世界的に大ヒットしたミュージカルがついに日本人キャストで実現!この夏話題のミュージカル「ダイワハウスpresents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』」が2017年7月19日(水)から7月23日(日)までのプレビュー公演を経て、いよいよ7月25日(火)から東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演される。プレビュー公演の中日となった7月21日(金)にはプレスコールが行われ、その後、ビリー役の5人(加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力)と、吉田鋼太郎、益岡徹、柚希礼音、島田歌穂が囲み会見に姿を現した。
プレビュー公演の手ごたえについて、ビリーのお父さん役(Wキャスト)を務める吉田は、「ぼくら大人キャストは約2か月、そしてビリーたちは1年半+2か月稽古をしてきたが、その甲斐があった、実が結ばれたと言えるプレビュー公演でした」と自信をみなぎらせる。「ビリーがバレエやタップをみせるその度ごとにお客様からの拍手と歓声が鳴りやまなかった。頑張ればちゃんと結果が出るんだな。58歳になって改めて思い知らされました」と笑いを誘った。吉田と同じくビリーのお父さん役を演じる益岡も、吉田に負けじと「この夏で61歳を迎えるんですが」と前置きし「初めてミュージカルに挑戦するんですが、得るものも多くて。間近で(加藤)航世が踊っているのを見ていると、芝居じゃなくても感動できる」と語る。
ビリーにバレエを教えるウィルキンソン先生役(Wキャスト)の柚希は「こんな作品に出れることが幸せ。アンサンブルの一人ひとりまでが大切なんです」同じくウィルキンソン先生を演じる島田は、8年前に本作をブロードウェイで観たという。「(その時は)席から立ち上がれなかったくらい大感動した」とその時の興奮を伝える。「その日本版初演の舞台に立たせていただけていることが夢のよう」と柚希同様、幸せをかみしめていた。本作の稽古は想像以上に大変なものだったが「その稽古でビリーたちがどんどん力強く輝いていく様に日々感動をもらっていた」と島田も笑顔を見せた。
先にプレビュー公演を経験した加藤は、本番の感想について「(劇中で披露する)『Electricity』をやった後に、すごい拍手をもらえてすごく気持ちよかった。今まで練習してきた甲斐があった」同じく前田は「最初はすごく緊張していたけれど、やりながら緊張が解けて楽しくなってきてフィナーレの『フィニッシュ!』を言うところが気持ちよくて、幕が上がって一人だけ舞台の上でお辞儀をするというのが気持ちよくて・・・気持ちよかったです」と感想を口にすると、後ろから吉田が「主役しかやらない・・・爆弾発言だな」と茶々を入れ、その言葉に全員が笑っていた。
また、これから本番を迎える木村は「舞台袖で緊張するのはいいと思っているんですが、舞台に出たら緊張をしないようにしたい」未来は「去年4月のオーディションのときは、熊本から出てきて、この劇場(赤坂ACTシアター)を外から見ながら『1年後、またここに来れたらいいね』って母と話していた。それから1年経ってまたここに来れたのが嬉しい」と振り返る。
最後にコメントを求められた山城は、前述の4人から遅れてビリー役に大抜擢されたという経歴を持つ。そのせいもあってか、緊張したまま「去年から毎日頑張ってきて・・・」から先の言葉がなかなかでてこない。その姿に、真後ろの島田が山城の背中をやさしくさすったり、吉田も「大丈夫。お前の初日は一か月先だから」と声をかけて笑わせる。そこでようやく落ち着いたのか、「毎日きつかったときもあったけどここまで頑張ってこれて、これから実際に舞台に立てることが楽しみ。トールボーイ役も毎日大切に頑張っていきたい。トールボーイ役の経験をもとに8月8日(火)からのビリー役を爆発させたい」と胸の内を語った。
このあともマスコミからの質問に立派に答えていく5人のビリーの姿に、吉田が「約2か月前、『ビリー・エリオット』をやりますと制作発表をしたとき、彼らはほとんど何もしゃべることができなかった。もしくは先にしゃべっていた子が『本番まで頑張ります』というと次の子が『ぼくも頑張ります』と答えるくらい・・・。ところがどうです?今はもう『(前の人に)早く終われよ~』と言い出しそうで。この成長ぶりがびっくりします。この公演が終わる頃には『よぉ、吉田ぁ~おはよ~!』って言われているかも」というと、ビリーをはじめ全員が大笑い。さらに吉田はあとで「こいつらがまあよくやるなぁ、と。今のうちにツブしておかないとな」と言って再び笑いを起こしていた。
同じくビリーたちの成長ぶりに柚希は「最近はそれぞれの瞳の中までがビリーになってきてて、一緒に芝居をするのが楽しい」島田は一呼吸置いてから「稽古の中でどんどん彼らが変わっていく。そのピュアさ、感性の鋭さ、スポンジのようにすべてを吸収していく姿は、私にとってもエネルギー源ですね」とやや目を潤ませながら言葉を贈る。かつて子役でデビューし、この世界でキャリアを積んできた島田だからこそ、ビリーたちに様々な想いを重ねて胸いっぱいになっているようだった。
「ブロック別で進めていた稽古がプレビュー公演までに一体化し、ビリーを初め、大人キャストもアンサンブルの方も、より一層団結して強固なものになるのでは。芝居の中で『団結』というモチーフがあるんですが、まさにその『団結』がこの芝居を高みに連れて行くと思う」と益岡。その言葉のとおり、『ビリー・エリオット』は、日々進化を続ける舞台となりそうだ。
ダイワハウスpresents ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』、今後の公演スケジュールは以下のとおり。
【プレビュー公演】7月22日(土)・7月23日(日) TBS赤坂ACTシアター
【東京公演】7月25日(火)~10月1日(日) TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】10月15日(日)~11月4日(土) 梅田芸術劇場 メインホール
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)