2017年6月29日(木)より東京・東京国際フォーラム ホールCほか、兵庫、愛知にて上演される音楽喜劇『のど自慢~上を向いて歩こう~』の製作発表会見が行われ、出演の森昌子、河合郁人(A.B.C-Z)、湖月わたる、上原多香子、寺西拓人(ジャニーズJr.)、小川菜摘、前田吟、監修・演出の井筒和幸が出席した。
本作は、井筒和幸監督の映画『のど自慢』(1999年)をベースに舞台化した音楽喜劇。鳴かず飛ばずの演歌歌手・赤城麗子(森)とそのマネージャー・須谷保(河合)の二人を軸に、人気テレビ番組「のど自慢」に賭ける人々を笑いと涙で描くハートウォーミング・コメディだ。
制作発表会見では、まず森が「32年振りの舞台に緊張していますが、50代最後に出演できて幸せです」と喜びを語り、「(テレビ番組の)のど自慢には数え切れない程参加しているので、テレビでは伝わらない緊張感を表現出来れば」と本作への意気込みを述べた。続いて河合は「台本を読んだら僕の役は台詞量が多く、普段の自分と共通する部分があるように感じました。歌を唄う場面はあるのかもしれないのですが、さほど歌の上手い設定ではないので、A.B.C-Z内の位置付けと同じです(笑)」と笑いを交え、自身の役についてコメント。
麗子の妹役を演じる湖月は「森さんの大ファンです」と前置きした上で「森さんの歌声を毎日稽古場で聴けるなんて・・・こんな勉強できる機会はありません」と喜びを語ると、役について「今回は私に心を寄せてくれる男性がいるのでハッピーです」と嬉しそうに挨拶した。
保の婚約者・立花景子役を演じる上原は「のど自慢に参加するという役ではないのですが、素晴らしいキャストの皆さんの歌声を近くで聴けることが楽しみです。家族の愛や人情をがんばって表現できたらと思っています」、歌に人生を賭ける大学生・小川淳一役を演じる寺西は「森さんと共演できることで一番喜んでくれたのがおばあちゃん。僕自身、大学を卒業したばかりで(役と)歳も近いので自分なりの演技ができれば」とそれぞれ心境を明かした。
スナックのママで、淳一の母でもある小川晃代役を演じる小川は「千秋楽には寺西くんと本当の親子のようになれたら」と冗談交じりで役作りについて触れ、内容については「この物語は『絆』がテーマになっていると思います。観てくださった皆さんにも絆の温かい部分を持って帰っていただければ」と魅力をアピール。
麗子の父・赤城徳蔵役の前田は「稽古場で毎日森さんの『越冬つばめ』が聴けると思うと幸せだよね。歳を取って台詞を覚えるのが大変になってきたのですが、ジジイとして頑張ろうと思います!」と力強く喜びと抱負を語った。
本作の監修・演出を務める井筒は「僕は演劇については素人ですから、あまり出しゃばってはいけないなと思っています」と控えめに笑いつつ、「家族とどう繋がり、他人とどう音楽を通して繋がるのかを見せられる、愛と慈愛に満ちた舞台にしていただければ、というのが僕の監修態度です」と本作にかける想いを明かした。
また「もし、実際にのど自慢に出場するなら何を唄うか?」と尋ねられると、河合は「ジャニーズの曲が好きで・・・SMAPさんの『夜空ノムコウ』ですかね」と回答。すると、司会の生島ヒロシから「歌っていただきましょう!」と振られ、木村拓哉の声真似をしながら熱唱することに。続けて、寺西も河合に促されるかたちでスピッツの『チェリー』を披露するなど、カラオケ合戦のような様相となった。最後には、森が「私の師匠である美空ひばりさんの曲を」と、「悲しき口笛」を歌い上げ、会場に大きな拍手が響いた。
音楽喜劇『のど自慢~上を向いて歩こう~』は6月29日(木)から7月4日(火)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演される。その後、兵庫、愛知を巡演。日程の詳細は、以下のとおり。
【東京公演】6月29日(木)~7月4日(火) 東京国際フォーラム ホールC
【兵庫公演】7月22日(土)~7月24日(月) 神戸・新神戸オリエンタル劇場
【愛知公演】8月12日(土)~8月18日(金) 中日劇場
(取材・文・撮影/大宮ガスト)