柳生但馬守宗矩役を松平が演じる。発表にあたり、堤、上川、溝端、松平からコメントが届いた。
◆堤幸彦(演出)
――舞台「魔界転生」を演出するにあたり、作品の魅力と作品の創作に対する意気込みをお聞かせください。
日本の娯楽作品史上、もっとも奇想天外なストーリーを持つ時代劇であり、猛烈に創造力を刺激される作品です。役者の皆さんを極めて濃いキャラクターの登場人物に変身させて語られる「怨」の芝居も主軸ですが、変幻自在な巨大舞台装置とプロジェクションマッピングを多用した立体映像表現に、圧倒的スピードの殺陣、フライング含めたアクションが絡み合った壮大なエンターテインメントを作り上げたいと意気込んでいます!
――出演される上川さん、溝端さんとは、映像作品でご一緒されたことがあると思いますがどのような印象をお持ちですか?また、キャスティングされた理由をお聞かせください。
上川さんは「どんな要求」にも正確に応えていただき、かつ予想を越える「情感」を醸し出すイメージ。極めて楽しみです。溝端さんは異色の「眼力」で舞台を地獄の底に叩き落としてもらえるのではないか。演劇界のメインストリームを疾走するお二人、カンパニーの旗頭になっていただけることが本当に楽しみです!
――松平さんは以前堤さんが手掛けた映画『真田十勇士』に続いてのご出演となりますが、今回期待されることはありますか。
松平さんはまさにこの作品の「重鎮」として君臨してもらいつつ、今まであまり見たことのない領域の存在に踏み込んでいただきたい、と虎視眈々と狙っております。
◆上川隆也(柳生十兵衛役)
――舞台『魔界転生』に出演することが決まった時の感想と、今の意気込みをお聞かせください。
オファーには、本当に胸が踊りました。山田風太郎さんの小説は、実際の歴史を踏まえた上で大胆に展開されるストーリーや、医学的根拠に裏打ちされた奇想天外な忍者・忍法に魅せられて、一時貪る様に読んでいました。なかでも印象的なキャラクターが柳生十兵衛。作品内での活躍はもちろんですが、想像を絶するような敵と相対する十兵衛はあくまでも生身の人間であるという設定に引き込まれていました。今回の舞台化でも、きっと十兵衛は剣客でありながら、やはり一人の人間として困難に立ち向かうことになるでしょう。その獅子奮迅振りをお客様と共に、僕も満喫したいと思っています。
――堤さんの作品は、ドラマ『SPEC』へのゲスト出演以来かと思いますが、どのような印象をお持ちですか?
『SPEC』でご一緒する以前から、堤監督の作品はとても好きで、自宅にもいくつかの作品がDVD-BOXで並んでいます。先鋭的な映像を生み出す堤監督の感性が、舞台の上にどんな「地獄篇」を描き出すのか、今から楽しみでなりません。
――共演される溝端さん、松平さんの印象をお聞かせください。
溝端くんとご一緒した作品では、思いもよらぬ天候に見舞われることが多かったこともあり、出演者にもスタッフにも過酷な状況となる一コマがありました。しかし溝端くんはそうした場面でも一言の不平も漏らさず、常に芝居に集中して現場を盛り上げてくれていました。今回の座組みにも、彼のエネルギーがいい風を運んでくれるに違いありません。
松平さんがご参加くださることでこの座が締まることを本当に嬉しく思います。舞う様に華麗で巌の様に重厚な殺陣に幾度見入ったか分かりません。大いに胸をお借りしつつ、出来ればその懐に入り込みたいと、密かに思いを巡らせています。
◆溝端淳平(天草四郎役)
――舞台『魔界転生』に出演することが決まった時の感想と、今の意気込みをお聞かせください。
魔界転生の天草四郎と言えば、過去に沢田研二さん、窪塚洋介さんなどある種のカリスマ性がある方が演じていらっしゃるイメージです。それを自分がやらせていただくのは非常にプレッシャーを感じています。
――堤さんの監督作品は「洋服の青山」のWebムービーで経験されているかと思いますが、どのような印象をお持ちですか?
ここ数年、舞台に重きを置いている自分としては堤さんの壮大で型破りな演出を受けられるのはとても楽しみです。精一杯がんばります。
――共演される上川さん、松平さんの印象をお聞かせください。
お二人ともとても誠実でお芝居に対してもストイックな印象です。上川さんとは何度もご一緒させてもらいましたが、敵対する役は初めてなので、胸を借りつつ思い切りお芝居させてもらえたらと思っています。
◆松平健(柳生但馬守宗矩役)
――舞台『魔界転生』に出演することが決まった時の感想と、今の意気込みをお聞かせください。
再び堤監督とご一緒でき大変嬉しく存じます。映像では二度ほどご一緒しましたが、舞台での演出も楽しみです。
――堤さんの作品は、映画『真田十勇士』で経験されているかと思いますが、どのような印象をお持ちですか?
とにかくアイディアがとても豊富です。その場その場でいろいろ出てくるので、今度もどう驚かせてくれるのか楽しみです。
――共演される上川さん、溝端さんの印象をお聞かせください。
上川さんとはお会いするのも初めてなので、舞台でご一緒出来ることをとても楽しみにしております。溝端さんとはテレビの収録で現在ご一緒しているのですが、とても好感がもてる青年です。
日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』は、10月6日(土)から10月28日(日)まで福岡・博多座にて上演される。その後、東京、大阪を巡演。日程は以下のとおり。
【福岡公演】10月6日(土)~10月28日(日) 博多座
【東京公演】11月3日(土・祝)~11月27日(火) 明治座
【大阪公演】12月9日(日)~12月14日(金) 梅田芸術劇場 メインホール
【あらすじ】※現時点での想定のため変更の可能性あり
徳川幕府によるキリシタン弾圧のため、暴徒と化した10万人の信者が惨殺された肥前国(長崎県)島原、その地で、禍々しい魔界の力を借りて「島原の乱」の首謀者・天草四郎が甦る。四郎は怒りと憎しみに燃え、幕府への復讐を決意する。
やがて「魔界転生」という妖術を使い、幕府と闘う配下を求め、歴史に名を残す剣豪を次々と甦らせる。荒木又右衛門、田宮坊太郎、宝蔵院胤瞬、そして、宮本武蔵、柳生宗矩、錚々たる猛者たちが黄泉の国から転生し、悪鬼として再び生を受け、四郎と共に幕府滅亡を画策する。
これら魔界衆に隻眼の剣士・柳生十兵衛を中心とする幕府方が立ち向かう。十兵衛は魑魅魍魎が跋扈する悪魔の企てを阻止すべく、柳生衆と共に果敢に闘い、強敵を斬り滅ぼしていく。将軍家を篭絡し、幕閣にまで入り込み、幕府転覆を狙う恐るべき魔界衆たち、天草四郎、転生した宮本武蔵たちと血で血を洗う死闘が続き、ついには江戸城での最終決戦を迎える。
親子の相克、剣豪としての苦しみから、悪鬼として蘇った父・宗矩と十兵衛の闘いの結末は?果たして、十兵衛は魔界衆を打ち滅ぼせるのか、幕府の滅亡を救えるのか・・・。