芸術監督・野村萬斎が思い描くエンタメの世界「世田谷パブリックシアター開場周年記念プログラム」発表

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2017年4月6日(木)、東京・世田谷パブリックシアターで「世田谷パブリックシアター開場20周年記念プログラム」の製作発表会見が行われた。同劇場にて芸術監督を務める野村萬斎が登壇し、永井多恵子館長とともに2017年度の取り組みを発表。萬斎が掲げる3つの方針「地域性、同時代性、普遍性」「伝統演劇と現代演劇の融合」「レパートリーの創造」を凝縮させたようなラインアップが紹介された。

1997年に開場した世田谷パブリックシアターは、2017年4月5日に20周年を迎えた。永井館長は「演劇とダンスを特徴とするシアター、また社会に何かを訴えるシアターにしたいと思い、劇場の特色を決めました」と設立当時を振り返る。開場式典で萬斎による狂言『三番叟』を執り行ったことが、今日のように萬斎とタッグを組むきっかけとなったことを語った。

一方、伝統芸能だけでなく現代演劇にも精通した萬斎は、2002年に芸術監督に就任。「私が思い描いていた劇場像と近いものを感じていました」と引き受けた経緯を語り「日本の演劇界はバリエーションに富んだ宝の山のように感じます」とこれからの可能性についても触れた。

芸術監督として、萬斎は3つの方針を掲げている。1つ目は、時代を映す作品を世田谷から発信していく「地域性、同時代性、普遍性」。2つ目は、先人が築きあげたものと新しい息吹がもたらす「伝統演劇と現代演劇の融合」。3つ目は、長きにわたって続くような作品を育てる「レパートリーの創造」。地域のコミュニティーを大切に、社会へ貢献できるような作品を世界に発信する。

世田谷パブリックシアターでは、今年度もさまざまな作品を展開。一般公募による多数のエキストラを迎えての狂言『唐人相撲』、同劇場から誕生した究極のダンス『ABSOLUTE ZERO 絶対零度2017』、萬斎演出の『子午線の祀り』、若手演出家・小山ゆうなによる『チック』、浦井健治主演の『ペール・ギュント』、萬斎や広末涼子ほか豪華キャストで送る『シャンハイムーン』など、バラエティー豊かなプログラムになっている。

2017年4月1日(土)から2018年3月31日(土)にかけて、世田谷パブリックシアター、およびシアタートラムで行われる「世田谷パブリックシアター開場20周年記念プログラム」の主なラインアップは以下の通り。詳細は公式HPにてご確認を。
【「世田谷パブリックシアター開場20周年記念プログラム」公式HP】https://setagaya-pt.jp/performances/2017lineup.html

◆世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演 トーク&パフォーマンス『MANSAIボレロ』
4月5日(水) 世田谷パブリックシアター
出演:野村萬斎ほか

◆世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演 狂言『唐人相撲』/『MANSAIボレロ』
4月5日(水)~4月9日(日) 世田谷パブリックシアター
出演:野村万作、野村萬斎、万作の会

◆『ABSOLUTE ZERO 絶対零度2017』
6月1日(木)~6月4日(日)世田谷パブリックシアター
構成・振付・美術・照明:勅使川原三郎
出演:勅使川原三郎、佐東利穂子

◆『子午線の祀り』
7月 世田谷パブリックシアター
作:木下順二
演出:野村萬斎
音楽:武満徹
出演:野村萬斎、成河、河原崎國太郎、今井朋彦、村田雄浩、若村麻由美ほか

◆『チック』
8月13日(日)~8月27日(日) シアタートラム
原作:ヴォルフガング・ヘルンドルフ
作:ロバート・コール
翻訳・演出:小山ゆうな
出演:柄本時生ほか

◆『MANSAI◎解体新書 その弐拾七』
8月23日(水) 世田谷パブリックシアター
出演:野村萬斎ほか

◆カンパニーXY『夜はこれから』
10月20日(金)~10月22日(日) 世田谷パブリックシアター
振付・出演:カンパニーXY

◆『管理人』
11月~12月 シアタートラム
作:ハロルド・ピンター
翻訳:徐賀世子
演出:森新太郎
出演:溝端淳平、忍成修吾、温水洋一

◆『ペール・ギュント』
12月 世田谷パブリックシアター、兵庫県立芸術文化センター
原作:ヘンリック・イプセン
演出:ヤン・ジョンウン
出演:浦井健治、趣里、ユン・ダギョン、マルシアほか

◆『シャンハイムーン』
2018年2月~3月 世田谷パブリックシアター
作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:野村萬斎ほか

◆『岸 リトラル』
2018年2月~3月 シアタートラム
作:ワジディ・ムワワド
翻訳:藤井慎太郎
演出:上村聡史

(取材・文・撮影/堀江有希)

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