劇団プレステージ、8月の本公演『URA!URA!Booost』へ向けて加速!ファンイベントレポート

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劇団プレステージによるファンイベント「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」が、2017年7月16日(日)・7月17日(月・祝)の2日間、東京・赤坂BLITZにて開催された。8月に行われる第12回本公演『URA!URA!Booost』を前に、いつも応援してくれているファン、そして、劇団のことを知ろうと足を運んでくれたファンと共に、熱く楽しい夏の一時を過ごした劇プレ。本レポートでは、17日昼公演の模様をお届けする。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_2

本イベントには、石原壮馬、猪塚健太、今井隆文、岩田玲、太田将熙、大村まなる、風間由次郎、加藤潤一、株元英彰、城築創、小池惟紀、向野章太郎、坂田直貴、園田玲欧奈、高頭祐樹、高橋秀行、長尾卓也、原田新平(50音順)の全18名の劇団員が勢揃い。最近では、全国のファンに直接会いに行く「全国握手旅2017」などを開催してきた劇プレだが、ファンイベントは2015年に行われた10周年記念イベント「Prestage Party at PIT~てんやわんやの大感謝祭~」以来となる。

開演前、メンバーの登場を待ち望む期待に満ちた客席に、諸注意を読み上げる影アナの声が流れる。ちょっと不思議な感じがする・・・と聞いていると、なんと「原田新平の母です」との挨拶が!心温まる保護者の言葉にどっと笑いが起こる中、舞台上には劇プレバンドがスタンバイし、いよいよイベントがスタートした。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_4

劇プレの作品には、劇中に数々の名曲が登場する。その公演でしか聞くことのできなかった曲たちを再び“ライブ”で聞くことができるのも、このファンイベントの大きな醍醐味の一つだろう。爽やかな白Tシャツ姿で登場した劇団員たちが、まず聞かせてくれたのは「アウタースペース109」(第6回公演より)。今回の実行委員長を務めたMCの株元が、昼公演にも関わらず勢い余って「皆さん、こんばんはー!」と挨拶してしまうほど、一気に盛り上がりを見せた会場。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_6

「こうして18人が板の上に揃うのはとても久しぶりなので、まずは自己紹介を!」ということで、一人一人から個性溢れる挨拶が飛び出した。太田が「ほくろは恋のブラックホール!太田です!よろしくお願いします!!」とキャッチーな挨拶をキメると、髪型が特徴的な今井が「もじゃもじゃ、毛根のブラックホール!」と続き、坂田が「俺の胃袋はブラックホール!」、高頭が「サラダに入れるのはブラックオリーブ」と先輩たちが次々とかぶせてくるなど、早速絶妙なコンビネーションが生まれ、会場は大きな笑いに包まれた。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_12

そして、8月の本公演について劇団員たちが身体を張って宣伝をするCMが流れたあと、始まったのはコント「マスターと響也」。マスター・矢沢(向野)と響也(今井)は、『リサウンド~響奏曲~』(2016年第11回公演)の登場人物である。どうやら、解散してしまった響也のバンド「リバイバーズ」に代わり、ライブハウスを盛り上げてくれるスターを探すオーディションを開催するようだ。トップバッターとして登場したのは、第10回公演『Have a good time?』(再演)に登場したC級アイドルグループ「東京オードル」(今井・大村・向野・坂田・長尾)!「あの曲聞きたいやろ?!」と「仮面晩餐会」を繰り出し、華麗(?)なステージングを見せるが、あえなく落選。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_20

その後もオタ芸を繰り出す「オタクふれんず」(岩田・高頭・高橋)、三方礼を忘れない「宝塚の人々」(風間・加藤・園田)、夜の街からやってきた「ザ・乳首」(猪塚・石原・坂田)、謎の「インド人イリュージョニスト兄弟」(小池、原田)、モチ肌の持ち主でおもち・・・ではなく“おもチラシ”を配って歩く「如月リオン」(原田)らが次々と面接に訪れるが、落とされてしまう。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_11

誰かいないのかと肩を落とすマスターと響也だったが、突如会場が暗くなり・・・現れたのは謎のイケメンK-POPグループ「リバース」(第10回公演より)!ド派手にかっこいいパフォーマンスを繰り広げる5人組(風間、猪塚、株元、太田、石原)に、会場は一気にヒートアップした。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_16

続いて登場したのは、某芸人を思わせつつ、身体を張って“メンタルクイズ”に挑む「メンタルマン1号・3号」(岩田・高橋)、そして「トライアングルズ」。この二人組(築創・株元)、『リサウンド~響奏曲~』では「タンバリンズ」を名乗っていたが、楽器を持ち替え再びデビューを目指しているようだ。さらに、そこに「遅れてごめ~ん!」と現れたのは、響也の末弟・奏(大村)。劇中では難聴に苦しんでいた奏だが、謎の“てててん”のお陰で治り「トライアングルズ」に加入したのだという。

さらに、ラップでバトルすると言いながらバトルしない「大根島サラリーマンズ」(太田・小池)、ミュージカルばりに“エエ声”で歌い上げる演歌歌手「大海原大五郎」(加藤)という、アクの強いキャラクターも参戦。ここで、会場には再び奏と、二番目の兄・楽(長尾)が駆けつけた。奏の難聴を治ったのは、この大海原大五郎の“てててん”おかげだそう。“てててん”が何なのか、マスターが問い続けたものの最後まで明かされることはなかったが『リサウンド』のエピローグとして、大村演じる奏の笑顔を見られたことは、あの物語を観た方には喜ばしいことだったのではないだろうか。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_15

そしてもう一つ、『リサウンド』のエピローグならばどうしても聞きたい曲がある。ここで、響也のバンドメンバーたち(坂田・高頭)がオーディションに現れ、「もう一回だけやろうぜ!」と叫ぶ。この場限りの「リバイバーズ」復活として、今井演じる響也がついにギターを握り、「リサウンド」を響かせた。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_7

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_10

コントを終えると、再びメンバーがステージに集合。後半戦のライブパートでは「The Wonderful Future」(第8回公演『ブラックパールは世界を動かす』より)、「ゴーストレイト」(第5回公演より)、「ヘタクソな唄」(第7回公演『ボーンヘッド・ボーンヘッダー』より)、そして最後に「Have a good time?」(第4回公演/第10回公演より)を歌い上げ、会場と一体となった。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_3

鳴り止まない手拍子とアンコールの声に応え、会場に再び明かりが灯ると前回のファンイベント『PPP』のために書き下ろされた「青春のプレステージ」を歌いながらメンバーが飛び出してくる。ステージ上だけでなく、客席(2階席にも!)もメンバーが現れ、ファン一人一人と顔を合わせ、感謝の気持ちを伝えながら練り歩く。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_13

最後に、株元は「このイベントをやる前に『握手旅2017』という企画をやらせてもらったんですが、その中で応援してくださる声がこんなに全国にあるんだなというのを改めて感じました」と挨拶。そして「その企画の当初は、劇プレメンバーは20人いました。その後、春日由輝と平埜生成という二人が新しい道に進むことになり、18人になりました。今までもメンバーの脱退はあったし、それでも僕たちは前に進んできたし・・・変化は“進化”だと思って、二人のためにも僕たちはがんばっていかなくてはと思っています」と熱く語り、言葉を詰まらせた。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_9

彼らが次に進むステージは、劇団員18名全員が揃う本公演。「このイベントのリハーサルと共に、本公演の稽古も始まっています。絶対に熱い熱い舞台にして届けますので、皆さんどうか楽しみにしていてください!本当に今日はありがとうございました!!」株元の力強い言葉に続き、「WORLD’S ENDのGIRLFRIEND」(第9回公演より)が歌われ、イベントは笑顔いっぱいで締めくくられた。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_21

終演後、リーダーの今井、そして猪塚、太田に話を聞くことができた。久しぶりのファンイベントについて、今井は「忘れかけていたことを、思い出せた感じがします。舞台とはまた違う、双方向の反応を観る機会は、僕らも楽しいし、観ている人も楽しいんだなと改めて思いました。よりおもしろいことをやっていって、もっともっと楽しませたいなと思う気持ちが強くなりましたね」と振り返る。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_19

猪塚も「僕ら役者がやるイベントの意味を毎回考えるんですが、お客さんは僕らの想像を超えてくれるんですよ。皆さんに喜んでほしいと思って創る場で、毎回、僕らの方がもらって帰るものが多い。それが、本公演をもっといいものにしたいというモチベーションにも繋がっていって、ただ楽しいだけではなく、その後にずっと繋がるイベントだなと思いました」と、改めて気合いが入った様子。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_18

ここ最近は「ドリフェス!」2.5次元アイドルDearDreamのメンバーとして、劇プレ以外の場所で経験を重ねてきた太田は「僕は、前回のイベント『PPP』以来の劇プレステージだったんですけど、(劇中歌を)歌っていると各公演のその時の景色とかを思い出しました。『ドリフェス!』での活動を活かすためにも、特に歌とダンスは先輩たちに負けないように、引っ張っていくぐらいがんばっていかなければと思ってやってきました」と強い気持ちを見せた。

8月の本公演は、イベント内でも語られたように久しぶりに劇団員全員で作り上げる。今井は、春日と平埜の脱退にも触れ、「20人から18人になったことを悲しいと思った人も多いと思うんですけど、それ以上に僕らが悲しい(笑)。でも、それをちゃんと受け入れてからこ
ういうイベントをやると、18人になっても変わっていないし、お客さんにも『やっぱり劇プレっていいな』って思って帰ってもらえている自信があります。全員が揃っての公演も久しぶりですし、それぞれの経験を経て変わっている部分もあるだろうし、お互いに負けないようにしないとな、と思います」と、語った。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_5

最後に本公演に向け、太田は「株さん(株元)も最後に言っていましたが、変化を進化と捉えて、18人にできる最高の舞台にしたいです。自分にとっても、劇団で久々にお芝居をやらせてもらえる機会なので、一つ一つ真摯に取り組んで、お客さんに全力で熱いステージを届けたいなと思っております」、猪塚は「僕らは、舞台をやることでしか生きていけないメンバーだと思います。それが成立するのは、お客さんがいてくれるからです。皆さんに楽しんでもらえるよう、僕ら人生をかけていきますので安心して観に来ていただきたいなと思っています」と、それぞれメッセージをくれた。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_22

イベントの初日には、『URA!URA!Booost』のビジュアルも公開された。そこには、チアリーダーや体操服、応援団姿の劇団員たちの姿が・・・(本番の配役とは無関係)。今回、描かれるのは“応援団”の話ということで「いつもたくさん応援していただいているので、応援し返してやろうと(笑)!『これ、私のことだ』と思えるような部分もたくさんあると思います。“応援”を体現して、皆さんに共感して観ていただけるものになるといいなと思っています。それから、最近の劇団公演ではコメディ要素が少なかったんですが、今回はコメディ多めになるんじゃないかな」と今井。さらに「客観的なコメントみたいになっちゃいますけど、久しぶりに劇団員全員揃ってできるというのが、すごく楽しみですね!」と期待を語っていた。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_17

今回のイベントを観て感じたのは、 “個”の成長と経験を重ねた“劇団として”の柔軟性。ユニット時代からのメンバーの脱退には寂しさもあるが、例えば『Have a good time?』で平埜が演じていた役を石原が新しい形で見せてくれたり、若手のキャラが立っていたり、ナレーションで元劇団員の結城洋平の声を聞くことができたりと、劇団の過去と現在を感じられたのも一つの実りなのではないだろうか。そして何より、全公演で赤坂BLITZを埋め尽くしたファンの愛。10年以上かけて紡いできた劇団とファンの絆が、未来に向けたかけがえのない財産なのではないかと思う。

劇団プレステージ「Prestage Party at 赤坂プリッツ ~真夏のオールスター大感謝祭~」舞台写真_8

劇団プレステージ第12回本公演『URA!URA!Booost』は、8月16日(水)から8月27日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演される。

きっとメンバーも、ファンの声援を受けて本公演への気持ちを加速させたに違いない。8月、劇プレが全員の力を結集して、どんな作品を見せてくれるのか楽しみだ。

※高頭祐樹の「高」は「はしごだか」が正式表記

(取材・文/エンタステージ編集部、写真/オフィシャル提供)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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