2017年8月に上演される超体感ステージ『キャプテン翼』。その公開稽古が7月25日(火)に東京都内にて行われ、その後行われた囲み会見には、元木聖也、中村龍介、松井勇歩、鐘ヶ江洸、鷲尾修斗、渡辺和貴、輝山立、反橋宗一郎、土井一海、加藤真央、大曽根敬大、廣野凌大、皇希、田中稔彦、瀬川亮、総合演出のEBIKEN(蛯名健一)が登壇し、それぞれ現在の心境と意気込みを語った。
原作は、連載開始から30年以上が経つ今もなお、多くのファンに愛され、国内外のプロサッカー選手に影響を与えた高橋陽一の名作漫画。今回は、舞台版の完全オリジナルストーリーとして、フランス国際Jr.ユースを制した大空翼率いる全日本代表と、世界のU20選手が集結したクラブチーム「RED STORM(レッドストーム)」との激戦が描かれる。
総合演出は演出家・振付家・ダンスパフォーマーとして世界で活躍するEBIKEN(蛯名健一)が担当している。さらに、脚本・演出アドバイザーとして世界的ダンスパフォーマンスグループ「enra」 のメンバーである加世田剛、振付として松永一哉が参加。漫画でおなじみの神業は、ダンスやマーシャルアーツ、イリュージョン、デジタルと身体能力を掛け合わせて表現されるという。
また、本公演ではフレグランス演出システムの導入によって香りの演出や、特別に用意されるプレミアム体感シートではハプティックウェアを装着した選手のシュートやキックの感触をリアルに感じられる“超体感”な演出が施されている。
公開稽古では、3つの場面が公開となった。最初に披露されたのは、フランス国際ユース決勝戦を終えた大空翼(元木)ら日本代表たちが帰国便のトランジットで立ち寄ったドバイの散策に出かけ、ジャベイラの戦士の異名を持つ強敵レオン(松永・舞台オリジナルキャラクター)と運命的に出会う場面。
ドバイの街に迷い込む日本代表の姿を、可動式のパネルを用いて空間を巧みに変容させることで表現。また、片時もサッカーボールを離さない翼からボールを奪おうと躍起になる日本代表たちの姿がとても愛くるしく、選手たちの“サッカー愛”が伝わってきた。
続いての場面では、全日本メンバー集結のもと行われた練習に「レッドストーム」の選手レオンとポポロ(斎藤)が現れ、合同練習を始めるのだが、2選手の驚異的な身体能力に全日本選手たちは驚愕する。ダンスバトルのような様相で、日本代表をこき下ろすレオンとポポロの身体能力に注目だ。
最後は、全日本vsレッドストームの試合場面。稽古場ではマジックやフライング、映像など舞台機構を駆使する演出は見られなかったものの、早田誠(土井)のカミソリシュート、石崎了(輝山)の顔面ブロック、若林源三(中村)の三角飛びや、日向小次郎(松井)の雷獣シュートなど数々の必殺技が繰り出され、息を呑むような一進一退の攻防が続く。今後のゲーム展開が楽しみになる白熱したシーンになっていた。
囲み取材では、まず大空翼役の元木が挨拶。「身体能力の高いキャストが揃い、マジックやフライングなど見たことのない動きに加え、ハプティックウェアによる体感技術やフレグランス演出など、新しい要素が詰まった“ほかに類を見ない”舞台になっていると思います!」と本作のオリジナル性を強くアピール。
若林源三役の中村は「顔合わせでは、向かいの席の顔が見えないくらい多くの方が関わっていて、すごい作品に携わっているのだと日々実感しています。『キャプテン翼』という作品は、ほとんどの方が知っているものだと思うので、その名に恥じないようがんばりたいと思っています」と誠実に語った。
日向小次郎役の松井は「原作の『キャプテン翼』では、実際の試合では使わないような技も出てきますが、舞台ではそれをアクロバットで表現しています。それを、実際にボールがなくてもその技が見えるように、常に意識し細かく見せていきたいと思っています」と本作ならではの苦労を明かすと、続けて、岬太郎役の鐘ヶ江も「稽古場では、皆ボールを表現しながらアクロバットをすることに苦労しているんじゃないかと思います。今後はワイヤーアクションなど、さらに要素が増えてくるのでもっと大変になるんじゃないかと思います(笑)」と語った。
三杉淳役の鷲尾は「“超体感ステージ”ということで、フログレンス効果やハプティックウェアなど新しい要素があるのですが、僕たちは役者なので、その新しい効果と演劇の熱さを融合して舞台として新しいものをお見せできたら」と本作特有の魅力についてコメント。若島津健役の渡辺は、稽古場でのおもしろエピソードを求められ「サッカー経験者ばかりではないので、稽古後、実際にサッカーのミニゲームをしたりするんです。ある日、演出のEBIKENさんも混じえて試合をしたのですが、一番ラフプレイをするのがEBIKENさんでした(笑)」と、和気藹々(?)としたエピソードを披露した。
ロベルト本郷役の田中は、自身の演じるキャラクターについて「元ブラジル代表のエースナンバーをつけていた選手だったのですが、網膜剥離という病気を患いサッカーができなくなり、生きる目標を失くしていたところ、翼と、今作のオリジナルキャラクターであるエイブ・レオンと出会い、自分の生きがいを見つけるんですね。ですから、希望を与えてくれた二人の戦いはやはり気になりますし、翼がロベルトから受け継いだものをチームに浸透させていく気持ちが見えたら素敵だなと思います」と解説。
全日本の監督・三上辰夫役の瀬川はお気に入りキャラクターに「翼」を挙げ、「僕はもともと原作の大ファン。『キャプテン翼』を読んでサッカーを始めたので、何よりも翼くんへの想いを持っていました」と、原作に対する並々ならぬ愛を見せた。
公開稽古の様子を振り返り、総合演出のEBIKENは「今日、公開したシーンを見ていて改めて『迫力があるな』と思いました。皆さんの身体能力もさることながら、お芝居が本当に良くて・・・プロだなと。そしてここに、映像など様々な要素が加わってると、さらにおもしろいものになるんじゃないかと思います」と自信を露わにした。
最後に、元木は「キャスト、スタッフ一同、熱いものを持っている人が揃っています。舞台版の『キャプテン翼』もすごいと言われるような作品になるよう命を燃やして頑張っていますので、期待してお待ちください」と呼びかけ、会見を締めくくった。
この夏、大空翼率いる全日本チームの熱い戦いをお見逃しなく!なお、超体感ステージ『キャプテン翼』開幕記念として、抽選で400名を招待し、8月5日(土)に「横浜FC vs 大分トリニータ戦」をキャストと共に観戦するツアーが開催される。こちらの応募期間は7月31日(月)までとなっているので、こちらも要チェックだ。
超体感ステージ『キャプテン翼』は、8月18日(金)から9月3日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて上演される。
(C)高橋陽一/集英社 (C)超体感ステージ「キャプテン翼」製作委員会
(取材・文・撮影/大宮ガスト)