2018年3月24日(土)、SHOW HOUSE『GEM CLUB II』が東京・シアタークリエにて幕を開けた。初日前の3月16日(金)から3月18日(日)まで東京・シアター1010にてプレビュー公演が行われたが、ここではそのゲネプロの模様をレポートしていく。
本作は、玉野和紀が2003年に手掛けたエンターテインメント・ショー『CLUB SEVEN』のDNAを受け継いだ、“怒涛のジェットコースター大娯楽パフォーマンス・ショー”。2016年に初演された『GEM CLUB』だが、このほど新たな若き才能の原石(=GEM)を迎え入れ、よりパワーアップしたショーが繰り広げられる。
1幕の舞台は、東京のとある場所にたたずむ「GEM CLUB」。ここは、かつて才能を持つ若者たちが集まって、きらびやかなショーを世に送り出していた伝説のショーハウスだった。あの栄華から2年、あの時に活躍したメンバーのほとんどは「GEM CLUB」を巣立ってしまい、残ったのは当時を知る総支配人のタイガー(玉野)、チーフのアクア(原田優一)、リーダーのロードナイト(中河内雅貴)、そして新オーナー・ダイア(壮一帆)だけ。4人はともにショーを創作する新たなGEMを探しに街へと繰り出す。
そこで出会ったのは、道端でシンガーソングライターをするバイオタイト(東山光明)や、洋服店を営むアルム(木戸邑弥)、メイド喫茶でアルバイトに励むルビー(三森すずこ Wキャストは新垣里沙)など夢を追う若者たちであった。4人は彼らの元に出向いては一人一人に声をかけ、名刺を渡してスカウトしていく。
2幕ではそうして集まったメンバーによる、笑いあり涙ありのショーが披露される。有名なミュージカルナンバーは原作にはない解釈と演出を加えた、まるで新しいものに、人気J-POPソングでは、歌詞を忠実に再現した世界観が広がる。歌とダンスのレベルはもちろん、ハイレベルなギャグまで、一つ一つを丁寧にと届けるナンバーは、観客の期待を裏切らない出来栄えだ。
今回も作・演出・振付を担当した玉野は、見事な歌声とタップダンスで観客の視線を一気に集め、中河内はナンバーごとに表情を変化させながら、指先まで神経を行き届かせたダンスを舞った。
原田はシリアスな2枚目から、観客が思わず吹き出してしまうような斬新なキャラクターまで自由自在に演じきり、「GEM CLUB」運営陣の4人の中では唯一今回が初参加となる壮は、安定のダンスと伸びやかな歌声を披露するとともに、途中にはまさかのニーハイ&膝上丈のメイド服での登場など、観客へのサービスも満点だ。
GEMである東山、木戸、多和田秀弥、本田礼生、松田岳、古田一紀、三森の活躍も見逃せない。それぞれ一人一人に見せ場があり、歌やダンスだけでなく、殺陣や滑舌を試すような早口言葉の歌など、役者としての技量が試されるパフォーマンスを難無くこなしていく。
額に汗を滲ませながら、笑顔でショーを届ける出演者から伝わってくるのは、誰にでも、つまり観客である我々にも輝く“GEM”が存在するという、喜びに満ちたメッセージ。元気と勇気を与えられるエネルギッシュな舞台であった。
SHOW HOUSE『GEM CLUB II』は3月24日(土)から4月5日(木)まで、東京・シアタークリエにて上演される。その後、大阪、愛知を巡演。詳細は以下のとおり。
【東京公演】3月24日(土)~4月5日(木) シアタークリエ
【大阪公演】4月14日(土)・4月15日(日) サンケイホールブリーゼ
【愛知公演】4月18日(水) 日本特殊陶業市民会館