数々の伝説を残してきた元宝塚歌劇団星組トップスター柚希礼音が、宝塚退団後初のソロコンサートとして2016年3月に行った『REON JACK』。2017年春、全国3都市その第2弾となる『REON JACK2』を開催、3月中に大阪公演と東京公演が行われた。残る福岡公演の前に、3月31日(金)にパシフィコ横浜国立大ホールにて行われた公演の模様をレポートする。
(以下、歌われる楽曲などに触れています)
『REON JACK2』では音楽プロデューサーに、ポルノグラフィティやいきものがかりなどを手掛ける本間昭光を迎えた。そして、豪華共演者には、日本で唯一『ボレロ』を踊ることを許された世界的バレエダンサー上野水香(東京バレエ団)、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で“死のダンサー”を演じ注目を集めた大貫勇輔、『REON JACK』の共演でも記憶に新しいクリスティアン・ロペスなど、“モンスター級”の超実力派ダンサーたちが柚希とコラボレーション。よりクールに、アーティスティックに、アーティスト・柚希の魅力が全方位で楽しめるコンサートとなっている。
コンサートがスタートすると、柚希は黒のラインの入った白スーツ姿で登場。観客の大歓声の中、「Maybe If・・・」「太陽を射る者」を歌いあげ、会場は一気に盛り上がりを見せた。続いて、柚希は白いノースリーブの衣装で、メジャーデビュー1stミニアルバム「REONISM」収録曲の「Two Snakes~feat.NAOTO」を歌いながら、振付家・ダンサーの大村俊介(SHUN)と、妖艶に絡み合うダンスで観客を魅了。
さらに「love U」では、舞台前方の透過スクリーンにガス灯と降りしきる雨を映し出す幻想的な演出の中で、シックな黒のロングコートをまとった柚希が歌い、「TUS OJOS DE CIELO」では柚希・大貫・クリスティアンの3人が、赤のアクセントが美しい男性用の黒いタンゴ衣装で登場。柚希は二人の間を交互に移りながら、アクロバティックに華麗で力強く踊り上げた。
「リベルタンゴ」では、柚希が紫のパンツに、ロングノースリーブのジャケット衣装で、上野と共にダンスを披露。上野が「女性と組むのは初めてだったので、妙にドキドキしましたが、二人で舞台の上で成長ができた気がします」とMCで語ったように、時に柚希が男役さながらに上野をリードして交わり、時に競い合うような圧巻のダンスが繰り広げられた。そして「A Evarist Carriego」の曲になると、赤いドレス姿の柚希が登場。柚希はクリスティアンと情熱的にタンゴを踊り上げると、観客の拍手を浴びながら、2人は腕を組んで退場。
コンサート終盤になると、柚希は白いドレスとブーツ、ハット姿で登場し、柚希が作詞を手掛けたバラード「希望の空」などを熱唱。そして、柚希はステージ上段にゆっくりと上がると、観客へ手を振りながらステージ下へと消えていった。
暗転したホールでは、興奮と熱気で盛り上がる観客のアンコールが巻き起こり、その声に答えて、柚希が『REON JACK2』のTシャツとジーンズ姿で再び登場。「死ぬ前に思い出す風景は、宝塚退団直前の武道館の風景だと思っておりましたが、パシフィコ横浜のこの風景も追加させていただきます(笑)」と、ホールを埋め尽くす観客に感謝を述べると、会場は笑いに包まれた。さらに、この日が最後の出演となる上野も登場し、二人はお互いのパフォーマンスを讃え合いながら抱き合った。
最後に、柚希はアンコール曲として新曲の「Yes!世界に魔法が降りそそぐ」と「REON JACK」を観客と一緒に歌い上げ、「レオンにジャックされたかな!?」と呼びかけると、観客は「イェーイ!」と大歓声で応え、感謝の言葉を繰り返しながら退場する柚希に、惜しみない拍手を送り続けた。
残る福岡公演は、4月19日(水)・4月20日(木)に福岡市民会館にて開催。お見逃しなく!
◆柚希礼音ソロコンサート『REON JACK2』
【出演者】
柚希礼音
上野水香(東京バレエ団) 大貫勇輔 大村俊介(SHUNSHUN) クリスティアン・ロペス
【DANCERS】
阿部雄大 岩﨑浩太郎 神谷直樹 周平 山下銀次 HACHI 矢野祐子
【BAND MEMBERS】
NAOTO(Violin&Band Master) 楠瀬タクヤ(Drums) 二家本亮介(Bass) 山本陽介(Guitar)
野崎泰弘(Keyboard) 足立賢明(Manipulator) MARU(Chorus)
(取材・文/櫻井宏充)