2018年7月に乃木坂46の桜井玲香と日本舞踊家であり劇団阿佐ヶ谷スパイダース所属の藤間爽子のW主演で『半神』が上演される。本作は、劇団「夢の遊眠社」時代の野田秀樹が、漫画家・萩尾望都の短編作品を原作とし、原作者と共同で舞台脚本化したもの。1986年に劇団「夢の遊眠社」で初演され、1999年には演出に大幅に手を加えNODA・MAPでも上演。今回の演出は、劇団「柿喰う客」の中屋敷法仁が手掛ける。
醜い姿ながら、物覚えが早く高い知性をもった姉・シュラ役、何をしても姉にはかなわないものの、他人の愛を一身に受ける美しい妹・マリア。姉のシュラ役を桜井、妹のマリア役を藤間が演じ、神話と現実が交差していく結合双生児姉妹の物語が描かれる。
上演決定にあたり、桜井、藤間、中屋敷よりコメントが届いている。
◆桜井玲香(乃木坂46)
『半神』を初めて読んだ時、1回では上手く消化出来ず、それはきっと公演が終わった後も、明確な答えは見つからないままなのかな・・・と思ったり。それだけ多くのメッセージが各所に散りばめられた魅力溢れる作品です。すごくやり甲斐を感じますし、自分達自身どんな双子に化けるのかとても楽しみです。中屋敷さんには、化物になってくださいと言われているので、誰も見たことのない双子を自由に無邪気に演じたいと思います。
◆藤間爽子
この舞台『半神』のお話をいただいた時、驚きと嬉しさで大興奮したのを覚えています。実は私、お芝居の舞台には一度も立ったことがないんです。しかも野田秀樹さんの作品を中屋敷さんが演出。今回が初舞台の私にとってこんな光栄なことはありません!不安も大きいですが、先輩方に囲まれながら、マリアでいられる贅沢なこの時間を大切にしたいと思います。容姿も、これまで歩んできた道も、正反対な桜井さんと私がどんな双子の姉妹になっていくのか、私自身とても楽しみです。
◆中屋敷法仁
「わりきれない」ことがまったく許されない時代となってしまった。善か悪か、右か左か、敵か味方か。私たちは短絡的な「答え」を他者に強く求めてしまう。しかし本来、人間とは、非常に複雑なわりきれない生き物だったはずだ。強引にわりきろうとするのは無慈悲で、機械的で、残酷な行為だ。わりきれなさにどこまでも苦悩する姿こそ人間らしさではなかったか。わりきれない私たちに必要なものは「答え」ではなく「救い」だ。わりきれなくても生きていてもよいという「許し」だ。『半神』の劇世界を生きる双子の姉妹たちの姿を通して、わりきることのできない私たちのそもそもの在り方を問いたい。無限の螺旋階段をぐるぐると巡り、わりきれない時代にこそ必要な、救いのある解法を探ろうと思う。
このほか、先生役に太田基裕、母役に七味まゆ味、ユニコーン役に永島敬三、スフィンクス役に牧田哲也、ハーピー役に加藤ひろたか、右子・ガブリエル役に田中穂先、左子・マーメイド役に淺場万矢、ゲーリューオーン役にとよだ恭兵、父役に福田転球、老数学者・老ドクター役に松村武が決定している。
『半神』は、7月11日(水)から7月16日(月・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて(7月11日はプレビュー公演)、7月19日(木)から7月22日(日)まで大阪・松下IMPホールにて上演される。チケットは、6月10日(日)より一般発売開始。
【公式HP】https://www.hanshin-stage.jp/
【あらすじ】
痩せこけて醜い容姿ながら高い知能を持つ姉のシュラと、誰からも愛される美しい容姿だが知能が低く話すこともできない妹のマリア。二人は、身体がつながっている結合双生児の姉妹だった。姉のシュラは、いつまでも愛らしく無邪気で周りの人々の寵愛を一身に集める妹が疎ましく思いながらも、マリアを支えつつ二人で生きていた。しかし、10歳を目前にして二人の身体はその負担に耐え切れず衰弱してしまう。救う方法はただ一つ、二人を切り離すこと。果たして、二人の行く先は・・・?