2017年4月15日(土)より東京・サンシャイン劇場にて、30-DELUX SQUARE ENIX Special Theater『ロマンシング サガ THE STAGE ~ロアーヌが燃える日~』が開幕した。本作は株式会社スクウェア・エニックスが誇る大人気ゲーム「ロマンシング サ・ガ3」を、演劇ユニット「30-DELUX」が初舞台化した話題作。その初日前に、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、河津秋敏(世界観監修・脚本原案)、とちぼり木(脚本)、市川雅統(「サガ」シリーズ・プロデューサー)、出演者の清水順二、新垣里沙、佐藤アツヒロが登壇した。
舞台版のストーリーは、ハリード(清水)を中心にロアーヌ侯国を舞台として、神王教団のマクシムス(森大)や四魔貴族の1人であるビューネイ(片山萌美)との戦いが描かれている。ゲーム版では、主人公8人にそれぞれのストーリーが存在するフリーシナリオ・システムにより物語が展開するが、舞台版でも、河津ととちぼりによってそのシステムを活かしつつ、ゲーム版を知らない人にも分かるようなストーリー構成に仕上がっている。
舞台版には、ゲーム版の8人の主人公であるハリード、カタリナ(緒月遠麻)、ミカエル(中村誠治郎)、トーマス(馬場良馬)、ユリアン(村瀬文宣)、エレン(長谷川かすみ)、モニカ(山本ひかる)、サラ(新垣)だけでなく、シャール(佐藤)、ファティーマ(笠松はる)、ルートヴィッヒ(和合真一)など、ゲームを彩った様々なキャラクターが登場して活躍する。
その役者陣について河津は「デジタルであったゲームを、人間が演じるということで、すごい迫力」と30-DELUXのメンバーはもちろんのこと、実力派の役者たちがゲーム・キャラクターたちの魅力を存分に引き出していることを絶賛。市川も「演じる方々の熱い思い が伝わった」とゲネプロを振り返った。
さらに、舞台版ではゲームに描ききれなかった各イベントに至るまでの裏側も、オリジナルストーリーとして、ゲームの生みの親である河津によって描かれている。そのため、ゲーム版のファンにも新しい発見がある作品となっているだろう。
「サガ」といえば戦闘シーンも人気のゲームシリーズ。戦闘シーンについて、佐藤は「30-DELUXなので、演劇的に表現が出来ていてカッコイイ仕上がりになっています。技名を叫ぶ時は、テンションが上がって楽しんでいました(笑)」と出演を楽しんでいる様子。30-DELUXの売りでもある殺陣と映像効果が組み合わさったことで、シリーズでも人気の技である「ファイナルレター」「乱れ雪月花」「聖王遺物」といった固有技などが舞台上に再現されている。また、技の閃きシーンも劇中に登場するので、ゲーム版のファンはぜひ期待してほしい。
また、ゲーム版のイメージを損なわないように、こだわり抜かれた衣装や武器の造形も非常に芸術的だ。そして、透過スクリーンには懐かしのゲーム画面による演出も行われ、作品を盛り上げる。その数々の再現度について、とちぼりは「3次元になったら、本当にこうだろうなと思っていました」と大満足。
さらに劇中の音楽は「サガ」シリーズの担当でもある伊藤賢治が監修。随所にゲームのBGMのアレンジが使用されており、戦闘シーンでは殺陣の迫力をより高めている。そして、舞台ならではの魅力として、新垣や笠松の歌も見どころだ。宿命を背負った役柄として、歌い上げる新垣は「素敵な音楽と歌詞をいただきまして、サラという宿命の子として歌というよりも、語りかけるようにお芝居として歌わせてもらいました」と打ち明けた。
舞台版のスタッフにも「サガ」シリーズに関わる製作者たちが勢揃いしていることもあって、清水は「新しいジャンルのエンターテインメントを作れるような気がします。“30-DELUX SQUARE ENIX Special Theater”を一つのブランドとして続けていきたいです」と意気込んだ。
普段は舞台を観ないゲーム版のファンにはこれを機会に演劇というエンターテインメントを、ゲームを知らない演劇ファンには30-DELUXによる新しいエンターテインメントを楽しんでもらえる作品だ。
30-DELUX SQUARE ENIX Special Theater『ロマンシング サガ THE STAGE ~ロアーヌが燃える日~』は4月23日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、大阪、愛知、福岡を巡演。日程の詳細は以下のとおり。
【東京公演】4月15日(土)~4月23日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】4月28日(金)~4月30日(日) サンケイホールブリーゼ
【愛知公演】5月3日(水・祝)・5月4日(木・祝) 愛知県芸術劇場 大ホール
【福岡公演】5月6日(土)・5月7日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
(C)2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI Produced By ”Romancing SaGa THE STAGE” Production Committee
(取材・文・撮影/櫻井宏充)