KimeruからKIMERUへ。2017年11月に、事務所移籍にともない改名したKIMERUが、12月10日(日)に東京・渋谷のTSUTAYA O-Crestにてワンマンライブ「Merru Christmas 2017」を開催。急遽決定、しかも早い時間帯にも関わらず、会場には多くのファンが詰めかけた。この模様をレポートする。
定刻になり、バンドメンバーを引き連れステージに登場したKIMERUは、オープニングナンバー「The Pleasure of Love」からパワー全開!「楽しんでいこうぜ!声出せるか!」という一声に続いて、「Junk beat」を繰り出しながら思いっきり煽ると、会場からもそれに大きな声を出して応えていた。
再出発という意味でも、早くワンマンライブをやりたいというKIMERUの希望により、急遽開催が決定したこのライブ。「皆、朝からありがとうね!いろいろあってライブがなかなか出来なかったんだけど、今日は皆さんと楽しい時間を過ごしたいなと思っております」と挨拶し、嬉しそうに会場を見渡した。
KIMERUの名前をもじり、“メルクリ”ライブと銘打たれたクリスマスライブの開催も、久しぶり。「クリスマスの予定は?」と問いかけると、仕事!など、恋人と過ごすといった反応が少なく、「皆、がんばって生きていこう(笑)!」と励ましつつ、3曲目の「White Night」へ。KIMERU作詞のクリスマスソングをプレゼントしてくれた。
さらに、「Make You Free」(TVアニメ『テニスの王子様』OP曲)、「OVERLAP」(TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』OP曲)、「恋してキメル!」(TVアニメ『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』ED曲)、「You got game?」(TVアニメ『テニスの王子様』ED曲)など12月5日でデビュー17年目を迎えたKIMERUの歴史を感じさせる代表曲を次々と熱唱。
会場から「暑―い!」と上がる声に、「だからTwitterで『汗だくなるよ』って言ったじゃん(笑)」とKIMERUが言うように、ここまでの選曲はかなり激しめ。「100曲以上あって、バラードとかもあるんですけどね。クリスマスだし、激しめでもいいかな~と思って」とこのセットリストにしたそうだが、3日連続で行ったリハーサルですでに「ちょっと死んだよね(笑)」と本人も苦笑い。しかし、そんな疲れなど微塵も感じさせないぐらい、「ストレスたまってたら、ここで発散していこうぜ!」とKIMERUはさらに煽る。
この日、KIMERUのライブ初参加の方も多かった様子。「いろんな舞台に出させていただくんですけど、いつも皆さんには驚かされます!」と、初めてを感じさせない観客の対応力に感心し、新しい出会いを歓迎した。また、自身も新しい環境に身を投じることになった経緯などを丁寧に語り、“再出発”を想起させる「voyage」、そして未音源の新曲「Lair」を披露。
「後半戦いけるかー!声出してくれるかー!」と、さらに熱い煽りと共にKIMERUが「feel!」と叫ぶと、「my soul!」とファンの声が続く。TVアニメ『テニスの王子様』不二周助のキャラクターソング「feel my soul~闘いの中で~」、そして、バラード曲「Pink」のRockバージョンで、会場はさらに一体となった。
なお、この日のライブには、KIMERUの音楽活動を支えるバンドメンバーであり、キーボード担当の藤田宜久がスケジュールの都合で参加していなかったが、急遽駆けつけるサプライズも。KIMERUに1曲ステージを任された藤田は、ライブの定番曲である「monopolize」を演奏。KIMERU不在でも完璧な掛け声を入れ、盛り上がりに盛り上がるファンの熱に藤田も「すごーい!皆かっこいい!!」と驚いていた。
「メリ~クリスマ~ス!」と、サンタさんの衣裳になり、再びステージに戻ってきたKIMERU。ここで、ゲストとして吉岡佑が呼びこまれた。登場した吉岡は、なんとトナカイ姿!このトナカイ衣裳はKIMERUの私物だそうで、吉岡にはちょっとサイズが小さめ・・・。「裾が足りないよ!」と主張する吉岡だったが、KIMERUが「兼崎健太郎も着たことあるよ」と告げると、「僕が2代目で着ました!」とご満悦だった。
Live Musical「SHOW BY ROCK!!」-深淵のCrossAmbivalence-、超歌劇「幕末Rock」と、立て続けにKIMERUと共演をしてきた吉岡だが、KIMERUに対し「最初は業界の首領(ドン)みたいに思ってた」と恐れていたことを告白。すると、KIMERUは「良知(真次)くんも、2.5次元を作った人だから、と吹き込まれてた」「テニミュ卒業後の現場でKIMERUが来た時は赤い絨毯を敷かないと怒る」といった噂をあちこちでされていると明かし、笑いを誘った。
また、Live Musical「SHOW BY ROCK!!」-深淵のCrossAmbivalence-でアダム(KIMERU)&イヴ(吉岡)の名(迷?)場面を再現したり、試行錯誤した役作りのことなど、ここだけの話を繰り広げた。さらに、超歌劇「幕末Rock」より「宙ノ翼」、Live Musical「SHOW BY ROCK!!」より「défendu aube」の2曲を二人で披露。「宙ノ翼」では、徳川慶喜(KIMERU)と井伊直弼(吉岡)として台詞を交えながら歌い、「défendu aube」では楽曲中の「come with me!」を背中合わせで熱唱し、ライブを盛り上げた。
ラストナンバーは、デビュー15周年を記念し、KIMERUの100曲近くある楽曲の中からシングル曲すべてを含む40曲以上のタイトルや曲を連想させるワードを盛り込んで作られた「KI SE KI」。
歌い始める前、KIMERUは、改めてここまでの16年を振り返り、大切な仲間の名前を挙げながら「当たり前のように共演出来たことは、当たり前のように同じ時間を過ごすこととは違うということを、この16年で思い知らされました。でも皆さんとこうして出会えて、一緒に過ごせる奇跡のような時間を、幸せな気持ちにいたくて・・・」と胸の内を明かした。
すすり泣くファンの声もする中、「皆さん、タオルの準備はいいですか!・・・ハッピーになろうぜっ♪」と呼びかけたKIMERU。それに応じるように、皆思い思いにタオルを回し、最後の一瞬まで楽しみ尽くしていた。
大盛り上がりとなった、KIMERUとなって初のワンマンライブ。「時間がオーバーしちゃってる!」と言っていたKIMERUだが、急遽アンコールで「Timeless」を歌い、ライブを締めくくった。
KIMERUは、2018年1月5日(金)より舞台『アンプラネット―Back to the Past!―』、2月23日(金)より舞台「おそ松さんon STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME 2~」への出演が決定している。さらに、6月9日(土)には、地元である熊本にてバースデーライブも開催。こちらも合わせてチェックを。
16年間の想いを胸に、再出発を切ったKIMERU。俳優として、アーティストとして、さらなる活躍を期待したい。
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)